こんなところに? ウソでしょ?
1年ほど前でしょうか。偶然、前を通って店らしきものがあるのを見つけびっくりしました。帰って調べてバーだとわかり、1年ほど経った頃、ふと思い立って行ってみました。
三軒茶屋駅から徒歩10分強。祐天寺駅だと20分、学芸大学駅だと25分ほどかかりますが、駒留中学校あたりの下馬にお住まいであれば、歩いてすぐ。龍雲寺通り沿いの西澄寺の裏手方面に「Bar huddle(ハドル)」というバーがあります(2012年6月オープン)。住宅街のど真ん中で、文章では場所を説明できません。下馬2丁目なんですが、詳しくは記事末のgoogleマップでご確認下さい。
カウンター6席ほどですが、混み合ってくると立って飲む人も出てくることでしょう。広くはないのですが、なぜか窮屈にも感じません。ランプの明かりが温もりを感じさせる、レトロな喫茶店といった雰囲気です。
店主は山本貢輔さん。似てはいないのですが、私はなんとなくナオト・インティライミっぽいなと感じましたw 笑顔がかわいい気さくな兄ちゃん。あとで調べてわかったのですが、1985年11月14日生まれの32歳。誕生日は私と1日違いw ダンサーでもあるのかな? DJもやったり? 世界中を旅して回っていたこともあるようです。
「いらっしゃいませ。はじめまして」
「昼に前を通りかかって、こんなところに店があったのかと」
「このあたりにお住まいですか?」
「学芸大学のほうです。普段は学芸大学で飲んでます。三茶は昔よく行ってましたが、最近はそうでもないですねぇ」
「こんな場所ですから、平日はあまりお客さんも来なくて、お店は週末だけ開けてます」
週末以外は他の仕事をしているという店主。何の仕事かは伏せておきますが(変な仕事ではないw)、その話もひじょーーに興味深く面白かったです。
不思議な魅力を持った店主。ひとこと言葉を交わしただけで、すっと馴染める。いいなぁ。心地いい。
種類豊富というほどでもないのですが、見たことのないボトルがチラホラ。
「これは何ですか?」
「トリニダード・トバゴのラムです。甘いですけど、おすすめです」
「甘いの好きなんで、じゃあお願いします。あ、おいくらですか?」
「700円です。だいたい600円からで、ノーチャージです」
「ノーステアでお願いします」
トリニダート・トバゴ産のラムにシナモンやジンジャー、クローブなど11種のスパイスを混ぜたスパイスドラム・KRAKEN(クラーケン)。アメリカのProximo Spirits(プロキシモ・スピリッツ)が販売しています。
とても甘いのですが、バニラっぽさがないのでたるくない。スパイスドラム(フレーバードラム)はそこまで好きじゃないのですが、これはいい。大好きな味。
ボトルが変わっててオシャレなんですが、ボトル全体を撮るの忘れたw プロモーション動画を貼りつけておきます。ブランドサイトも動画も、とにかくまあオシャレなんだわ。このセンスはヘンドリックスジンに相通じるものがありますね。
先客は一見でやって来たという日本人とオランダ人のご夫婦。バリで飲食店などをやっていて、ビザの関係で日本に一時帰国中とか。後ほど、とんでもない美人もやって来るのですが、この子(どこ出身かは失念)も4週間ほど日本を旅行中。
ご夫婦はトリップアドバイザーを見てやって来たそうなのですが、トリップアドバイザーはもちろん、googleマップの口コミもFacebookページのレビューも、とにかく外国人だらけ。英語だらけ。
「基本的には近所の常連さんが多いんですけどね。外国からご夫婦で、しかも一見で来られるというのは、さすがに珍しいですよ(笑)」
店主も私もバリに行ったことがあるので、バリの話をいろいろしたのち、ご夫婦がお帰りになり、女の子も銭湯に行くと言って一旦退出。私と店主だけとなりました。さて、二杯目はどうしよう。カウンター端まで行ってボトルを眺めます。
「薬草系がいろいろあります。これはベルリンで流行ってるミントのお酒で、これはアブサン、あとペルノと……」
「じゃあ、アブサンお願いします。ロックで」
アブサン久々だ。どこのだったかな。
「あ」
「?」
「間違えて注いじゃった」
「ははは。いいですよ、それで。別に何でもよかったし」
「すみません」
というわけでw、Berliner Luft(ベルリナー・ルフト) Glitter Night。ミントはさほどきつくなく、甘め。18度か。飲みやすくておいしいです。ミント系をみずから進んで飲むことはないので、むしろこういう出会いがしらってのもよし。どうしても飲むものが偏ってしまいがちだから。
Huddleとは「群れ集まる」また、「作戦会議」という意味を持っています。
店のコンセプトはその名前通り「作戦基地を作る」こと。人はつながることで力を発揮し、豊かさを感じることができます。ならば「つながるための拠点を自分たちの手で作ってしまおう」そんな試みから生まれた新しいスタイルのバー/オープンスペースです。
お酒を手に語り合う場所として
プロジェクトの作戦基地として
また、情報発信基地として「つながり」をキーワードに生まれたこのお店の暖かさを是非感じに来てください。この空間を通じてたくさんのつながりが生まれる事を願っています。
そうなんだねぇ。すごくいいバーなんですが、それ以上に「いい空間」と言いたい。本当に素敵な空間。
海外からやって来た人たちの口コミを読んでみると、「小さいけど心地いい」「現地の人たちと触れあえる」「コースケが素晴らしい」といった評価がいっぱい。旅行者にとってみれば、それこそまさにローカルな人間しかいないようなバーはワクワクするでしょうね。そして、そんな海外の人たちと触れあえる私たちも楽しい。
今を思いっきり楽しむ。そういう人たちのポジティブなパワーで「Bar Huddle」は溢れています。そんな空気を作り出しているのは店主がポジティブだから。店主の笑顔が人の心を和ませているから。
ちょっと落ち込んでる、悩みがある、そんな時に行くのもいいかもしれませんね。きっとポジティブに考えられるようになり、前向きになり、そして元気になれるはずです。上の方の店主の写真をもう一度見てよ。ね? 元気がもらえそうでしょ?w
このブログは学芸大学駅界隈にお住まいの方が多くご覧になっていると思います。学芸大学駅からはちょっと遠いですが、遠いったって、平和通り商店街とか油面地蔵通りとか「ばん」とかと同じくらいの距離だから、そうでもないっしょ?
SHOP DATA
- Bar huddle/ハドル
- 東京都世田谷区下馬2-9-9
- 03-5787-5698