75歳のおじいちゃんと42歳のおっさんが何の因果か友達になり、茨城県まで焼きはまぐりを食べに行ったという、まったくもって面白くもなんともないお話ですが、もしよければお付き合い下さい。
半年、いや、1年ほど前からだったでしょうか。私にとってはもっとも年上の"友達"・Kちゃんから、学芸大学の某バーで会うたびに「ひろぽん、焼きはま行こう」と誘われていました。
昨年は千葉まで寿司を食べに連れて行ってもらいました。そもそもなぜ、こんな私を気に入ってくれているのかよくわからないのですが、私もKちゃんのことが好きなので、今回の"焼きはまドライブ"もやぶさかではありません。ようやくタイミングが合い、2016年8月中旬に行ってきました。
東京から東関東自動車道(東関道)を東へ1時間半。潮来(いたこ)で降りて、国道51号線を北上。鹿島スタジアムを通り過ぎた先に浜茶屋 やましょうがあります。
広い店内にテーブルがずらり。各テーブルには焼き台が据えられています。
「なんでも好きな物食べて」
そう促され、焼はまぐり(定食)と焼ガキ、焼ホタテをお願いしました。
それはそれは大きなはまぐり。ぱくっと口が開いたら、ダシ醤油をかけます。醤油がグツグツしだしたら食べごろです。
プリップリ。ジュワ。う、うめぇ。地元・鹿嶋で採れたはまぐりです。こんなのうまいに決まってます。
「うまっ。Kちゃん、めっちゃおいしいね」
Kちゃんは黙ってうなづきます。
「ひろぽん、これもおいしいらしいよ」
そう言って指差すのは壁に貼られた「ながらみ」というメニュー。ながらみ? 追加で頼んでみました。
見た目はかたつむりのよう。楊枝でクルッと身を取り出します。身は細くて長く、先端には肝がついています。薄いダシで煮られたながらみはとても柔らかく、風味が豊か。食感はまるで違いますが、味わいはつぶ貝のような感じです。
「初めて食べましたよ。これもおいしいですねぇ」
黙ってうなづくKちゃん。
定食についてくるご飯はかまど炊きでおかわり自由。このご飯がまたうまい。都内で、この価格でこれはなかなかないだろうなぁ。
「わざわざ来た甲斐がありますよ。めっちゃおいしかったです」
「ああ、そう」
Kちゃんはかすかにほほえみうなづきました。
店を出て車に乗り込むと、「コーヒーでも飲みに行こうか」とKちゃん。15分、20分くらいでしょうか。国道51号線を上り、おもむろに海岸方面へ折れます。すると目の前は大海原。
ひゃー、すごい。何海岸っていうんだろ。どこまでも砂浜。どこまでも海。
海岸沿いに一軒のカフェ・バーがありました。NALU's TOY BOXというお店です。
店内には広いイベントスペースもあり、夜はDJがあったりもするそうです。
台風が近づいているせいで、サーファーは海に出ていませんでした。少し荒れ気味の、だけど雄大な太平洋を望みつつ、アイスコーヒーを飲みます。
静かでゆったりとした日曜日。のんびりしていていいな。広いし、海は大きいし。こうして海を眺めるなんて、どれくらいぶりだろう……。
周りは日に焼けた若めの人たちばかり。そんな中、おじいちゃんとおっさんがコーヒーを飲んでいる……いったい、どんな風に見えてたのかw
余談ですが、なぜKちゃんがこのあたりの地理に詳しいかというと、近所に別荘を持っていたから。
帰りは国道51号線をそのまま北上して、水戸大洗から高速に乗り、東京へと戻って来ました。約半日の二人旅。
Kちゃんと知り合った学芸大学の某バーのママの旧姓は私と同じ姓。そのママの下の名前は私の連れと同じ名前。Kちゃんの娘さんは出戻りなんですが、結婚当時は私と同じ姓。ついでに、Kちゃんと先述のママの息子は同じ誕生日。
はは。まあ、なんかの縁なんだろうな。
そんなわけで、縁あって知り合ったおじいちゃんとおっさんの、取りとめもない休日ドライブのお話でしたとさ。あ、でも、焼きはまぐりは本当においしかったので、もし、そちら方面にお出かけの際はぜひ。
店名 | NALU's TOY BOX |
住所 | 茨城県鉾田市汲上2524-8 |
URL | 公式サイト |