肉のハナマサの島原手延素麺は「プロ仕様」となっていますが、プロの使用に堪えうる？そうめんマニアが検証してみます。

「プロ仕様」なそうめんはプロの使用に堪えうるか。そうめんを200種近く食べ、当ブログでレポートしてきた筆者が実際に食べて検証してみます。

肉のハナマサのプライベートブランドそうめん

肉のハナマサでは島原手延素麺という手延べそうめんが売られています。

「プロ仕様」は肉のハナマサのプライベートブランド（PB）。この島原手延素麺も肉のハナマサのPB商品です。

肉のハナマサ都立大学店では257円／320gでした。一般的なそうめんの量・300gに換算すると240円。手延べそうめんとしては安いです。

普通は1束50gです。手延べそうめんで80g×4束は珍しい。原材料費の高騰で、この量・この値段にするのが最適と判断しているのでしょうか。とても興味深いところではあります。

製造者は長崎県手延素麺製粉協同組合。販売者は株式会社プレショク。

南島原市には多くの素麺組合があるのですが、昭和28年発足の長崎県手延素麺製粉協同組合は同市で（県内で）最古の素麺組合です。

プレショクは乾物や食品の卸売を行う会社。そうめん業界では有名な有限会社たなか物産の関連会社です。

長崎県手延素麺製粉協同組合が製造しているそうめん、プレショク／たなか物産が販売しているそうめんに、いいイメージはありません。ですから、この島原手延素麺も存在には前から気付いていましたが、なかなか手が出ませんでした。今回、つい魔がさして買ってみることに。

開封。小麦の香りはとてもいいです。そうめんのクオリティにはさほど関係のないことではありますが。

少し黄色味がかっています。ちょっと太めな気もします。

ゆで時間は2～3分とあります。様子を見つつ、2分ゆでました。

まずそのままひと口。

ああ、これか。長崎県手延素麺製粉協同組合の手延べそうめんに共通するコシの弱さ。いや、コシのようなものはほぼありません。ムニッとしていて締まりがない。プレショクが売っていた島原手延素麺にも似てるなぁ。

めんつゆにたっぷり浸してすすると、プルンとしたのど越しが、わずかに食感の悪さを誤魔化してくれるような気もしました。

まずくはありません。けど、おいしいとも感じません。風味はいいのですが、いかんせん歯切れ・食感が悪い。

後日、茹で時間を1分30秒にしてみました。2分茹でよりも若干、コシのようなものが感じられるようになりました。ただ、それでもやっぱり物足りない。

プライベートブランドだからクオリティが低い？　いえ、そんなことはありません。

西友のPB・みなさまのお墨付きの九州島原手延べそうめんはとてもおいしかった。

ドン・キホーテのPB・情熱価格の島原手延素麺もおいしい。しかも激安でコスパは最高。

何かと悪く言われがちなイオンのPB・トップバリュの島原手延べそうめんもなかなかいいです（トップバリュの機械麺のそうめんは極悪）。

ですから、これはPBかどうかという問題ではなく、単にこの島原手延素麺がイマイチというだけのことでしょう。

おいしくない機械麺そうめんよりはマシです。ですから、一応、星3をつけます（気持ち的には星2）。クオリティはそれなりでいい。とにかく安く。そう考えるなら、あるいはムニッとした柔らかいそうめんが好きなら、いいんじゃないでしょうか。

さて、肉のハナマサの島原手延素麺は"プロ仕様"でしょうか。

数多くのそうめんを食べてきたからこその厳しい意見かもしれませんが、私は飲食店でこれを出すことをお勧めしません。

魚民で350円（1束）だったら、こんなものだろうと納得できます。けど、個人経営の居酒屋の〆でこれが出てきたら、そしてそれが600円だったりしたら、私はブチ切れますｗ

プチプチっと心地よく歯切れるのが手延べそうめんの醍醐味です。そういう手延べそうめんをご所望であれば、他の手延べそうめんを選んでください。無難にいくなら揖保乃糸。できるだけおいしいものを、ということであれば、三輪素麺がいいでしょう。

三輪素麺は少しお高めなことも多いのですが、マル勝高田商店の三輪の神糸はお手頃価格で、都内スーパーでも比較的よく見かけます。お勧めです。

300g換算で約60円差ですよ。1人前100gとするなら20円差。20円ケチって40点のものを客に出すか、20円高くはなるけれど100点のものを客に出すか。値段差に釣り合わないクオリティ差があると私は思いますけどねぇ。

安いですから、気になる方はとりあえず試してみてはいかがでしょうか。って、プロが店で出す以上、そうするに決まってるわけですがｗ