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スナック・muramatsu(ムラマツ)のママは一見にも優しく、場を回すさりげないハンドリングが絶妙。常連さんも素敵。さすが信頼できる好きな先輩が好きな店はやっぱりいい店でした。

"いい店"の定義って知ってる? おいしい店? 安い店? 雰囲気のいい店? それはそれでいい。けど、僕はこうも思うんです。

好きな人が好きな店。これがいい店。

好みはあるでしょうけど、少なくとも、どこの誰ともわからない人が食べログでいい・悪いと言っているより、好きな人の評価の方が確度が高いに決まってる。

"幸せ"の定義って知ってる? そんないいお店に連れて行って頂けること。これが幸せ。

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武蔵小山駅から徒歩10分。西小山駅から徒歩15分弱。学芸大学駅から歩くと20分以上かかりますが、目黒郵便局あたりからだと10分ほど。平和通り商店街にあるスナック・ムラマツ(muramatsu)。

私は平和通りが大好きです。築地マルシェ倶楽部や西小山方面へ行くため、しょっちゅう通ってます。そんな通りにある、ネット上には一切情報がない店。気にならないわけがない。しかも、神輿でもお世話になっている大好きな先輩・Aさんが毎日のように通っている店。

「今度、ムラマツに連れて行ってくださいよ」

ふた回りほど違う大先輩にそうお願いして、ご一緒させて頂きました。

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1995年オープン。5年ほど前に改築したので、それはそれはきれい。まぶしいほど真っ白。

ママのお父さんだったかおじいさんの代は洋品店だったそうです。これが売れに売れたわけですが、ママが二人の娘を養っていくにあたって、もう洋品店の時代ではないだろうと定食屋を開きます。けど、夜の客が多かったので、だったらとスナックを始めました。

ということをムラマツを出た後、2軒目のバーで先輩から教わりました。

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「こんばんは」

「俺の知り合い。ひろぽん」(先輩)

「ひろぽんです。よろしくお願いします」

「ひろぽん!(笑)」(ママ)

「これ?(笑)」(常連さん)

腕に注射を打つポーズ。この一連のやり取りは、1万回ほど繰り返しているw

どうでもいいのですが、私をひろぽんと名付けたのはBar BULLBULLエリィ(右)。ヒロポンのことを知らずに私のことを「ひろしだからひろぽん」と呼ぶようになり、これがあだ名として定着しました。

「昔はさ、"こっち系"がよくやってたんだよ。麻雀屋で眠たそうにずっと打ってるヤツがトイレ行ったと思ったら、シャキッとなって戻ってくるのね。ああ、やったなって(笑)」(先輩)

参考/wikipedia:メタンフェタミン#ヒロポン

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セット料金2000円。今どきのスナックとしては激安です(カラオケは1曲200円とか言ってたかな。ご確認を)。私は先輩が入れているウィスキーのボトルでハイボールを飲んでいました。

かずみママは60代半ばくらい(※記事執筆時)。かわいらしいチャーミングな方。常連さん(6ちゃん)も交え、とにかくいろいろな話をしました。

「二葉屋(※2021年閉業)によく行くので、ここの前もしょっちゅう通ってて、一度、うかがいたいなぁと思ってたんです」

「飲食関係の方?」(ママ)

「いえ、単に料理が好きで買いに行ってるだけです」

「今年に潰れるって聞いてたんだけど、あと3年くらいは続けるとも言ってたなぁ」(先輩)

「なくなると困る人多いでしょうね」

「お店の人が多いから」(ママ)

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「粋」と書かれた箸袋。かっこいい。

「昨日さ、あの後、商店街歩いてたら、貴子んとこのビルの子に捕まって飲んじゃったよ。知ってる子じゃなかったんだけどなぁ」

「あはは。結構深い時間でしたよねぇ。すご」

実は前日も先輩と飲んでましたw 貴子=おっぱいラーメン。貴子ちゃんも先輩の神輿にやって来ます。貴子んとこのビルの子というのは、おっぱいラーメンの隣のガールズバー・Another Time~離れ~の子。

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「そこの……なんだっけ?」(先輩)

