学芸大学飲食アニュアルレポートとは
2013年8月より学芸大学に住む、学芸大学で500軒以上の飲食店を巡ってきた筆者・ひろぽん(後藤ひろし)。2022年までは「学芸大学飲食アワード」を発表してきましたが、2023年からは「学芸大学飲食アニュアルレポート」と題して、その年の学大飲食事情をレポートしています。
目次
2025年の新規出店数

2025年は44軒(42軒?※1)の飲食店がオープンしました。前年、2024年は88軒で過去最高。翻って今年、2025年はその半分、この10年でもっとも少ない年だったかもしれません(※2)。

新規出店数が少なかった要因は、ここ数年でとてつもない数の飲食店がオープンし、飲食物件に空きが少ないというのがひとつ。
もうひとつ、家賃が高騰しているので、空き物件があっても飲食店が入りづらいということもあると思います。
年間飲食店開店数
- 2025年 44軒
- 2024年 88軒
- 2023年 71軒
- 2022年 64軒
- 2021年 60軒
- 2020年 48軒
- 2019年 55軒
- 2018年 47軒
- 2017年 50軒
※1 開店したと言えないような店、あるいは実態がよくわからないような店もいくつかあって、開店軒数に幅があります。また、当記事公開後の年末に閉店する飲食店もあるかもしれません(あります)
※2 (ほぼ)正確に出店軒数を把握しているのは2018年以降。2015年~2017年は不確かながら、おおよそは把握していて、少なくともだいたい45軒は出店していました
2025年の学大飲食トレンド
これまでの学芸大学の飲食トレンドを振り返ってみると、
- 2024年 カレーとカフェ
- 2023年 バー
- 2022年 立ち飲み
- 2021年 リニューアル・業態変更
- 2020年 学大ドミナント
- 2019年 酒場
- 2018年 重から軽
でした。

2025年の上半期、特に春から夏にかけての夜は尋常ではない人出、客入りでした。ですから、「学大飲食バブル」などと言いたくもなるのですが、秋以降は穏やかになり、「バブル」というほどではなく落ち着きました(それでも以前より多くなっているけど)。
ニューオープンした店も居酒屋、洋食系、カフェ、バー、ネオスナックとジャンルはばらけていて、個人店もあれば大手運営もある。そもそも出店数が少なかったので、正直、"トレンド"とくくれるようなことが……。
企画のために無理やりトレンドを作るってのもおかしな話なので、今年の学大飲食トレンドは「特になし」ということにします。
印象的だった飲食店
今年あるいは去年オープンした新しい店で印象的だったお店を挙げてみます。

路面店で外の席もあるため目立つということもあるのですが、LAZZY coffeeと(ee).のカフェ2軒は若者を中心に多くの客が入っていました。前者は去年の11月、後者は今年オープン。
今年オープンのサンヤも時間が深まれば深まるほど人でいっぱいになっているように見受けられました。

興味深かったのは駅から離れた場所の店、Grolla(グロッラ)、ビストロ シュハリ、Fuba(※)が多くの人に支持されているということです。もちろん、それだけの実力があるということなのでしょうけど、これまでの学芸大学ではあまりなかった動きだと感じました。
※Fubaは昨年オープン

そのほか、飲んでいて「あそこがよかった」「ここによく行ってる」などとよく耳にしたお店は、LB coffee&bar、朝昼食堂 五本指。いずれも今年オープンです。
閉店した飲食店

今年は47軒が閉店しました(リニューアル/業態変更・移転含む)。例年よりやや少なめでしょうか。ちなみに過去最多は2023年の68軒でした。
ただ、開店数が44軒なので、少なくともこの10年で初めて学芸大学の飲食店数が減りました。
閉店した業態や理由に傾向のようなものは特に見受けられません(家賃・物件問題はさて置き)。
これだけ家賃が高騰しているにもかかわらず閉店数が比較的少ないのは、それなりに体力のある会社が出店していて、閉店しづらくなっているということもあるかもしれません。
と言いつつ実は……という話はまた後ほど。
参考X#学大開閉店情報(←飲食以外も含む)
2025年 学大飲食トピックス
テレビで紹介

