激安手延べそうめんを作る島原天満屋

島原天満屋株式会社の伝統の味 島原手延素麺。

「島原素麺」という商品名のそうめんはほとんどが機械麺なので、おいしくありません。これは「島原"手延"素麺」。手延べそうめんなので、おいしいだろうことが食べずともわかります。少なくともマズいということはほぼありません。

スーパーつかさ 学芸大学店で購入しました。213円/300g。手延べそうめんでこの値段はありえないほど超激安です。参考までに、揖保乃糸は280円～340円ほど。手延べそうめんはだいたい100円/100gと考えていいと思います。

ちなみに手延べそうめんは値段とクオリティに相関はありません。安いとイマイチ、高いとおいしいなんてことはありません。

そうめんパッケージの裏面に記されているこのような説明文はどれもひどいｗ　まあそれはいいとして。

細さは手延べ素麺としては普通。麺はスクエア。画像を拡大するとわかると思うのですが、太さがバラバラです。これは悪いことではありません。手延べそうめんであればよくあることです。

確かに高級そうめんは見た目も気にしますから、太さをそろえますが、低価格手延べそうめんはそこまで手をかけません（だからこそ安くできるとも言える）。

もうひとつ、組合のレギュレーションという問題もあります。組合に所属していると、組合が独自に定める基準に則りそうめんを作るので、細さをそろえる必要が出てくることもあります。典型例が揖保乃糸や三輪素麺です。これらは細さがそのままグレードの差にもなります。

茹で時間は1分30秒～2分30秒となっています。様子を見つつ、堅めが好きな私は1分40秒で上げました。

太さのバラつきが舌に気持ちいい

張りのある仕上がりです。

風味はほんのり甘さがありつつも穏やか。プニッと優しい、けど確かなコシがあります。茹で時間がもう少し長ければ、プリンとした弾力のそうめんになっていたと思います。

面白いのが舌触りです。スクエアな麺なのでエッジが立っています。しかも太さにバラつきがある。ですから、一本一本が舌にはっきりと刺激を与えます。これがとても気持ちいい。

安く仕上げなければいけないから、太さをキッチリ揃えることはできない（想像）。けど、それが逆に妙味を生み出しています。そのことに製造者がどこまで意識的かはわかりませんが。

高コスパそうめんメーカー・島原天満屋

以下は推測交じりです。

島原天満手延素麺協同組合が解散し、これを島原天満屋株式会社が実質的に引き継ぎます。その主体となっているのは有限会社堀田製麺。法人ではありますが、素麺組合のような性格を有しているんじゃないかと想像します。つまり、実際の生産者が複数いて、島原天満屋がこれらをまとめあげている、と。

スーパーで島原天満屋のそうめんを本当によく見かけます。こんなに大量に"製造"できるとうことは、そういうことなのでしょう。

島原天満屋はフラッグシップとなるような独自ブランドを確立するといいんじゃないかなぁ。「島原手延素麺」ではない商品名の手延べそうめんです。私はぜんぜんいけると思うのですが……。株式会社三輪そうめん大手との関係があるっちゃああるのかもですが（※1）。

そりゃ三輪素麺のほうがおいしいですよ（※2）。けど、誰もが気軽に食べられる手ごろな価格で、これだけおいしいそうめんを作れるというのはすごいことです。もっともコスパのいい手延べそうめんのうちのひとつ。そう言っても過言ではありません。もちろん星5です。

「島原手延素麺」という商品名のそうめんは多数のメーカーから多数出ています。正直、イマイチなこともあります。けど、島原天満屋の手延べそうめんであればきっとおいしいはずです。ぜひ一度。

※1 島原天満屋株式会社は株式会社三輪そうめん大手のグループ会社。島原天満屋については以下の記事もご参照ください。

※2 三輪素麺と一括りにしていますが、「三輪素麺」という商品名のそうめんも多くのメーカーが作っています。ただ、三輪素麺は登録商標で、組合（奈良県三輪素麺工業協同組合）の規定に基づき作られているので、どのメーカーが作っていようが、三輪素麺という商品名のそうめんはすべておいしいです。ここが島原素麺／島原手延素麺と大きく異なる点。

DATA

名称	伝統の味 島原手延素麺
原材料名	小麦粉（国内製造）、食塩、食用植物油、澱粉
製造者	島原天満屋株式会社
評価	★★★★★