
黒帯は化粧箱入りがよく似合う

今回ご紹介するのは揖保乃糸 特級品。
揖保乃糸は兵庫県・揖保川流域を中心とした地域に点在する約400の生産者(製麺所)によって作られています。
基本的に各製麺所は作ったそうめんを兵庫県手延素麺協同組合に送り、同組合(および特約店)が全国へと流通させます。
揖保乃糸の詳細については、以下をご参照ください。



今回、私が食べた揖保乃糸 特級品は揖保乃糸の生産者であり特約店でもある株式会社横尾商店(横尾製麺)が製造・販売しているものです。揖保乃糸 手延べ素麺 特級品 AT-50。化粧箱入りでおおよそ5,400円/31束(1.55kg)。
連れの実家がお中元としてもらったものをおすそ分けしてもらいました。
揖保乃糸の赤帯(上級品)と黒帯(特級品)の違い

揖保乃糸には何種類もあるのですが、等級/種類によって帯(束紙)の色が異なります。

赤帯は一般的によく知られている普通の揖保乃糸 上級品。黒帯は揖保乃糸の"最上位"クラス・特級品(※)。

特級品は
- 上質の原料小麦粉を使用
- 厳寒期(12月~翌年2月)に作られる
- 組合が選抜指定した熟練製造者が製造
という特徴があります。

また、上級品(赤帯)は約400本/50g(0.70~0.90mm)なのですが、特級品(黒帯)は約480本/50g(0.65~0.70mm)と細いです。
三輪素麺も帯の色によって等級が分かれているのですが、揖保乃糸 特級品の細さは三輪の瑞垣(みずがき)/約400~475本/50g、三輪の緒環(おだまき)/約475~525本/50gあたりに相当します(あくまでも細さという意味で)。

さらに、これは私の見立てなのですが、細いという他に「揃っている」ということもある気がします。
上2本は上級品、下2本は特級品。確かに特級品のほうが若干細いです。けど、上級品は麺の太さにムラがある一方、特級品はキッチリ揃っているということも印象的です。たまたまこうなっているというのではなく、特級品は細さを揃えるべく、一層厳格に選別しているのでしょう。
余談ですが、手延べそうめんにおいて、太さにムラがあることは決して悪いことではないと思っています。場合によっては太さのバラつきが食感にギャップを出し、口当たりが楽しくなることもあります。太さを揃えるのは、ぶっちゃけ見栄えの問題でしょう。おいしさにはほとんど影響を与えないと思います。

いずれにせよ、サラサラとしたきれいな細い麺線はしなやか。乾麺状態でも小麦の甘い香りが強く漂います。


茹で時間は1分半~2分となっています。私は上級品でも1分~1分15秒ほどなので、最初は1分15秒にしました。
※特級品よりも細い揖保乃糸 三神もあり
強い歯切れと豊かな風味

乾麺状態でも上級品より特級品のほうが少し細いように見える程度でした。茹で上りとなると、ほとんど差はないように感じます。

プチプチプチ。とても強い歯切れ。ツルン。滑らかな舌触り・のど越し。小麦の風味もしっかり。
上級品でも最高においしいのです。特級品は言わずもがな。

後日、1分強茹で。コリッコリな細い麺が舌にたくさん触ると気持ちいい。
さて、ここからが問題です。
揖保乃糸 特級品を買うべきか?

スーパーで普通に売られている揖保乃糸 特級品(6束)は645円。

レギュラーの揖保乃糸 上級品(6束)は321円でした(いずれもイオンスタイル碑文谷)。
ほぼ倍。324円差です。
私は両者にそこまで大きな差があるとは感じません。少なくとも倍額を払って自分で揖保乃糸 特級品を買おうとは思わない。実際、揖保乃糸 特級品を買ったのは十数年前に一度だけ。

もちろんおいしいです。すばらしい手延べそうめんだと思います。けど、揖保乃糸 特級品は普段使いというよりも贈呈用。自分では買わないけど、もらって嬉しいもの。
一応、星5にしておきますが、普段、普通に食べるなら、揖保乃糸 上級品で十分だと私は思います。揖保乃糸 特級品(スーパーで売っている袋タイプ含む)はプレゼント用でしょうねぇ。
名称 | 揖保乃糸 特級品 |
原材料名 | 小麦粉(国内製造)、食塩、食用植物油 |
販売者 | 株式会社横尾商店 |
製造者 | 株式会社横尾商店 |
評価 | ★★★★★ |