ん? しゃんぶる・三の雰囲気がなんか違う。
あ、新しいスナックになってるじゃん。
たまたま前を通りかかって気づきました。そして外観だけでもわかります。これはタダ者じゃない。オシャレ。
帰って調べたところ、予想通りでした。気になりすぎて、その日の夜、さっそく行ってみることに。
最高な雰囲気だ。
学芸大学駅から徒歩15分。環七沿い、華空間のはす向かい、ツルハドラッグ 柿の木坂店の隣のマンションの1階にスナック ララバイというお店があります。
店主は元スタイリストの大村拓也さん。2020年、築地にスナック ララバイをオープン。2024年8月にいったん閉店。2024年9月18日、この地に移転してきました。
「どんな料金システムでしょう?」
「カラオケ歌いたい放題で1時間2000円、ドリンク代が別途かかる感じです。大丈夫ですか?」
「はい」
最終的にハイボール2杯飲んで3000円でした。また、2000円というのは「男性」と言っていたようにも記憶しています。詳細は来店時にご確認を。
このあたり、もう少し明朗にしといてもらいたいかな。安い・高いではなく、わかっていたほうが安心して飲めるので。
「築地からですよね。こんな何もないところにどうして?w」
「契約がちょうど更新で、移転しようとしたんですが、すべて揃っていて、居抜きで入れるところを探していたんです。結果、ここになりました。駅からは遠いですが、変な酔っ払いが来ることもないですし、落ち着いてていいですよ」
渋い声。
「おそらく1973年、74年くらいの生まれですよね」
「ぴったりその通りです。73年です」
「私も73年です」
なぜ年齢を知っていたかは後述。
壁一面に映画や商品広告のポスター、ピンナップ。レトロ感満載。
天井にはレコードやペナント。
カウンター上や棚にも雑貨・おもちゃ類がたくさん。
「情報量がおおいですよねw」
「見てて飽きないですねw」
「フリーマーケットなどで買い集めたものなんですが、これだけあるので、こちらに持ってくるのが大変でした」
「こっちに引っ越してきて、いろいろな店を回ってるんです。学芸大学だとさいとう屋に行きました」
これまたピンポイントで、いきなり最高峰へw
「先日、マスターと奥さんと飲みましたよ(※その様子はこちら「でん芭」の記事でどうぞ)。いい店ですよねぇ」
「はい。けど、なかなか入れませんね。あと、サザンリーフってご存じですか?」
「ええ。松永さんとは一緒に釣りにも行ったことがあります」
「そうですか。松永さんは築地のお店にも来てくださってて」
「へー!」
「先日、来てくださったお客さんは、外に海……」
「そとめ(外海)ですね」
「はい、あと8に9……」
「ハク(89)ですね」
「ええ、そこをお勧めしてくれました」
「いいチョイスです」
「都立大学には行かれます?」
「行かないですねぇ。行きはいいんですが、帰りの上り坂が飲んだ後だとちょっと……」
「この前、銭湯(※旭湯)に行って、そのあと大菊でそばを食べました」
「大菊! 2代目のキヨミさんと懇意にさせてもらってます」
「スタッフの方もみなさん、いい感じですよねぇ」
基本的には何の縁もなかった地。そこで飲食店をいろいろ回って、この街のことを知ろうとしています。いいなぁ。こういう人・店は応援したくなります。
「よかったらステッカーどうぞ」
「じゃあ僕からも」
残りわずかとなった肝臓公司ステッカーを差し上げました。
「聖林公司みたいですね」
「まさに聖林公司を真似しました」
「そのデニムシャツ、聖林ですね」
「はい」
「聖林の社長(※前社長かも?)が昨日、来てくれました」
「ほんとですか!」
「お仕事は何をされてるんですか?」
「雑誌や書籍の編集・ライターをやってます。最近はウェブのほうが多いかな。ウェブで書いたり、いろいろ作ったりです」
「僕も昔はスタイリストをやってて、雑誌の仕事も随分やってました。講談社のホットドッグプレスとか……」
「あ、ホットドッグ編集部にいました」
「そうなんですか!」
「ちょうど旧社屋から新社屋に代わる頃。武田さん(山田五郎さん)が編集長の時です」
「えー! じゃあ、〇〇さんご存じですか?」
「もちろん。ファッション班だと、あと〇〇さん、〇〇さん……」
「〇〇さんもお店来てくれましたよ」
「へー! まあ、僕はオシャレ班ではなく"エロ"担当だったのでw、親しく付き合ってたってわけではないんですが」
「ホットドッグと言えば、あのエロがよかったですよねぇ」
「ほんとに」
「あと、北方謙三さんが」
「ソープへ行け!」(同時に)
爆笑。
「懐かしいなぁ。当時はみんな徹夜で」
「朝までやってましたね」
「講談社の前の中華料理屋で……」
「打ち合わせと称して飲んでましたねぇ」
「なんて名前だったかなぁ」
「なんでしたっけぇ。カリンカとかジャスミンとかそんな名前だったような……」
同い年。もしかしたら、いや高確率で編集部で会ってる――なんて偶然。
ただ、これだけ話が盛り上がったのは、偶然のつながりがあったからということもあるのでしょうけど、仮にそうでなかったとしても、こうなっていたはずです。大村拓也さんはフランクでとても話しやすい。いい声なので、話を聞いてるのも気持ちいい。
「このあたりは飲むところがないので、逆に来てもらえるといいんですけどねぇ。そのためにも今後、料金システムを変えていくかもしれません」
「スナック的にボトルでも飲めて、バー的にサクッと1、2杯飲んで帰るということもできると客としては嬉しいですね」
このあたりのことは、やっていく内に定まっていくことでしょう。
コロナ中にしゃんぶる・三が改装したので、とてもきれいです。懐かしいもので溢れていて、見ているだけでも面白い。気さくなマスターとの会話も楽しい。
インスタグラムを見ると、築地時代はオシャレな若者たちでいっぱいだったようです。移転後もあんな感じで盛り上がるといいですね。
機会がありましたら、ぜひ一度。
SHOP DATA
- スナック ララバイ
- 東京都世田谷区野沢3-4-18 柿の木坂パレス105
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