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軽食・喫茶 ALETTA/アレッタ(学芸大学)の煮込みハンバーグは柔らかくて、前菜はボリューミーで、コーヒーも馬鹿デカでした~元気でチャキチャキなママさんはまるで田舎のオフクロ

先日、学芸大学のお好み焼き&もんじゃ屋・らくらくオーナー・エイト君たちともつ鍋・うみのへ行った時のこと。店を出て、そう言えばと思い出しました。

「この筋に雰囲気のある喫茶店かなにかあったよねぇ」

「ああ、あっちですね。前、行ったことありますよ。ハンバーグとか海老フライとかがメインのランチなんですが、メインが出る前にすごい量の前菜みたいなのが出てくるんです。すごいっすよ」

へー。面白そう。さっそく翌日、行ってみました。

※追記:うみのは2017年に閉店しています。うみのの店長だった方は学芸大学駅東口商店街に酒場 浮雲というお店を出しました。追記以上

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学芸大学駅から徒歩15分ほど。うみののすぐ近く、碑さくら通り沿いにある軽食・喫茶 ALETTA(アレッタ)。alettaはイタリア語で小さな羽根という意味です。

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昔ながらの喫茶店という風情。店頭にランチメニューが掛けられていました。生姜焼きも気になるけど、ここはやっぱり手作りハンバーグでしょう。少々きしむ扉を開けて入ります。

「いらっしゃい。どうぞ。そこに座ったら」

おお、ママさんか。渋いマスターかと思いきや。チャキチャキしてる元気なママさんです。店内はテーブル席とカウンター席があります。カウンターに座ろうとしたら、テーブルに促されました。

「お食事する?」

「はい。ハンバーグをお願いします」

「はーい。じゃあ、とりあえずこれ食べてて」

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にゃはは。これか。噂の。ポテサラにトマトにワカメ。いいですのぉ。時間が時間なら、ビールでもいきたくなりそうなw で、こいつがなかなかおいしんです。

「おいしいです」

「ほんと。ありがとう。この辺のかた?」

「学芸大学駅のほうです。ちょうど昨日、そこのうみのに行ってたんですよ」

「あらそう。おいしいんだってね。あそこ、○○○なんでしょ? うちは○○○だからさ、○○○」

ママさん言うねぇw 面白い! ここには書けないけどw ママさんの話は続きます。

「ウチもお客さんに夜やってくれって言われてねぇ。けど、もうこの歳でしょう。ちょっと無理よねぇ」

「いえいえ、そんな。こちらはどれくらいになるんですか?」

「45年よ。おいくつ?」

「42で、今年で43です」

「そうなの。息子もね、42。42で亡くなったんだけど」

ああ、なんてこった。こういう流れになるとは……。

「そうなんですかぁ。まだお若かったのに、寂しいですね」

「人間、健康が一番よ。健康だけには気をつけなさい」

「はい」

「息子はいなくなったけど、娘がいてね。娘はイタリアで日本語教えてたり、イタリア料理やってたりするから、すぐにでもここできるんだけど、他にも仕事をいろいろしてて、忙しいのよ。だから、私がまだやんなくちゃねぇ」

そのお元気でしたら、まだあと10年、20年は優におできになりますって。

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味噌汁が出てきた後、ご飯とハンバーグがやってきました。

「あまり火を通しすぎちゃうとダメだから、もし火が通ってなかったら言ってね」

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箸で隅の方を割ってみました。うん、ぜんぜん大丈夫。

「ちょうどいいですよ」

「ほんと。よかった」

サッと焼きを入れて煮込んでいるのでしょう。表面も柔らかめではありますが、箸で割っても崩れません。しっかり形は保ってます。けど、口に入れるとフワリ。肉の味付け自体はオーソドックス。スープにしっかりと味がします。

「わー、おいしいです」

「あら、ありがとう」

いや、ほんとに。先ほど、80歳くらいになろうかというご年配の常連さんがいらっしゃいました。何も言わずテーブルに座ると、自動的にホットコーヒーが供されていたわけですが、こういう常連さんが多いのなら、こういうハンバーグが正解です。ホロホロするわけじゃなく、かといってガッチリ固められているわけでもない。無骨な形をしていますが、これもまた、ママさんの飾らない性格がでているのでしょう。

ワシワシ食います。皿に広がっているスープは行儀なんてお構いなしに、口を皿につけ飲み干します。最後の一滴まですべてレタスでふき取り、皿をきれいにしていきます。

「ありがとうね」

お皿を片付けるママさんがそうおっしゃいます。

「とてもおいしかったです」

「コーヒーはホットがいい? アイス?」

「アイスでお願いします」

「ちょっと待ってね」

待つというほどもない時間でアイスコーヒーが出てきました。

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ふあっ。完全に生ビール、ウーロンハイのサイズ感! デカッw ガムシロップをたっぷり入れます。クリームも全部入れます。コーヒーは甘いのが好き。

ああ、話が前後していたと写真を見て気づいた。皿がまだ残ってますね。どうです? 皿、きれいになってるでしょ?w

alettaの画像

少々早い時間でした。ママさんはカウンターのあっちとこっちを行ったり来たりで作業をしてらっしゃいます。背後には静かにコーヒーを飲むお父さんのかすかな気配。陽が差し込み、店内はとても暖かい。

「ずっと寒かったですけど、今日は暖かいですね」

「そうねぇ」

「45年てことは、この辺りも随分、変わったんじゃないですか?」

「変わったけど、他の地域に比べればそうでもないわよ。目黒区は開発が遅いのよ。年寄りがみんな(略)」

わぉ。毒舌ぅ~www 書けない書けないw けど、いいなぁ。こういうママさん。気持ちがいい。

alettaの画像

コーヒーを飲みながら、ゆっくりと店内を見回し、外の様子をうかがいます。ボーッと物想いにふけながら。

42か。小・中学生の頃なんて、42歳と言ったら、完全にオッサンのイメージだったよなぁ。いや、実際、オッサンではあるのですが、どこかでほんの少し、オッサンと呼ばれ、あるいはオッサンとなることに抗う自分がいたりもして。

「いやぁ、昔の40と今の40じゃ違いますよ。ぜんぜん若いですもん」

なーんて言われ、「ああ、そう?」とニヤついてる時点で、まあオッサンだわなw

そんな私と同じ歳で息子さんは亡くなったのか。ママさんの目にオレはどういう風に映ってるのかな。ご自身で会社をやってらっしゃったというから、ちゃんとした、しっかりした人だったんだろうな。こんなのと同い年だっただなんて、ママさんもビックリかw

お会計をしてもらいました。

「またいらしてね」

「はい、ぜひ。おいしかったです。ごちそうさまです」

「ありがとうねー」

なんか田舎のオフクロに久々に会った気分。ふふふ。少しは体のことも考えるか。

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