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まつのみ(学芸大学)は文字通りの隠れ家バー。シックでオシャレなのに激安。締めのラーメンもあります。ブラッディメアリは必飲!

これぞ本当の隠れ家バー

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学芸大学駅から西口商店街方面へ行くと、日高屋があります。その角を右折して、ひとつめの角、東軒のある角を左に曲がると花たこ通り(筆者が勝手にそう呼んでいる)。

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花たこの前には大衆酒場レインカラー囲炉裏バル カルボがあるわけですが、その脇道を入った右手のマンション。

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1階にはコーヨーハイツという和食屋がありまして、

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その奥の階段を2階へ上ると、

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まつのみというバーがあります。まさに文字通りの"隠れ家"。2024年4月頃にオープンしました。

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見事な一枚板のカウンターと4人掛けテーブルがひとつ。

「こちらはどういう料金システムでしょう」

「チャージが300円で、お酒は600円、700円とか……大丈夫ですか?」

「はい」

席に着きつつ、ジントニックを頼むと、

「カクテルがないんです(※)」

「そうなんですか。何があるんだろう」

「ビール、ウィスキー、それと、あちらにワインセラーがあるんですが、ワインを推してます。あとは芋焼酎が」

「じゃあハイボールで」

「角でいいですか?」

「はい」

ポリシーでカクテルをやってないということではなく、単にまだオープンしたてで、リキュール類を揃えてないというだけでした。

「今後も振るようなカクテルはやるつもりないんですが……」

「まあリキュールを置いたところで、出るのはだいたいハイボール、レモンサワー、ウーロンハイだったりしますしね(笑)」

「ほんとそうなんです(笑)」

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※その後、ジンは置くようになりました。こちらはジントニック

話が弾む気さくな店主

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オーナー店主は松岡稔(まつおかみのる)さん。店名は自身の名前に由来しているのでしょう。

「大橋で『か兎が』という店をやってました。ランチがうどんで夜は居酒屋。これはもう閉店しましたが、恵比寿で日本酒の店もやっています」

「下のコーヨーハイツは上昇気流なんですが、ここもですか?」

「いえ。3階にもバーができるんですが、その人と昔からの知り合いで、ここを紹介してもらいました」

「え? マレ君?」

「はい。ご存じですか?」

「何度か飲み屋で一緒になったくらいだから、別に親しいってほどじゃないんですが、ああ、そういうツテが。なるほど」

マレ君(前波希映さん)はホーム商会の上にあるマレビューティークリニックの院長。当記事執筆時はまだ正式にオープンしていませんでしたが、まつのみの上、3階にBar Mareというバーができます。

「学芸大学で店を出したくて物件を探してたんですが、全部、落ちちゃって。たとえば、〇〇のところとか、〇〇とか……」

「あー。だったら絶対こっちでよかったですよ(笑)」

「ですよね(笑)」

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「水屋って言うんでしたっけ? それはガチのアンティークですか?」

「昭和のものだそうです」

「いいですねぇ」

「相当ガタがきてますが(笑)」

おりぜ(閉店)を思い出すなぁ。

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客は私一人。とにかくいろいろ話しました。ラーメンを中心とした学大グルメ話や、スナック事情(ほんとよく聞かれるw)、池尻大橋の今昔、飲食店出店がらみの法律の最新事情(昔とは随分違ってて勉強になった)などなど。

「貴子さん(※おっぱいラーメン)来てくれましたよ」

「スタッフのマキちゃんからは、ここに来たってLINE来たけど、あ、そう、貴子ちゃんも」

「僕も行ったんですが、"おっぱいラーメン"なんて言うから、高いかと思ったら……」

「むしろ安いよね(笑)」

「そこのリップスにも行きました」

「〇〇ちゃんかわいいよね。すごくいい子。ママさんは義理堅いというか」

「本当そうです。ウチにも何度も来てくれて。学大は詳しくないので、いろいろ行ってみたいんですが……」

「こういうお店をやっていると、タイミング的にねぇ」

今日、初めて会ったというのに、以前からの知り合いのような感覚で話せました。愛想がいいわけでもない私が、一見で来たバーでこんなにしゃべるのって珍しいかも。それだけ松岡さんが話しやすいってことなんだろうなぁ。