「○○ですね。閉店するみたいですが」

「ああ、そうなんだ。かき氷がまずくてよ」(先輩)

「甘くないのよね。あそこはオーガニックだから、そういう味なのよ」(ママ)

「かき氷が甘くないんだぜ? おしるこも甘いのがいいのに、甘さ控えめってどういうことだよ(笑)」(先輩)

甘いのが贅沢。砂糖がごちそう。そういう時代を生きてきた方々。けど、気持ちは私もよくわかるw

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「このへんだとホテルニュー目黒だな。連れ込みホテルみたいなもんだったんだよ。けど、オシャレになって今じゃ予約取れないのね。今はなんて言ったっけかな」(先輩)

「ん? どこですか?」

「ほら、バスの車庫の前の」(ママ)

「ああ、CLASKAですか」

「そうそう!」(先輩・ママ)

「そういや、○○がさ、ロッジで……」(先輩)

「ロッジって学大のですか?」

「そう」(先輩)

「つい先日、行ったばかりです」

写真をお見せしました。

「町会違うけど、亡くなった旦那が神輿やっててね。息子もやってるんだよ。娘がいて手伝ってるんじゃなかたかな。ああ、この子は違うね」(先輩)

「日によってスタッフの子は違うっておっしゃってました」

ネットに情報が一切ないダイニングバー・ロッジ。けど、これまたネットに情報が一切ないムラマツでロッジの話がわんさか出てくる。ネット社会だとかなんだとかってほんとかね?w

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「あそこの居酒屋、町会が使ってるのよ。何だっけ……」(ママ)

ほっこりですね。行ったことありますけど、いいお店でしたよ」

「あと、あっちにあるのは……最近できたわっかじゃなくて……」(先輩)

「てりやですかね?」

「そうそう」(先輩)

「なんでもよくご存じねぇ」(ママ)

「そりゃそうだよ。ひろぽんはこのへんの店は全部知ってるよ」(先輩)

「いえいえ(笑)」

祐天寺、武蔵小山、西小山は弱いけど、言われりゃだいたいわかると思う。学大の飲食店なら100%すべてを把握はしてるw

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話題はめまぐるしく変わって行きます。

「喉に骨が引っかかった時って、ご飯飲み込んじゃだめなんだって」

「estは学校とか病院とかで使うんだよ。普通はsince(※店頭の看板の文言『est 1995』のこと。establishedの略)」

「昔はカバンにこんなでっかい携帯入れてさ」

「らくらくホンってぜんぜん楽じゃないのよ」

「ガラケーは迷惑メールがすごくてさ」

「あの天ぷら屋さん(※天麩羅 天吉)は社長が目黒区の長者番付一位になったこともあるのよ」

「あそこの焼き鳥屋は隣も買い取って広くしてさ」

「みんな西小山に流れてるってね。あのビル(※OKビル)のキャバクラもさぁ」

「四中は駅も遠いし何もないから、みんな六中に行くんだよ。だから六中とは仲がよくて」

「そう! 三井住友から買ったのよ。あんな広い土地なんだもん。絶対、単なる本社ビルじゃないわよね(※ニトリ目黒店のこと)」

「明後日、餅つきがあるんだよ。稲荷通りってわかる? そうそう、サンライズのある通り。ほんとよく知ってるなぁ」

超楽しい。ママさんは優しくて、常連さんも一見を楽しませようと気を遣って下さるし、もちろん先輩も素敵だし。一見で来たとは思えない。先日のロッジもそうだったけど、こういう老舗スナックのママさんや常連さんはすごいなぁ。

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次から次へと供されるママさんの手料理はどれも絶品。

「おいしいです」

「あら。ほんと?」

これこれ。なんだろうな。ママさんはみんな「そう?」「ほんと?」と言う。ロッジのママもそうだった。郡山のおでん屋・おばこの女将さんもそうだった。面白いなぁw

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おしゃべりしてたかと思うと、奥へひょいと引っ込み、料理を出し、お酒を作りつつ、空いた皿を片付ける。テキパキ。