前年の"クール云々"が影響してか、学芸大学がテレビで取り上げられることが多かったです。「最強LINEグループ旅」「ヒルナンデス」「かのサンド」などなど。
各番組では飲食店もたくさん紹介されていて、放送直後は"聖地巡礼"よろしく、出演者のファンたちが押し寄せていました。
番組に出てたひろぽんです。最強LINEグループ旅いかがでしたか? 来週もぜひ。さて、宮近海斗さん・松倉海斗さんのファンの方へ。
— 後藤ひろし(ひろぽん) (@gokky_510) January 11, 2025
(1)LINEでやり取りしただけですが、お二人ともとてもかわいかったですよw#濱口優 #よゐこ #宮近海斗 #松倉海斗 #TravisJapan #トラジャ #LINE旅 #学芸大学 #学大
煙がモクモク・おいしいということで、焼肉だいごろうが紹介されることも多かったですね。
ガクノミ
コロナ以前に開催されていた学大はしご酒祭という街飲食イベントを引き継ぐ、ガクノミ(学芸大学飲み歩きウィーク)というイベントが8月に開催されました。
"0回"と位置付けられ、そこまで大きくPRしてはいなかったのですが、好評だった模様です。
参考「学芸大学飲み歩きウィーク/ガクノミ」は学大飲食店を巡るスタンプラリー。1500円でお得に食べ・飲みできます。
シーシャが2軒

オシャレな若者が増えていることの証左なのでしょうか。シーシャバーが突如として2軒できたというのも印象的でした(Ancient Shisha & Record・shisha bar IORI)。
エビス参のリニューアル

オリジナリティ溢れるメニューは一新され、店頭のガチャガチャも店内のおもちゃも「カメラを止めるな」をはじめとする映画ポスターもすべて取り去られ、ゴチャゴチャしたカオスな雰囲気がなくなり、長く愛されてきたスタッフもいなくなって、エビス参がさっぱりとしたお店になりました。
運営会社の高度な(?)経営判断によるものなのでしょうけど、多くの"学大酒場"エビス参ファンが惜しんでいました。
浮雲・ムチュ2店舗同時閉店
11月、酒場浮雲と洋食ムチュが閉店。両者は姉妹店です。「突然でびっくりした」「好きだったのに残念」という声をよく耳にしました。
老舗の閉店

今年"も"老舗の閉店が目立ちました。その中でも特に話題となっていたのは、
閉店直前は別れを惜しむ人たちが押し寄せ、どこも入れないほどでした。
家賃高騰
「家賃が上がってきつい」
数年前からよく聞くことではあったのですが、今年はどこもかしこもこの話題でした。
また、相当に古い物件も多く、設備的にもう続けられない(設備刷新にコストがかかり過ぎる)ということで閉店や移転を余儀なくされるというパターンも多かったようです。
GAKUDAI COLLECTIVからの撤退
あい升プラス、米粉と鉄板、waccawacca、日常(※1)がGAKUDAI COLLECTIVから撤退。内2軒は学芸大学内で移転しました(※2)。
GAKUDAI COLLECTIVの新規募集は飲食NGなので、飲食店が増えることは今後ありません。
※1 日常は2026年1月31日に閉店
※2 あい升プラスは造作したにもかかわらずオープンすることなく、駅近くの高架下(学大市場)で、そばもん・酒屋あい升としてオープン。米粉と鉄板は学大横丁へ移転
参考【GAKUDAI COLLECTIV】テナント追加募集のお知らせ
訃報

1月、鮨和・ひとひら・燈(すべて学芸大学)などで腕をふるっていた料理人・伊藤剛君が亡くなりました。
学大中でよく飲み食いしていた有名人でもあったので、突然のことに驚いた人も多かったことでしょう。私もそのうちの一人。ご冥福を。
2026年予想・所感・総括
閉店ラッシュ
「家賃高いけど、こんなに賑わってる街だしいけるはず」
そう踏んでか、体力のありそうな会社が乗り込んできた1、2年前。けど、実際にやってみたら予想を遥かに越えてキツい。特に平日は思ったより客が入らないし……。赤字にはなってないものの、儲けがまったく見込めないので、キリのいい1年・2年、つまり来年あたりには撤退するか。
という店が実際に何軒かあるようです。結構な人気店ですらそうなのですから、私が知っている以上におそらく……。
リスタート
博多野菜巻き串 ミカタ、純喫酒ヲートサリンジャーが学芸大学内の他の場所で新たな店となってスタートします。もともとファンのいるお店ですし、地元の人たちに支持されるお店になるんじゃないかと期待を寄せる声も多いです。
1月は動きが鈍いでしょうけど、2月から3月にかけて、上記2軒を含めそれなりに多く出店があります。
来年はどんな飲食店が誕生するでしょうね。楽しみです。
いつもみなさまから数多くの開閉店情報をお寄せいただいてます。今年もありがとうございました。来年も引き続きよろしくお願いいたします。

後藤ひろし(ひろぽん)