学芸大学駅から徒歩1分。西口商店街、スターバックスの角を右に曲がった先にgastronomia(ガストロノミア)というお店があります。チニャーレと言った方がわかりやすいかもしれませんね。
オーナーは東森俊二さん。TOP DOG(自由が丘)、リストランテ・グイド、リストランテ・アルノルフォ(イタリア)、ゼフィーロ(西麻布)、デイヴィス(白金)などで経験を積み、2003年、料理カメラマンに。2011年5月20日、学芸大学でCignale ENOTECA(チニャーレ・エノテカ)を創業しました。
2015年、"本店"を松見坂に移転させつつ、学芸大学の店舗も維持し続けます。2018年8月、学芸大学の店舗がCignale VINO & PANE(チニャーレ ヴィーノ エ パーネ)としてオープン。2019年ごろだったでしょうか、同ビルの1階奥、外海の向かいの物件(バー・一路があった場所)も借りるようになりました。
2024年7月、表の店舗がガストロノミアにリニューアル(※)。予約を取らずとも気軽に来れるバルのようなお店になりました。今回、私が訪れたのはこのガストロノミアです。
ちょうど表にスタッフさんが一人出てきました。
「予約の後藤です」
「少々お待ちください」
奥と手前を行ったり来たり。
「伊藤●●さんですか?」
「いえ」
また行ったり来たり。
表の店舗の中を眺めて、しばらくして「狭いですがそちらのお席にどうぞ」。
なんだろう。最初からその席に案内してくれればいいだけのことだったのに。別に嫌な気にはなってません。ガストロノミアに変わって、まだ勝手が掴めないのかなぁと。
ヲートサリンジャー by にのまえと並んで、学芸大学でもっとも狭い飲食店です。カウンター6席。詰めれば7席。お手洗いは奥の店舗内にあります。
この日は私たち含め男女2人が3組と、1人でいらっしゃっていた女性の計7名でした。みなさんガストロノミア・チニャーレによく来てる方だと思います。私は初。同伴者は10年ほど前に一度来たことがあると言ってました。
この日のメニューはこんな感じでしたが、日によって変わります。
1杯目はヒューガルデンホワイト(800円)。
「シェアされますか?」と聞かれたので、シェアすることにしました。最初にちょっと喉を潤したいだけなので、こうして飲めるのは嬉しい。
イベリコチョリソー(600円)。手前の黒いものはオリーブだと思ったのですが、何だったんだろう。不思議食感。
グラスの赤ワイン(900円)。
計3杯(3種)の赤ワインを飲んだのですが、どれもしっかり目で、私好みでした。
スズキの昆布〆(700円)。強く締っています。淡白なスズキにも昆布のうまみがガッツリ浸透。赤ワインとよく合うなぁ。
蘭王のウフマヨ(500円)。マヨソースではあるのですが、くどくない。ちょうどいい塩梅です。
助宗鱈のフリット(800円)。こちらのソースはさっぱりなんですが、清涼感も感じさせます。
びっちりとついた筋膜を肉から剥ぐように取り外し、観音開きのごとく肉を開いて、包丁で叩く。おそらくはレア目に焼き上げたであろう肉を休ませながらソースを作る。
こういう店は見てるだけでも楽しいや。
US 牛バヴェットステーキ(1700円)。黒板には「ハヴェットステーキ」と書かれていますが、bavette(バヴェット)のことです。単なる表記ミスでしょう。
バヴェットは本来、日本ではカイノミと呼ばれる部位です。フランスではこのバヴェットステーキがとても愛されているのだとか。
ただ、どうも日本ではハラミのステーキをバヴェットステーキと呼んでる店も多いらしく、それはいかがなものかと思うのですが、さて、これはどうでしょう。どちらも食感が似てるんですよねぇ。
繊維が強めでしっかりとした赤身です。肉々しい。自分で作ったら、この倍くらい濃いソースにしちゃってるだろうな。これくらいに留めておけるというのが、さすがプロ。
生胡椒カチョエペペ 150g(1600円)。カチョエペペはイタリア語で、cacio(チーズ) e(と) pepe(胡椒)。
パスタはイタリア・ナポリのSetaro(セタロ)。少し太めで、生パスタとはまた違うモッチリとした食感。チーズと胡椒とオイルというシンプルな味付けなのですが、これが妙に進む。パスタ自体のおいしさとチーズのうまみがそうさせるんだろうなぁ。
自家製唐辛子オイルには花椒も使われているので、どちらかというとラー油のような感じ。時折かけて味変させていたのですが、まったりとしたカチョエペペによくマッチしていました。
カチョエペペは作ったことがあるのですが(自作のカチョエペペ)、独特なパスタを使ったので(オッキピンティ)、今度はSetaroのパスタで……っと。いま、小売価格を調べてみたら、約1000円/500gするのか。ちょっと自分では買いづらいw
見事に注文をさばいていましたが、ワンオペなので、それなりに時間はかかります。そうなるだろうなと予想していたので、シェフのタイミングを見つつ、途切れることのないよう注文を重ねていきましたが、たっぷり2時間強かかりました。
会計は2人で12,000円弱(支払いは現金のみ)。全体的にポーションは控えめで、チニャーレに比べると値段もお手頃。ちょっといいバルといった感じじゃないでしょうか。
フラッと予約なしで入ることもできるのですが、いかんせん席数の少ない店なので、予約したほうがいいと思います。ただ、予約は当日予約のみです。私は15:30くらいにかけたらつながりました(※)。
デートでも一人でも来れます。2軒目なんて使い方もできるでしょうね。カッチリいきたいなら奥、サッとライトにいきたいなら手前(※)。そんな使い分けがいいんじゃないでしょうか。
※予約電話には「チニャーレです」と出ました(手前と奥は同じ番号)。念のため「ガストロノミアもこちらの番号ですよね?」と確認の上、予約を取りました。奥はチニャーレ ヴィーノ エ パーネのままなのか、そちらもガストロノミアなのかは不明瞭。以前はコースのみだったようですが、現在はアラカルトでもいけるようです(人数が多いとコース?)。1ヶ月ほど前に奥の店舗へ行った子はガストロノミアのことはまったく知りませんでした。飲んで食べて1人12,000円ほどだったと言ってました。どうなっているのか、ちょっとわかりづらいので、詳細は予約時にご確認を。
SHOP DATA
- gastronomia(ガストロノミア)
- 東京都目黒区鷹番3-7-12 サンループムカサ1F
- 080-4154-9911