有限会社手のべ陣川の手のべ素麺。2017年7月25日放送の「マツコの知らない世界」で紹介され、実際に食べたマツコ・デラックスがその味を絶賛したそうです。
開封して香りをかぎます。柔らかな甘い香りと香ばしさがフワリ。島原手延べ素麺には珍しくごま油を使ってます。ただ、ごま油の香りはさほどしません。この香ばしさは小麦由来じゃないかなぁ。
手にすると張りがあってしなやか。手の感触で見た目以上の細さも感じます。この段階でもう星4以上は確定。食べなくてもわかる。
ゆでている間に星4.3。お湯に踊るそうめんを箸でかき混ぜるだけで、いいものはいいとわかるんです。軽やかでサラサラ。
ゆで時間の表示は1分40秒ですが、1分半で上げて、冷たい流水で素早くもみ洗い。星4.5。
まずは何もつけずにそのままひとく……はい星5。すすった瞬間、星5です。
ムチップチッ。コシがあって歯切れがいい。舌触り、喉越しはツルリと滑らか。
小麦の甘味がしっかりと感じられます。そして、一般的なそうめんよりもほんの少し塩味を強く感じました。
今回は生卵と塩昆布をトッピング。そうめんの味がしっかりしているので、これだけで十分。
おいしいです。とてもおいしい。これまで食べて来た島原手延べ素麺で一番うまかった。ああ、いいそうめんだなぁ。
残った2束は釜玉ぶっかけ風(そうめんは冷たい)。今回は1分20秒。これだけしっかりと味をつけても、やっぱりうまい。ブチブチッという歯切れも素晴らしい。
(有)手のべ陣川のホームページを見てみました。塩、水、小麦といった原材料にこだわるのはもちろん、湿度調整のため、屋根や床にまでこだわっています。そして、そのことをホームページで丁寧に説明している。これもまた素晴らしい。
束紙に印字されているロゴマークもかっこいい。和紙風のパッケージもいい。文句なく星5です。2019年シーズン最初の星5。お見事。
私はオオゼキ 碑文谷店で購入しました。オオゼキだったらどこにでもあるはず。普通のスーパーでこのレベルの素麺が手軽に買えるというのは滅多にありません。絶対食べてみて。これがおいしい素麺なんです。
最後に手のべ陣川さんへ。パッケージに国際味覚審査機構(iTQi)・最優秀味覚賞のシールを貼っていますよね。こうしてアピールしなきゃ売れないという現実があるのでしょう。仕方のないことだと思います。
けど、こんなブサイクなシールを貼らないとわかってもらえないというのは、消費者側が間違ってる。消費者がおかしい。みなさんの努力とその結晶は、こんな賞で量れるようなことじゃない。
私はこんな賞(モンドセレクションのようなもの)ではまったくもって釣り合わないほどのおいしさを感じました。シールを貼らずともちゃんと評価され、ちゃんと売れるようになることを祈っています。
素晴らしいそうめんをありがとうございました。
名称 | 手のべ素麺 |
原材料名 | 小麦粉(小麦(国産))、食塩、食用植物油、でん粉 |
製造者 | 有限会社手のべ陣川 |
評価 | ★★★★★ |
令和元年は素麺元年~脱・揖保乃糸
この季節になると、スーパーに寄っては素麺コーナーをのぞいています。そんなことをしていたら、今年は例年と明らかに違うことがあります。この陣川手延べ素麺もそうなんですが、5束で売られている手延べそうめんが多いんです。
おそらくですが、値段感からそうなっているのでしょう。5束250gなら小売価格300円以内に収まる。6束300gだと300円を超す。陣川手のべそうめんを300g換算にすると333円(税抜)。これだとちょっと手が出しづらいと感じる消費者も多いかもしれません。量が少なくても200円台のほうが手が伸びやすい。
これが何を意味するかというと、こだわって作られているおいしい素麺がスーパーに並ぶようになったということです。おいしいものをちゃんと届けたいという製造者・販売者・小売店が増えてきている。いや、そういうものを望む消費者が徐々に増えてきているからこそかもしれません。
2、3年前から素麺が見直されている機運を感じてはいました。けど、こうして目に見える形で変わってきていると感じたのは今年が初めてです。
確かに揖保乃糸はおいしいです。すごい商品です。けど、そろそろ揖保乃糸以外のおいしいそうめんもフューチャーされていいでしょう。
脱・揖保乃糸。
令和元年の今年を私は素麺元年と位置付けます。