温もりが感じられるゆったりとした店内
学芸大学駅から徒歩6分。祐天寺駅から徒歩10分。五本木交差点のキッチンオリジンのすぐ先にEIMZ(エイムズ)というイタリアンバルがあります。2016年6月17日にオープンしました(※)。
店主は長谷川哲志さん。EIMZ(エイムズ)を始める前は、タレント・ちはるさんがオーナーのCHUM APARTMENT(チャムアパートメント)で料理長を務めていました。
※2016年6月21日かもしれません
テーブル席10席、カウンター9席。木のぬくもりが感じられる店内です。駅近の喧騒から離れたこの場所は穏やかでゆったり。
あ、いや。この日はゴールデンウィークの真っ最中。普段は賑やかに盛り上がってる日も多いんだろうな。
料理メニューは定番ものと、その日のおすすめがあります。おすすめメニューは野菜と魚介が中心でしょうか。
チャーム(席料400円?)のいちご生ハムと、サッポロ黒ラベル小瓶(600円)。生ビールより瓶ビール派。小さなグラスでキュッと飲むのが好き。
以下、料理の注文はすべて同伴者に任せました。
パンチがあってお酒が進む魚介料理
ネギたっぷりタコポン酢(990円)。
タコは甘みがあって柔らかく、ワカメの風味もいい。
「和っぽくて、さっぱりでいいね」(同伴者)
「ね」
好きな魚介ベスト3はサバ・タコ・ウニ。いいのを選んでくれたもんだ。
イカと茄子のソテー(990円)。
「これもさっぱりでおいしいね」(同伴者)
「そう? ガーリックががっつり効いてて、パンチがあると思うけど」
まあ、人によって感じ方は違うし、表現の仕方も違うしw
イカはもちろん、オイルを吸ったナスがうまい。一番好きな野菜がナスです。タコのこともナスのことも、同伴者には言ったことなかったと思うんだけどな。味の感じ方・表現の仕方は違っても、妙なところで気が合うね。
アサリとムール貝のワイン蒸し(990円)。前言撤回。頼むものをもう少しばらけさせろよw
先のソテーと味の方向性は同じです。しっかりしているのですが、レモンをたっぷり効かせるとすっきり。
小瓶のビールを2人で3本飲んで、次はグラスの赤ワイン(650円)。
「ひろぽんも初めてなんでしょ? なんでここ知ってるの?」(同伴者)
「なんでと言われても……」
ボブ東京(五本木)の跡地は「EIMZ」というお店ぽい。中はそのままだから飲食店だろうな。#学芸大学 pic.twitter.com/JE4zFKP1q6
— 後藤ひろし(ひろぽん) (@gokky_510) June 1, 2016
EIMZ(エイムズ)の存在にはオープンする2週間前に気づいていました。確かたまたま前を通って気づいたんだっけかな。
いつか来てみようと思ってはや8年。そう言えばABURA BARのみさちゃんからも「たまに行ってて、いいお店ですよー」なんて話を聞いていたなぁ。来るのに随分と時間が経ってしまった。
ボリュームたっぷりの肉とパスタ
牛赤身肉のグリルステーキ 200g~トリュフ塩とワサビ~(2420円)。
「肉っ!って感じ。おいしい!」(同伴者)
「肉々しくていいねぇ」
焼き終わった後、じっくりと休ませたであろう赤身肉はしっとり。火の入れ具合が絶妙。ポテトもたっぷりで食べ応えがあります。
肉はそのままでもおいしいのですが、トリュフ塩とワサビで時折味変。とはいえ、トリュフ塩がたくさん余ってしまいました。もったいない。できうることならポッケに入れて持ち帰りたかったよw
パスタを食べたくて、どうしようかと思案していたら、オイル・トマト・クリームを指定すれば、メニューにないものも適当に作ってくれるとのこと。そして、お任せして出てきたのがベーコンと新玉ねぎのトマトクリームパスタ(1500円くらい?)。
「具だくさん! 味付けがちょうどいい」(同伴者)
「こういう風に作りたいんだけど、なかなかこうはいかないんだよねぇ」
トマトクリームは重たくもなく、さっぱりしすぎでもなく、確かにちょうどいい塩梅。ボリュームがあったのですが、そしてすでにお腹もいっぱいだったのですが、私が2/3ほど食べることになるわけですが、ペロリといけちゃいました。
さすがに店を出てしばらくは、腹パンすぎてお酒が入っていきませんでしたがw
いつも一人なのか、週末などはヘルプが入るのか。ワンオペで混雑していたら、それなりに時間がかかるかもなぁ。その点はわかっておいたほうがいいかもしれません。
同伴者は終始ご機嫌。
「〇〇とか〇〇より、こっちのほうがおいしいよ」
「ははは。それはちょっとジャンルが違うからアレだけど。えらく気に入ったねぇ」
しっかりと主張する味付けによって、いい意味で、わかりやすくおいしさが伝わる料理です。シンプルでカジュアルながらも、きちんとした仕事が施されているのが見て取れます。質的にも量的にも満足度の高い料理ばかりでした。
会計は二人で約12,000円。ステーキを頼みましたし、種類も頼みすぎたので少し高くなりましたが、普通はしっかり食べても4000円台~5000円台、軽くなら2000円、3000円くらいじゃないでしょうか。
地元民が普段使いできるバル
「バル」の定義なんてあってないようなものなので、とりあえずここでは
- 一人でも気軽に寄れる
- 一杯飲むだけでも大丈夫(※)
- 店主一人ないし二人くらいで営まれている
- カウンターメインで比較的小規模
- ワインに合う料理がある
そんな店を「バル」としておきます。
学芸大学のバルの走りは2009年にオープンしたCHA爛PO走(ちゃらんぽらん)でしょう。それ以降に誕生したバルは以下の通りです。打消し線がついている店は閉店(移転)した店です。
- 2010年 MIRIE'S
- 2012年
BOOZE(ブーズ) - 2013年 NOSSO・
鷹番食堂36・LESSON - 2015年
barco(バルコ) - 2016年
うたげカフェ・EIMZ - 2017年 ento
- 2018年 木と
- 2019年 Little Otto
意外に少ないと感じます。逆に多くなっているのは、もう少し規模が大きいお店やビストロ系です。たとえば、大衆ビストロ 煮ジル、LODGE BISTRO SARU、QWAN、囲炉裏バル カルボなどなど。
その背景には街の変化や物件事情(家賃の高騰など)があると思うのですが、ここを語りだすと長くなるので略。
※私の勝手な印象です。実際に一杯飲むだけでも大丈夫かどうかはわかりません
「普段使いできるワイン系の店知らない?」
特に女性からそんなことをよく聞かれるようになりました。
お店は増えているのですが、単価が高めのお店や他所からの客が多いお店が増えています。地元の人間が週に何度でも、一人でも気軽に寄れるワイン系は2019年以降、さほどできていません。
ともすると新店に意識が行きがちですが、住人にとっていい店というのは、街が大きくなるより前にできた店にも多いのかもなぁ(※)。
学芸大学・祐天寺界隈に住んでいる方にこそ一度行ってみてほしい――EIMZ(エイムズ)はそう言いたくなるような一軒でした。CHA爛PO走に感じるのと同様、EIMZ(エイムズ)もなーんかちょうどいいって感じるんだよねぇ。
※2012年が学芸大学のターニングポイントで、2017年頃から街の変化が大きく速くなっていったというのが筆者の見解