※追記:正確な時期は不明ですが、いつの間にか閉店していました。閉店に気づいたのは2017年6月中旬です。追記以上
学芸大学駅界隈にはいくつかの"失われた地名"があります。たとえば三谷。三谷というバス亭があったり、三谷北町会という町会はありますが、住所としては三谷はもうありません。
唐ヶ崎も同様です。目黒通りにそびえ立つ赤と白の鉄塔でおなじみのビルは、NTTコミュニケーションズ唐ヶ崎ビル。同ビルの脇、目黒通りから見ると斜めに抜けて行く通りがあります。美やこ、MIRIE'S、まるだ。、浅野屋、笹崎ボクシングジム、高架をくぐってスリーエフ、碑文谷体育館へと向かうこの通りは唐ヶ崎通り。こうした名称でしか唐ヶ崎を目にする機会はありません。
今回ご紹介するお店は、目黒通りから唐ヶ崎通りを入った付近にある喫茶店・PONTE(ポンテ)です。学芸大学駅からは徒歩5分強。東口商店街の先の香氣のある信号を右折して真っ直ぐです。學大油そBar 茶碗屋(閉店)のすぐ隣。CAPTAIN(キャプテン)というコーヒー屋さんが7月ごろに潰れて、新しい店になってたことを店の前で思い出しました。
2015年10月中旬ごろにオープンした、水で抽出するダッチ・コーヒーがウリのカフェ「PONTE」。店内にはカウンターとテーブル席があります。BGMは穏やかなジャズ。ビーフカレー大盛りでハンバーグのトッピングを注文しました。
店主が調理している間、いろいろ話をしました。まとめるとこんな感じです。
PONTEはイタリア語で"橋"の意味。大学時代に橋にまつわる勉強をしていたから。橋といっても川にかかっている橋ではありません。液体橋です。初耳。
マイクロ世界における代表的な表面間力は分子間力、液架橋力(表面張力)、静電気力が挙げられる。
(中略)
粉体と固体あるいは粉体同士の接触部や狭い間隙部に液体が存在するとき、それを液体橋と呼ぶ。その付着力を液架橋力と呼び、(後略)マイクロマシン技術/8 マイクロマニピュレーション(産業技術総合研究所・谷川民生)
なんだかよくわかりませんが、そういうことですw
いろいろな飲食店で働いていたそうですが、自分でできるのは焼き鳥を焼くことくらい。たまたまこの店舗が居抜きで空いたので、そのまま喫茶店をやることにしたのだとか。
現在は夜8時までですが、夜はお酒を出すようなお店にすることも考えていると言っていました。
そんなこんなでカレーができたようです。
大盛りということもあるのですが、結構なボリューム。カレーは粘度が強めで、ビーフの甘みが出ています。辛さはそれほどありませんが、スパイスがしっかりきいています。あえて例えるなら、ホテルのカレーと喫茶店のカレーの中間みたいな感じ。って、よくわかりませんよねw
ハンバーグはポーク。カレーで隠れて見えませんが、ハンバーグもかなり大きい。このカレーともよくあっています。
うん、こりゃなかなかおいしいぞ。
「おいしいですね」
「ありがとうございます。レシピは嫁が考案したんです。嫁も飲食店で働いていた経験があって。甘いものは大丈夫ですか?」
「甘いって、たとえば?」
「嫁がケーキを作るのが好きで、シフォンケーキがあるんです。もしよければ」
「ぜひぜひ」
「本当は生クリームを添えるんですが……」
「いえいえ、ぜんぜん」
フワッフワ。綿あめのように軽いシフォンケーキです。あまり食べたことがないのでスタンダードを知らないのですが、こんなにフワッフワなんですか? シフォンケーキって。これは紅茶の香りかな? とてもおいしい。
「ふわふわですね。おいしいです」
「ありがとうございます」
大きな窓からは光がたっぷり差し込みます。明るくて暖かな、落ちついた雰囲気。
オープンして間もないですし、場所も場所なので、まだなかなかお客さんに来てもらえていないようです。
「学芸大学は人が来るようになるまで時間がかかるって言われてまして。だからまあ焦らずやっていこうかと」
Barco(バルコ)も開店当初はぜんぜん客いなかったのに、随分増えたよなぁ。こうまでなるのに半年以上か。先日、バーン・メイでも似たようなことを言ってたなぁ。メイさんは「ひまよ~」って言ってたし、オーナーさんも「まだまだ知ってもらえてなくて」と言ってたし。日本で屈指と言っても過言ではないほどうまいタイ料理なのに……。
こんなチンケなブログですが、PONTEと客をつなぐ架け橋となることを願って。
SHOP DATA
- PONTE(ポンテ)
- 東京都目黒区鷹番1-3-4
- 03-5708-5151
- 公式