※2021年2月7日追記:本日、天麩羅 天吉は閉店しました。追記以上
平和通り商店街にある二葉フードセンター。武蔵小山駅から徒歩10分弱、西小山駅から10分強。学芸大学駅からだと20分ほどです。
この風情、いいでしょ? 電線がカオスw 戦後、高度経済成長、バブル期と、どんどん増え続けてこうなったのでしょう。この街が、日本が歩んできた歴史が垣間見えます。
実は、この二葉フードセンターは4軒の建物が連なって構成されています。そのハンパないカオスっぷりはこちらの記事をどうぞ。
二葉フードセンターには入口が3ヶ所あります。ひとつは裏。ふたつはこの平和通り沿いで、内ひとつは鳥岡(とりおか)のところの正面口。赤い提灯が出ているあたりです。もうひとつは手前、青いパン屋・Bakery Bran(ベーカリーブラン)の脇です。
今回はこの第二エントランスから入ってみましょう。すると、入口すぐ右手に惣菜・天ぷら・フライのお店・天麩羅 天吉(てんきち)があります。一度、フライ系を買ったことがあります。けど、その日の目的は……。
「すみません、お弁当みたいにしてもらえるんですよね」
「はい、お弁当みたいにできますよ」(お姉さん)
「じゃあ、お願いします」
「お弁当ひとつ~」(お姉さん)
そう。時折、お弁当を買っている人を見かけていたんです。だから、私もいつか弁当にしてもらいたいなぁと思っていたんです。
「唐揚げとコロッケでいい?」(お兄さん)
「はい」
「コロッケはカレー?」(お兄さん)
「いえ、普通ので」
好きな物を選んで入れてもらうこともできるはずです。ただ、唐揚げ・コロッケという組み合わせが圧倒的に多いのでしょうね。何も言わない人には唐揚げとコロッケを勧めてくれるのだと思います。
決して広いとは言えないスペースに4人。みなさんそれぞれが慌ただしく動いてます。もちろん担当はあるのでしょう。けど、何をどうしているのかわからないほどよく動く。カオスです。なんとも不思議な動きっぷり。お兄さんの豪快な盛りっぷりもいい。
「590円です」(お姉さん)
600円を渡しながらちょいと聞いてみます。
「こちらはどれくらいになるんですか?」
「どれくらい? ねえ、ここってどれくらい?」(お姉さん)
「♪#$&”@¥」
みなさんがそれぞれ、奥からいろいろおっしゃっるから、もはや何を言ってるのかわからないw
「30年くらいじゃないかな」(お兄さん)
「30年ですって」(お姉さん)
「そんなですか。ありがとうございます。また寄らせて頂きます」
「ありがとうございましたー」
近くにある林試の森公園で食べることにしました。
カオスwww
左半分は白米がギッシリ詰まってます。しかし、入りきらない惣菜が白米を浸食。弁当内はごった返しています。
どれも、とてもおいしいです。そしてガッツリ。惣菜で特によかったのはポテトサラダとピリ辛のナス炒め。超うまい。そして、何といっても鳥唐。ザクッとした衣、ジューシーな肉、いずれも味付けが濃い目でパンチがあります。最高。
もちろんコロッケもおいしいです。ソースがついてなかったのですが、私は不要なのでそれはいいとして、ソースなしでも味的には十分です。愛らしさすら覚えるこのまん丸なフォルム、きめ細かなパン粉がもたらす小気味いい衣の歯触り。いやぁ、シンプルながらおいし……あ。まさか。
迂闊でした。妙に滑らかなコロッケだなと思ったんです。ニンジンも入っていました。玉ねぎもみじん切りではなくスライス状だったような。となると、もしかしたらポテサラと共通のタネなのか? もっとしっかり観察すべきでした。
乗りきらない惣菜が弁当の仕切りを大きく飛び越えるその様はカオス。
揚げ物も惣菜もすべてがご飯のおかずになりえます。ですが、ご飯が足りない。いや、おかずが多すぎると言うべきか。このバランス感覚の欠如もカオス。
ポテサラの量は弁当に入っているおかずの域を越えてます。惣菜の種類も妙に多い。ご飯も多い。一般的な弁当の1.5倍はありそうなボリュームもカオス(めっちゃ重かった!w)。
あれこれがカオスな様相を呈しながら、弁当というひとつの箱にみっちり収まり、もはやなんだかよくわからない、けど、得も言われぬ魅力を醸し出す……。
フラクタルだ。この弁当は二葉フードセンターそのものじゃないか!
建物と建物がくっつき、互いに浸食し、渾然一体となっている二葉フードセンター。店の人、客が入り乱れ、妙な活気に包まれ、東南アジアあたりのマーケットのごとく混沌としています。まさに天吉の弁当のカオスっぷりと同じです。建物と、そこで作られる弁当が近似するというなんとも珍妙な現象w
まるで二葉フードセンターをそのまま丸ごと詰め込んだかのような、カオスおいしい天吉の弁当。腹ペコ男子のお腹もこれなら文句なく満足できるはず。ぜひ一度。そこまで食べられないって方は、総菜・揚げ物だけでもw
あ、うそ。イカフライ(420円)を買ったら丸ごと一杯分だった。二人でも一食で食い切れない量。二食に分けて食べる、もしくは三人以上でちょうど、そんな覚悟を持ってどうぞw
SHOP DATA
- 天麩羅 天吉(てんきち)
- 東京都目黒区目黒本町5-32-13 二葉フードセンター内
- 03-3793-4555
- 公式