揖保乃糸(兵庫県手延素麺協同組合)は恐るべき素麺。その商品ジャンルで最強にうまいものがどこでも売られているというのは驚愕すべきことです - 肝臓公司(かんぞうこうし)

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揖保乃糸(兵庫県手延素麺協同組合)は恐るべき素麺。その商品ジャンルで最強にうまいものがどこでも売られているというのは驚愕すべきことです

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素麺3大生産地のひとつ播州。揖保川周辺域には多数の素麺生産者が点在しています。そして、その多くを束ねているのが兵庫県手延素麺協同組合。言わずと知れた揖保乃糸の"メーカー"です。

組合という言葉からもわかる通り、素麺・揖保乃糸はひとつの工場で作られているわけではありません。500近い生産者が同組合に所属していて、それぞれが厳格な同一規格に則って揖保乃糸を作っています。そして、各製麺所で作られた揖保乃糸が同組合の大きな倉庫に集められ保管され、検査され、そして出荷されていきます。

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パッケージ裏の品質表示には「手延べそうめん」と書かれていますよね。これがとても重要です。

そうめん(広義)にはそうめん(狭義)と手延べそうめんがあります。両者はまったくの別物です。おいしいのは手延べそうめんです。前者は機械麺で基本的にはおいしくありません。

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「揖保乃糸は播州素麺」と言われることがよくあるのですが、これは間違いです。播州素麺は機械麺メーカーが中心となって組織されている兵庫県乾麺協同組合の登録商標です。ですから、播州素麺は機械麺。揖保乃糸は兵庫県手延素麺協同組合の登録商標で手延べそうめん。確かに揖保乃糸は播州のそうめんで、播州の手延べそうめんではありますが、播州素麺ではないということです。

「島原素麺より揖保乃糸のほうがおいしい」といったセリフも大いに誤解を含んでいます。島原素麺は商標ではありませんが、基本的には機械麺です。好みはあるでしょうけど、手延べである揖保乃糸よりおいしい機械麺たる島原素麺は基本的にはありません。

さらに、島原素麺(あるいは島原手延べそうめん)は単なる総称です。いち商品と比べるというのもおかしな話です。「〇〇製麺所の島原手延べそうめんのほうが揖保乃糸よりおいしい」ということならわかりますが。

話を先に進めましょう。

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パッケージ裏面の右下に管理番号が振られています。トレーサビリティも有していて、生産者が違えど同じ素麺になるよう、それはそれはしっかりと組織・管理され作られているのが揖保乃糸。このシステムが日本最強の素麺を生み出しているのです。

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細くてピンと張りのある麺。香りは柔らかく豊か。

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揖保乃糸は素麺を束ねている束紙によってグレードがわかります。一番流通していて、一般的によく知られているのが、この赤い束紙の「上級」。レギュラークラスです。

茹で時間は1分半~2分と表記されています。けど、1分半でも少し長いかもしれません。私はいつも1分強で上げています。ただ、温度、茹でる量、お湯の量によって最適な茹で時間は異なります。当然、好みもあるでしょう。好みの時間茹でて下さい。

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細さが醸し出すのどごし、プチプチとした歯切れ、滑らかな舌触り、しっかりとした小麦の風味。「やっぱり」と呟かざるを得ません。

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考えてみれば揖保乃糸はおそるべき商品です。100種以上の素麺を食べてきました。揖保乃糸に比肩する素麺もありましたし、日本中を探せばまだあるでしょう。しかし、揖保乃糸をはるかに凌駕する素麺はそうありません。

スーパーならほぼ100%どこにでも置いています。250円~300円と手頃な価格です。日本人なら誰もが知っていて、誰もが食したことがあります。そんな商品がそのジャンルにおいて最高峰という事実。他ジャンルでこんなことはまずありません。

「いつも揖保乃糸だし、たまには他のものを食べてみようかな」

スーパーに陳列されている複数の素麺を前に、こんなことを思わない方が賢明です。おそらく、目の前の素麺の中でもっともおいしいのが揖保乃糸でしょう。よっぽど他と食べ比べたいというのでなければ、迷わず揖保乃糸を選んで下さい。これが正しい素麺の選び方です。

もし、万が一、他の素麺を選んだとします。そして食べます。あなたはこう呟くはずです。

「素麺はやっぱり揖保乃糸だなぁ」

と。

最高峰をスタンダードとして知ってしまった私たち日本人。幸か不幸か。

DATA
名称揖保乃糸 上級品
原材料名小麦粉、食塩、食用植物油
製造者兵庫県手延素麺協同組合
評価★★★★★