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biji(鷹番・下馬)は野菜がたっぷりなアジアご飯のお店。品数豊富なお弁当はパンチがあってボリューミーでした~生活の隣にあって街の人々に活力をもたらす種

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学芸大学駅から徒歩8分。西口商店街を抜けて駒沢通りを渡り、環七・野沢交差点へと向かう水車橋通りにbiji 下馬というお店があります。2020年4月6日にオープンしました。

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2002年3月20日、学芸大学駅東口商店街から一本入ったところでbijiは創業しました。運営は有限会社deco-ecoで、代表は東美貴さん(伊沢美貴さん)、料理長は近松亜希子さん。"野菜たっぷりのアジアご飯"がbijiのキャッチフレーズです。

ケータリング、お弁当の配達、イベント出店なども手掛けるようになったbijiは2006年、目黒本町(円融寺通り沿い)にキッチン(作業場)を設けます。そして2019年末、これが水車橋通り(下馬)に移ってきました(ということだと思う。たぶんw)。

ところが、コロナの影響でテイクアウト需要が高まり、近隣住民からの要望も相まって、2020年4月、下馬のキッチンでもお弁当のテイクアウトを始めます。それがbiji 下馬です。biji 下馬ができて、本店をbiji 鷹番とも呼ぶようになりました。

biji 鷹番へは私が学芸大学に越してきた直後に一度行ったことがあります。今回はbiji 下馬のお弁当を買ってみることにしました。

※「水車橋通り」は筆者の勝手な呼称

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biji 鷹番ではイートインもテイクアウトもできるのですが、biji 下馬はテイクアウト専門です。メニューも違います。

biji 下馬のメインは副菜のない丼(DONBURI)と副菜5品がつくお弁当(OBENTO)。その他、定番のお惣菜(OSOUZAI)、本日のDELIがあり、両者を合わせたおかずセットもあります。

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そもそもはキッチンとして稼働するはずだったスペース。けど、カウンターのようなものを造っていたということは、店舗として営業する可能性も考えていたのかもなぁ(保健所的なあれこれも?)。

カウンター外にも調味料類が並び、お弁当の容器が積み上がっています。手際よくチャッチャカと動くスタッフたち。そんな様子がどことなくアジアな雰囲気を感じさせなくはなくw 目の前でお弁当が作られていくのを見ているのも楽しくて、待っている時間も退屈しません。

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昼時に行ったのですが、お客さんが数組並んでました。その日もそうなんですが、鷹番・下馬ともにお客さんの8割くらいが女性です(筆者体感)。女性に大人気。ただですね、ぜひ男性にも以下をよく読んで頂きたい。どういうことかは、また後ほど。

それにしても。

下馬へ移転してきたのは2019年末。コロナの直前です。もし、これが遅れて、物件を吟味している最中にコロナが発生していたら、さてどうなっていたか。キッチン移転を躊躇したかもしれません。

あくまでも結果論ですが、コロナ前に物件を抑えていてよかったんじゃないかと。しかも、テイクアウトに対応できる物件で、場所もいい。コロナで大変なのは重々承知ですが、ここはあえてポジティブに「いいタイミングだった」と言わせてもらいましょう。

さて、お弁当。

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ルーロー飯(左)とカオマンガイ(右)。意外とずっしり重みがあります。

bijiのメイン画像・ボリューミーで食べ応えのあるお弁当

もちろんきれいなお弁当なんですが、「美しい!」という感じではなく、いい意味で雑然としています。これがアジアっぽさを醸し出していて、なんだかワクワクさせてくれます。

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ルーロー飯。台湾の魯肉飯です。豚バラが甘辛く煮込まれていて、中華系のスパイス(八角とか?)が使われています。いわば台湾版角煮。

豚バラはトロトロ、ホロホロ。しっかりとした味付けでパンチがあります。みっちりと詰め込まれている五穀米も濃厚な豚バラによく合います。椎茸も味がしゅんでておいしい。

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カオマンガイはタイ料理。茹でた鶏のムネ肉にショウガのタレがかかっています。ご飯はタイ米で、本場のカオマンガイと同様、鶏のスープとショウガで炊かれていました。いい香り。

ジャスミンライスの甘みと鶏のうまみ、爽やかなショウガ。パサつきがちな鶏肉もしっとり仕上がっています。このタレもおいしいなぁ。カオマンガイは自分でもよく作るので、マネしたい。

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お弁当共通の副菜5品。コロッケ、マカロニサラダ、玉子焼き、ブロッコリーと、もうひとつは何だろな。連れは「マリネ風サラダ?」と言ってました。そして「副菜の中でこれが一番よかった」とも。

私はコロッケが印象的でした。パッと見は丸くてかわいらしいのですが、中は賽の目の形を残したコロコロとしたジャガイモ。ずっしり重厚なコロッケです。

得てしてこういう類は上品で優しくてさっぱり、量もちょっと少な目なことが多いのですが、bijiのお弁当はそうじゃない。味付けはしっかり目でボリューミー。食べ応えを感じさせてくれます。いいお弁当だなぁ。

私は腹7分目くらい。ランチのお弁当としては十分な量でした。連れは小食ではありませんが、ご飯1/5ほどと鶏肉ひと切れを私の容器に入れてきました。女性にとってはお腹いっぱいになる量かもしれません。

こんな感じですから、男性にもいいと思うんですよねぇ。味的にも量的にも物足りないということはないはずです。

「こういうお弁当好き。いろいろ食べられるし、ボリュームもあるし。今度からお弁当はここだな」

と連れ。ううう……。いや、いいんだよ。bijiおいしいよ。けど、言外には「栄屋よりbiji」というニュアンスが込められとる。それは……。せめて半々でw

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その後もちょくちょく買ってます。ガパオ弁当、ビビンバ弁当、ガイヤーン弁当、チキン南蛮タルタルソース、姜葱(ジャンツォン)チキン、お惣菜のヤムウンセンなど。お弁当も副菜も日によって若干異なります。どれもパンチがあってボリューミー。

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何十年と続いている店は単に外食するための店ではなく、生活に深く根差した店になっています。いわば、その土地に撒かれた種。そんな種が街を支えつつ、時代とともに新しい店が芽生え、そして街に花が咲きます。地元民に慕われる老舗がある一方、若者たちで賑わう店が続々と誕生している今の学芸大学がまさにそうですよね。

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biji――インドネシア語で「種」という意味です。実際の種は芽が出るとその役割を終えてなくなるわけですが、女性たちが列をなしてお弁当を買っていく様を見ていると、bijiという種は花を咲かせたこの街にあって今もなお変わらず力強く生き続け、街の人々に活力を与え続けているように感じます。

見た瞬間、パッと笑顔になれて、食べるとお腹も心も満たされるbijiのお弁当。20年という長きに渡ってこの街に愛される味をぜひ一度。

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