あと、話していると酒好きだってことがわかるので、気が合いやすいのかもw

「ワインはグラスでもあるんですか?」

「はい」

「おいくらでしょう」

「600円です(※)。ボトルでもだいたい3000円くらいですね。あんまり高いのを置いても……」

「せっかくだしいただこうかな。赤をお願いします」

※種類によっては値段が違うこともあります。

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ワイン一杯目はジャスト・カベルネ・ソーヴィニョン(スペイン)。華やかで軽やか。

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ワイン二杯目はドメーヌ・オージアス モンターニュ・ノワール(フランス)。ジャストよりしっかり。

当たり前ですが、違うボトルを無理に開けさせたわけじゃないですよ。たまたまジャストが空になったので、違う種類を出してくれたんです。

会計は600円×3杯+300円=2100円。

「やすっ」

「うちはラーメンもやってるので今度ぜひ」

「近いうちに」

バーの本格ラーメン

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約1週間後、再びまつのみへ。

ラーメンを食べてみたいということもあったのですが、普通にバーとしてよかったので、ラーメンがなかったとしても来ていました。

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芋焼酎・寿の水割り(600円)。

「教わった純子、行ってきましたよ」

「よかったでしょ?」

「まさにスナックという感じでよかったです」

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BGMはこの日も90年代Jポップ。最高。

「当時、スキー場は広瀬香美とglobeとSPEEDがずっと流れてたなぁ」

「今でも行くんですか?」

「いやいや、最後に行ったのはもう25年くらい前。スノボーね」

「僕は最近スキーを始めました」

「最近! スキー……だったらまだ大丈夫か。こんな年になるとスノボーは危ないw」

松岡さんは私の5つ下。ちなみに比較的最近スノーボードで大けがをした知り合いがいます(学大の某鍼灸整骨院院長)。私の少し上の方。ほんと年を取っての激しいスポーツは危険ですw 「w」じゃないか。

「じゃあもうパラレルくらいは?」

「いえ、まだそこまではw」

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それなりに時間がかかって醤油ラーメン(800円)がやって来ました。電気コンロとカセットガスコンロしかないので、時間がかかるのは仕方がない。頼む方はのんびり待ってください。

「恵比寿の方に持って行っちゃって、チャーシューがないんです」

チャーシューがない分、メンマが多めかも? 醤油ががっつりです。

「正直、僕には醤油が強すぎるかな。これはこれで好きな人もいるだろうけどね」

「飲んだ締めのラーメンなので、あえてそうしてるんですが……」

このあたりはいろんな人の評を得てアジャストしていくことでしょう。いずれにせよ、とてもおいしいです。

「うどんをやっていたので、スープに動物系は一切使ってません。麺は坂本製麺です」

醤油が強いのですが、逆にこれができるということは、それだけスープがしっかりしているということ。これはなかなかできません。私もラーメンを作るのでよくわかる。

「もつ鍋もやろうと思ってるんです。やる時、来てください」

「ぜひぜひ」

※ラーメンはいつでもあるというわけではないようです

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以下、別日
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誕生日の人に向けた特別仕様
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ブラッディメアリーを絶対飲んでください。この街で一番かもしれません。ある物が入ってます。絶品です。

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最近は若者をターゲットとしたスナック的料金体系のカラオケバーが増えています。そんな中、オーソドックスかつ激安のこんなバーは久しぶりにできたかもしれません。

チャージはありますが、それを含めても学大屈指の安さだと思います。雰囲気はシックで落ち着きますが、かしこまるようなバーではありません。店主・みのるっちはフランクでとても話しやすい。

ぜひ一度。

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