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藤の糸(本多兄弟商会)は島原手延素麺でありながらも小豆島や三輪の素麺を彷彿とさせるハイブリッドなそうめん。他にはない独得なコシに驚かされました。

6束一列パック

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本多兄弟商会の島原手延そうめん 藤の糸。同社の楽天市場ショップで購入しました。50g×6束×2パックで900円(税込・送料込)。送料込でこの値段はかなり安いです。

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スーパーに並んでいるそうめんを思い出してください。揖保乃糸もそうですが、多くは3束が2列にパックされていますよね。

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マツコ・デラックスも絶賛した手のべ陣川の手のべ素麺

ところが、2019年くらいから横一列にパックされているそうめんが多くなってきました。そのほとんどは5束です。おそらくは単価を下げたいからでしょう。6束では300円台半ば~400円台になっていまう。これでは手に取ってもらいづらい。5束200円台後半~300円台前半にして、買ってもらいやすくしよう、と。

大量生産できない製麺所のそうめんは価格が高くなりますから、とてもいい売り方だと思います。このおかげで私たち消費者は小さな製麺所のおいしいそうめんを手軽に購入できるようになりました。

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藤の糸も横一列パックです。ただ、藤の糸の場合は事情がちょっと異なると思います。というのも、藤の糸は5束ではなく6束。6束一列パックはスーパーではさほど目にしませんが、通販だとまれにあります。ですから、これは単価の問題ではなく、メール便で送るための工夫でしょう(それだけじゃないかもだけど)。

認証マークも大切ですが……

島原手延そうめん認証委員会(長崎県南島原市)による認証マーク。同委員会による原料確認、工場検査、食味審査等をクリアしたそうめんであることの証です。

これがなければいけないというわけではありませんが、「どのそうめんを選べばいいかわからない」という方にとっては目安になるかもしれませんね。

ちなみに私はこの類のマークを一切気にしません。マークの有無とおいしさはさほど関係がないので。何度でも繰り返しますが、おいしいそうめんを食べたければ、とにもかくにも機械麺のそうめんではなく手延べそうめんを選ぶ。そのことのほうが重要です。

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こんなチラシも同封されていました。職人のこだわりがつまった説明ですが、ユーモアもあって、親近感を覚えます。

「けっこう本気で洗うこと!」

ははは。オーケー。

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開封。小麦の柔らかな香り。島原の手延べそうめんにしては太めです。太さに少々ばらつきもあります。これは決して悪いことではありません。手延べらしさを感じさせてくれます。

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表示時間通り、きっちりと1分半茹で、これまた表示通り"本気で"締めました。

ハイブリッド感のあるそうめん

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いやー、うまい! 太めなので、小豆島のそうめんのようなプリっとした弾力を想像していました。確かに歯を入れた一瞬、プリっとするのですが、噛むとプチプチっと強い歯切れを感じます。力強いそうめんです。

この太さでこの歯切れはこれまであったかなぁ。100種以上のそうめんを食べてきましたが、このタイプはとても珍しい。

風味も豊かなのですが、印象的なのは後味です。食べた後もその風味が口内に長く留まっていました。

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口に入れた瞬間のプリっと感は太めの小豆島の素麺、余韻の長さはこれまた小豆島の島の光を彷彿とさせます。けど、プチっとした強い歯切れは細めの島原手延素麺、あるいは三輪素麺にも通じるものがある。いろいろなそうめんの特徴を併せ持ったかのようなそうめんです。ちょっとおかしな表現かもしれませんが、ハイブリッドな感じとでも言いましょうか。

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別日。明太子そうめんにしてみました。強い味付けでも藤の糸の風味・コシは負けません。やっぱりおいしい。

自作で大古(おおひね)

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2020年末~2021年の寒期に作られたであろうこの藤の糸。2023年5月まで1袋を残しておきました。2回以上の梅雨を越しているので、"大古(おおひね)"と呼ばれるものです。メーカーが適切に管理し、古・大古を販売することもありますし、買った人がみずから勝手にあえて残しておくこともあります。

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手延べそうめんは寝かせると熟成され、うまみが増すとも言われます。さていかに。

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ひと口目で驚きました。まったく違うそうめんになっています。ブリンとした強いコシ。淡路手延素麺・御陵糸や南関素麺にも通じるようなコシです。これはすごい。

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味自体はそこまで大きくは変わっていないように感じます(ちょっとうろ覚え)。ただ、食感がまるで違っていて、より一層おいしくなったと思いました。

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にゅうめんにしてもコシがしっかり残っていておいしかったです。

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メーカーが設定している賞味期限を遥かに超えて食べてます。完全に自己責任です。お勧めはしません。ご参考までに。

信頼がおいしさ

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私は坂利の手延素麺を思い出しました。当ブログで例外の★6を獲得した2つのうちの1つ。これにとてもよく似ているのです。味や食感は違いますよ。「こういうそうめんもあったのか」という驚きを感じさせてくれたという点が似ています。

それだけではありません。いま改めて確認して、本多兄弟商会と坂利製麺所にはいくつもの共通点がありました。

本多兄弟商会は1984年に工場を建設して、1985年に製麺事業を開始しました。坂利製麺所の創業も1984年です。

本多兄弟商会は住宅機器設置・販売業を営んでいました。坂利製麺所は林業。他事業から製麺業へ参入したという点も同じです。

そして両者とも地域のことを考えているという点も似ています。

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ついでに写真も似ています。この類似は単に写真の構図が似ているという話に留まりません。こうして顔を見せることが消費者からの信頼を得るために必要なことだと考えているという点がその本質でしょう。

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すばらしいそうめんでした。熟考を重ね、★6のほんの少し手前の★5とさせて頂きます。

太めのムチっとした小豆島のそうめんが好きな人にも、細くてコシの強い三輪素麺が好きな人にもおすすめできる逸品です。これはいいそうめんですよ。ぜひ一度。

fujinoitoの画像【初回限定】島原手延そうめんおためし便600g【送料無料/送料込み】島原そうめん/藤の糸
DATA
名称藤の糸
原材料名小麦粉(国内製造)、食塩、食用植物油
製造者本多兄弟商会
評価★★★★★