細めの小豆島手延べそうめん
今回は有限会社石井製麺所の小豆島手延べ素麺です。
信濃屋 野沢店で購入しました。646円/300g(6束)。公式サイト上では1,685円/18束なので、単純計算すると6束で560円です。ただ、ネットで取り寄せると送料がかかりますから、信濃屋のこの価格は致し方ないと言いますか、高級スーパーの割に優しい価格設定だとすら感じますw
スーパーで普通に売られている手延べそうめん(揖保乃糸など)と比較するとお高めですが、大量生産されている手延べそうめんと、家族経営の小さな製麺所が作る手延べそうめんでは違って当然。前者は300円/300gくらい、後者は400円~600円/300gがおおよその相場です。
そうめん4大産地(※)のひとつ・小豆島の手延べそうめんの大きな特徴は、ごま油を使うということ。なぜ、ごま油を使うようになったのかは不明確です。
ちなみに、国内シェア50%以上を誇るごま油メーカー・かどや製油は小豆島で創業しています(1858年)。
※三輪(奈良県)、播州(兵庫県)、小豆島(香川県)、島原(長崎県)
開封し袋に鼻を近づけると、甘いような香ばしいような香りがします。これはごま油ではなく小麦に由来するものでしょう。
小豆島の手延べそうめんは太めのものも多いのですが、この小豆島手延べ素麺は細いです。そしてよくしなります。よくしなるそうめんはだいたいおいしい。
茹で時間は2分となっていますが、この細さで2分は長いというのが私の経験則&好み。1分半でお湯から上げて、氷水でしっかりと冷し締めました。夏場は水道水がぬるいので、氷水で締めるのがお勧めです。
作り手の想いが伝わる味わい
ツルっとした吸い口、プリっとした弾力が気持ちいい。
ひと口で驚いたのは風味です。小麦の風味がとても強い。同じ小豆島の島の光は後味に強く風味が残るのですが、小豆島手延べ素麺は口にした瞬間から芳醇な風味を感じます。ここまで風味の強いそうめんは稀。
そしてもうひとつ。食べた瞬間、私は坂利の手延素麺(例外の星6)を思い出しました。そうめんとしてのタイプが似ているということもあるのですが、それ以上に、なぜだか温もりのようなものを感じるという点が一緒です。
作り手の想いが乗ったそうめん――もちろんおいしいのですが、私はこう言いたい。いいそうめんだなぁ、と。
これで何か作りたい!創作意欲の沸くそうめん
さて、問題はここからです。
私はそうめん原理主義者です。巷にはそうめんアレンジレシピが無数にありますが、私はさほどそうめんで調理しません。そのままで食べたいから。
けど、この小豆島手延べ素麺は料理好きの創作意欲を刺激します。太い半田そうめんであれば、いろいろアレンジしたくなるのですが、このような細いそうめんで、こんなにも「アレンジしてぇ!」と強烈に感じたのは初めてかも。
というわけでさっそく、ネバトロそうめん。黄身が割れているのはご愛敬。
翌日は麻辣拌面風そうめん。
最後にとうもろこしそうめん(コーンポタージュそうめん)。
普通のそうめんなら、「ここまでやったら、どれでも同じ」となるはず。ところが、小豆島手延べ素麺は風味が強く、しっかりとした弾力もあるためか、納豆や豆板醤・甜麺醤など濃いものと合わせても負けません。どこまでいっても小豆島手延べ素麺感・"ならでは"感を残しています。
ああ、そうなるだろうと予感させるそうめんだったから、創作意欲が刺激されたのかも。
なんとも不思議おいしいそうめんです。ぜひ最初はシンプルにそのままで、作り手の想いを感じながら食べてください。そして2度目以降はがっつりアレンジしちゃってください。どう調理したって大丈夫。このそうめんは負けません。そういう意味では料理が好きな人にぜひ食べてみてもらいたいなぁ。
私はブチブチっと強く歯切れるそうめんが好きなので、この弾力は気持ちよくはありますが、好みからは外れます。けど、小豆島手延べ素麺に感じる妙な魅力はこれを十分に補いました。星5。
名称 | 小豆島手延べ素麺 |
原材料名 | 小麦粉(国内製造)、食塩、食用ごま油 |
製造者 | 有限会社石井製麺所 |
評価 | ★★★★★ |