「ママの娘も手伝えばいいと思うでしょ? けど、ママが嫌なんだって。娘であっても気を遣うからって。もともとは『りんご(※)』に来てたんだよ。それが自分でもスナック始めて、そうしたらりんごの客がmuramatsuに来ちゃってね。もちろんママが引っ張ってるわけじゃないよ。客が勝手にそうしてるだけ。でも、ママとしては申し訳ないと思うじゃん。だから、『うちに来るなら、りんごにも寄って』と言うんだよね」

これも2軒目のバーで先輩からうかがったこと。ママさんの優しさ、お人柄がよくわかるエピソード。

※りんごとは清水池公園の脇にあるスナック「ニューこりんご」のこと。もともとはバス通り(碑さくら通り)にあって、その頃は「こりんご」で、現在地に移転して「ニューこりんご」になったのだそう

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先輩が毎日のように通っているというのもよくわかる。この店は、このママはすげぇや。うまい具合に場が回る。誰かが一人で会話を持って行くことがない。ママさんのさりげない絶妙なハンドリング、常連さんの気遣いで、その場の誰もが満遍なく会話の中心となる。誰も嫌な気にならない。

僕が大好きな先輩はやっぱり信頼できる。そんな方と知り合えてよかった。

翻って、自分はどうだったかな。後日、「この前、連れて来てくれた人、いい人だったわね」と言ってもらえるかな。先輩に連れて来た甲斐があったと思えてもらえたかな。

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翌々日の日曜日、昼頃に清水稲荷通りへ行ってみました。先輩が言っていた通り、餅つきをしていました。

「あらー! いらっしゃい! 食べてって!」

あ。ママさんだ(左下写真中央)。一瞬、びっくりしました。だって、餅つきがあるというのは聞いてたけど、ママさんがいるというのは聞かされてなかったから。そういうことだったのねw

神輿会でもある目黒清粋連が中心となって、毎年、成人の日の前日の日曜日に開催している餅つき大会。もう40年近く続いている催しなのだとか。餅も豚汁も本当においしかった。ビールまで頂いちゃった(自転車だったので持ち帰りました)。ありがとうございます。ごちそうさまでした。

ん? 目黒清粋連? ムラマツの箸袋には「粋」の文字がありました。あの箸袋は目黒清粋連のグッズ……かな。半纏にも大きく「粋」って書いてあるし。なるほど。

余談ですが、目黒清粋連は清水東町会の神輿。私がお世話になっている先輩は碑文谷睦という神輿会で向原西町会の神輿。

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いやぁ、嬉しいなぁ。私はこの街が大好きですが、最近になって外からやって来た人間です。けど、そんな新参者でも、この街で生まれ育ち、この街を支えている方々はとても優しくして下さる。こういう場面に出くわすたびに、ああ、この街に来てよかった、大好きなこの街に少しは好きになってもらえてるのかなと感じられて、それが本当に嬉しいんです。そして、この街を一層好きになる。

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帰り際に頂いたお年賀

もちろんムラマツは素晴らしかったですよ。ぜひ一度、行っていただきたい。けど、別にどこだっていいんです。いい人に出会い、地域に根ざしたいい店を知り、自分の店を見つける。そこにこそ、その地域に住んでいる意味がある。そして、それこそが幸せだと私は思うんです。

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もしこの街が好きなら、スナックを巡ってみるのもお勧めです。その地域に根ざした老舗であることが多く、地域の先輩方が集っているはずなので。こうした方々と飲むのがたまらなく楽しいんですよねぇ。

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その後、幾度も訪れているので追記(写真は複数回分)。

ある日はとても賑わっていました。みなさん楽しくて、歌がまあとにかくうまい。

奥から二番目の方は御年90歳! お元気です。

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ママの手料理も相変わらずおいしい。

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ムラマツの生ビール・スーパードライがとにかくうまい。私は生ビールではなく瓶ビール派なのですが、これはバツグンです。

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ママもべらぼうに歌がうまい。

この日いらっしゃった常連のお父さんも楽しい人だったなぁ。ここのお客さんはみんな素敵。ママがしっかりしてるから、いい客が残るんだな。

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