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ポップ ガストロノミー レインカラー(学芸大学)の映える料理はカジュアルながらも本格的。ここには学大の"いま"がありました。

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急な階段の先にはいい店があります。BAR Hellish APT酒場浮雲さいとう屋天ぷらカブBAR PRETTY……。ただ、これらと違い今回は階段を下ります。

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学芸大学駅から徒歩1分。中華料理 二葉の先にPOP Gastronomy RAIN COLOR(ポップ ガストロノミー レインカラー)というお店があります。2021年9月2日にオープンしました。

ワイン食堂 レインカラー(2005年~)、大衆酒場 レインカラー(2019年~)に続く3号店。代表は手島義朋君、通称・てっしー。

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期待感を抱くと同時に怖さを覚えながら急な階段を下りました。階段が怖いわけじゃありません。何が怖かったかというと……まあとりあえず店に入りましょう。

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広々とした開放感のあるオシャレな店内には長いカウンター、長いテーブル、長いベンチ、フルオープンキッチン。若者がいっぱい。活気に溢れています。

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トイレの横には喫煙室もあります。

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もともとここはShowEnというガールズバーだったのですが、閉店後、しばらく借り手が現れませんでした。そりゃそうでしょう。地下だし、この広さ(家賃)だし、コロナだし。少なくともここで飲食は……と思っていたら。まさかまさかの。

なるほど確かにレインカラーだったらいけるか。ちなみに、もうひとつの学大の"R"もここを狙っていたとかいないとか。そちらだったとしても繁盛していたでしょうね。

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ドリンクは焼酎、日本酒、ワイン、ビールと何でもあります。ボトルワインとクラフトビールはフロアのケースから自分で選びます。

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ガストロノミー(仏: gastronomie、英: gastronomy)とは、食事・料理と文化の関係を考察することをいう。
(中略)
転じて、レストラン・ガストロノミックと、(料理としての)格が高いフランス料理のレストランや高級食材店名の冠としても用いられる。

出典/wikipedia:ガストロノミー

格調高い料理をポップにカジュアルに楽しんでもらうというのがポップ ガストロノミー レインカラーのコンセプト。イギリスで流行っているガストロパブから着想を得たそうです。メニューは大衆酒場レインカラーと同じものもあれば、独自のものもあり、イタリアン、フレンチ、和が縦横無尽に組み合わさっています。

参考/wikipedia:ガストロパブ

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キンミヤ焼酎、自家製大葉のピクルス、しそバイスで作られた久美子サワー(539円)。甘酸っぱさが胃を活性化させます。

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お通し(385円)のカンパチ(ハマチ? 失念)。緑はわさびではなくソースです。何かのフレーバーが魚特有の匂いを抑え込んでいるのですが、はて何だろう……。刺身というよりもカルパッチョのニュアンスを感じさせます。

大粒のカリッとした塩がおいしいなぁ。なんとなく恵比寿のセルサルサーレ(sel sal sale)を思い出しました。あちらはガチ、こちらはポップなのですが。あ、セルサルサーレと比較すると、レインカラーの言う「ポップ」のニュアンスがよくわかるかも。

ポップ ガストロノミー レインカラーのポテトサラダには小肌

寿司屋の小肌のポテトサラダ(759円)。大衆酒場レインカラーのポテトサラダは〆鯖とクレソン。こちらは小肌。

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軽めに〆られた小肌と手の込んだポテサラがいいバランス。

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活タコとシャインマスカット(759円)。足はプリっ、吸盤はコリっ。シャインマスカットの甘みがタコの風味を引き立たせています。ハーブはディル? ハーブとピンクペッパーがとてもいいアクセント。

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スタッフは約8名。それぞれがせわしなく動く中、てっしーは洗い物をしています。大衆酒場レインカラーがオープンする前、てっしーがポツリと呟いたことを思い出しました。

「勉強したい」

本当に学んだのでしょう。大衆酒場レインカラーできっとわかったんです。自分がスターシェフになる必要はない、と。

コンセプトを決め、店を作り、人を集め、レシピを開発すれば、あとはスタッフが手を動かしてくれる。自分にしか作れないものを出していても事業規模は大きくならない。多店舗展開し、多くの若者を育てつつ支え、そして多くの人に楽しんでもらうのに、自分が料理を作る必要はない。自分は経営のことを考え、店では洗い物をしていればいいんだ。作るべきは料理ではなく人だ、と。

私の勝手な推測なんですが。

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シチリアのレモンサワー(539円)はギュッとくる酸味が印象的。

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牛肉とフォアグラのロールキャベツ オニオングラタンソース(1089円)。

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肉々しいロールキャベツです。ソースは濃厚なのですが、塩味は控えめ。もっとパンチを出したくなるであろうところをグッと抑え、素材のおいしさを前面に出そうとしています。これはレインカラー全店に共通する特徴で、てっしーの料理思想が垣間見えるところでしょう。

ただ、私にはフォアグラがまったく感じられませんでした。フォアグラはどこに使われていたんだろう。見た目としても味としてもフォアグラ感がほしいかな。ここはちょっと不満。

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会計は4070円でした。値段は大衆酒場レインカラーとほぼ同じ。ポップガストロノミーレインカラーのほうがポーションが少な目で、その分、細かく手をかけているといった感じでしょうか。おいしいのはもちろん、どの料理も見栄えがいいので、料理が運ばれてくるたびにワッと驚かされます。

学芸大学の"いま"が詰まったポップガストロノミーレインカラー

さて、冒頭の"怖い"についてです。

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カウンター内一番左のニット帽がてっしー

SNS、食べログ、Googleマップの口コミを見て、実際に行った人の感想を聞いて、ポップガストロノミーレインカラーがおおよそどのような雰囲気かはわかっていました。若者で溢れかえっていると。

私が訪れた日もほぼ満席だったわけですが、ほとんどが20代、30代。私が断トツに高齢でした。だから怖かった。若さを見せつけられるのが怖かった。自分の老いを改めて感じさせられるのが怖かった。

けど、ロールキャベツが出てくるまで少し時間がかかっていたので、カウンター内のスタッフたちの様子、店内の様子を見ていると、何かがストンと腹に落ちました。

ああ、そうか。私が見てるこの景色は、まさに学芸大学の"いま"なんだ、と。

AWORKSひとひら鳥せんスタンドバインミー鳩乃湯、酒場 浮雲、大衆酒場レインカラー。こうした店がこの街に若者を引き寄せ、街は一気に若くなりました。他の街から学芸大学に出店する店も増え、他の街から学芸大学にやって来る客も増えました。そんな街の雰囲気がポップガストロノミーレインカラー内にも漂っています。

ふむ。大規模な再開発などせずとも、この街は健全に発展しているとポップガストロノミーレインカラーは教えてくれてるんだ。安心こそすれ、怖がるこたぁないか。そもそも2013年、私がこの街に越してきた時、こうなることをすでに予期していたわけだし。そして、こうなることはこの街にとっていいことだとも思っていたのだし。

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急な階段の先にはいい店がありました。そこでは学芸大学の"いま"が味わえました。

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