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中国海鮮料理 華空間(はなくうかん)は店名も建物もヘンテコリンだけど、料理は本格派・正統派。ランチのエビチリ炒飯はおいしくてボリュームがとてつもなかった

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学芸大学駅から徒歩15分弱。駒沢通りと環七が交わる駒沢陸橋交差点の近くに、なんともヘンテコリンな建物があります。

万里の長城をイメージしているという石垣のような壁。ドーム型の屋根。5階建てのこのビルの1階は中華料理店・華空間(はなくうかん)です。

2013年8月、一度、夜に行ったことがあります。今回、3年ぶりにランチで訪問しました。

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以前は2階も店舗でしたが、現在は1階部分のみで営業しています。広々とした店内にはテーブルがずらり。座ったこの席は3年前と同じ席でした。

常連と思しき親子連れ、昼休憩で訪れている様子の近隣で働いている方々、何十年と通っているであろうご年配夫婦、おしゃべりを楽しんでいる奥様方の団体。私が生まれる1年前、1972年創業の老舗は多くの人に愛されている店だとよくわかります。

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ランチの種類が豊富で目移りしてしまうのですが、外観も店名もヘンテコリンな店です。メニューもちょっぴり変わったやつにしてみます。

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まず先行して出てきたのは大根とにんじんの醤油漬け。ほんのり醤油に浸かっていて、おそらく酢は使われていません。少なくとも酸っぱくはない。野菜の甘みが出ていて、さっぱりとしてとてもおいしいです。

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そしてエビチリ炒飯。ヘンテコリンってことはないか。けど、あまり見かけないしねw

写真ではわかりづらいですが巨大です。優に普通の店の大盛りくらいはあります。チャーハンは優しくて洗練された、品のある"中華料理店の"チャーハン。エビチリも同様です。街場の中華の豪快な料理とは違う、丁寧に作り上げられた上等なエビチリ。

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チャーハンもエビチリも本格派。けど、このふたつを同時に食べると、いい意味でジャンク感が出ます。パンチのある中華メシ。わしわしかき込みます。うまいなぁ。

スープはおかわりできるとメニューに書かれていました。せっかくだしおかわりしてやろうと思っていたのですが、料理を食べ始めてすぐに断念。それなりにお腹が減っていました。私はそこそこ食べる方です。でも、腹パンパン。女性だと食べきれない人も多いんじゃないかなぁ。それくらいのボリュームでした。

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食後に出てきたコーヒーは小さめのグラス。よかった。大きなグラスだったら飲み干すのに一苦労していたはず。この腹具合なら、このグラスがちょうどいい。

フロアを担当している女性は優しい雰囲気。ベスト&蝶ネクタイの男性はピシッとしていてとても気持ちいい。ああ、ここはしっかりとした、本物のレストランなんだなぁと感じさせてくれます。

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賑やかな店内をボーッと眺め、ガムシロップとミルクで甘くなったコーヒーを飲みながら3年前のことを思い出します。

私が学芸大学に越して来たのは2013年8月。引っ越してきたまさにその日、私と連れの荷物を新居に押し込め、連れの両親と共に食事に出かけました。それがこの華空間。つまり、学芸大学生活の初日がここから始まったということです。

なぜこんなけったいな外観の店を選んだんだろう。まあ、連れの両親もいるし、中華あたりが無難かなと思って行ったのかな。とはいえ、あえてここを選ぶってのも我ながら……と、ランチを食べながら思っていました。

けど、エビチリ炒飯を食べ終え、店内の様子を眺めている内に思い直します。いや、ここでよかったと。

何かにつけ祝い事となったら華空間に来る、そんな家族もきっと多いはず。ですから、私たちが学大生活をスタートするにあたって、ここへ来たのは正解だったのです。

それに、華空間と私は生まれた年もほぼ同じ。このヘンテコリンな外観だって私にピッタリじゃないか。学大で300軒(※記事執筆時)も飲み歩きしてるなんざ、周りから見りゃ十分ヘンテコリンなヤツだし。

3年前と同じこの席を立ち、入口近くのレジへ向かいます。

「970円です」

1000円札を渡しながら女性に伝えます。

「すごくおいしかったです」

「ありがとうございます」

「そして、すごいボリュームですね」

「ランチはね、みなさんどうしても(笑)」

「ごちそうさまでした」

「ありがとうございます」

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料理屋がうまい料理を出すのは当たり前。けど、もしうまい料理を食べるだけなら自宅でもいいわけです。じゃあなぜ料理屋にわざわざ出向くかというと、自宅とは違う特別な何かがそこにあるから。

この店はそれを"華やかな気持ちになれる空間"だと考えサービスを提供しています。店名としてはヘンテコリンだけど、そこに詰め込まれた信念はまさに飲食サービスの基本であり原点。

40年以上の歳月をかけ、多くの人たちの特別な空間となった華空間。私にとっても学大食べ飲み歩きの第一歩目の店として特別な空間となりました。

もしかしたら、あなたにとってもスペシャルな空間として思い出の1ページを華やかに彩ってくれるかもしれません。おいしい特別な空間がご入り用でしたら、ぜひ一度。

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