武蔵小山や西小山などにあるスーパー・業務スーパーの運営会社・(株)神戸物産のプライベートブランドそうめん「そうめん」です。業務スーパー 西小山店で購入しました。
※武蔵小山店、西小山店の運営はフランチャイズのG7スーパーマート。
神戸物産は販売者で、製造者は公表されていません。けど、製造者はほぼ間違いなくJA愛媛たいき 五十崎製麺工場でしょう。同組合が製造・販売しているそうめん・五十崎そうめん 吾輩ハ麺デアルの同等品だと思われます。このあたりのことは後述。
機械麺、長い、スーパーのプライベートブランド。"買ってはいけない"そうめんの全条件を備えていますw 普通なら絶対に買いません。食べません。けど、そうめんレビュワーとしての使命感というわけではなく、ただただ業務スーパーが大好きだから、2019年一発目のそうめんレビューは業務スーパー=神戸物産のそうめんにしてみました。
揖保乃糸など一般的なそうめんは300g。このそうめんは800gで127円だったので、300gに換算すると約47円です。激安。
袋内ですでに折れている麺が多数。ダメなそうめんの典型です。袋を開け香りをかぐと、ツンとはせずに小麦の丸い香り。これは悪くない。
麺は少し平べったく、太さや形状がまちまちです。後述しますが、綾織りという製法によるのかもしれません。
写真でわかりますかね。不思議な溝が入っていたりもします。製造工程でできるのでしょうけど、時折、そうめんに限らず機械麺で見かけます。なんだろうな。
ひとつ面白いのが「ゆで時間 1分50秒」という表記です。ここまで細かく刻みますかねw 2分とすりゃいいのに、わざわざ1分50秒としているところに、販売者or/and製造者のこだわりが見えて、ほんの少しの期待を抱かせます。
表示通り1分50秒きっちり茹でて、素早く一気に冷水で冷やします。
まずは一束をそのまま。
お? およ? コシとは言いませんが、それなりに締まってます。プリッのほんの少し手前の食感。塩分が強めなのも印象的です(あとで調べたら塩分量は揖保乃糸とほぼ同じなので普通だった)。ほぅ、悪くない。機械麺としては上等だ。
1分50秒というのが絶妙なのかもしれません。それ以上に短ければ粉っぽくなっていたでしょう。長ければ変にもったりしていたはず。両者に挟まれている気配は感じるのですが、かろうじてそのどちらにもなっていません。
本番はこうしてみました。ゆで時間は2分。
まぜそうめん。具は豚ひき肉(砂糖・醤油)、きゅうり、にんじん、長ねぎ、干しエビ。そうめんには麺つゆとごま油をからめています。茶色い器は同日に器々(学芸大学)で購入したもの。
2分ではもったり感は出ませんでした。ただ、少々緩くなり、コシとまでは言えない締まりは減ったような。でもまあ悪くはない。機械麺は手延べそうめんよりも膨張しがちなのですが、さほど太くなっていないというのも珍しい。
いやぁうまい!と膝を打つようなものではありません。下の上です。けど、機械麺でここまでのクオリティはなかなかどうして。よくやってます。
たとえば町会の夏祭りなどで、大量のそうめんをふるまわなくてはいけない。けど予算が限られている。そんな時はこのそうめんで十分じゃないでしょうかね。あるいは本場中国/台湾の麺料理を作りたいということであれば、こういうそうめんがいいかもしれません(中国/台湾の"ラーメン"の麺に一番近いのがそうめん)。
機械麺のそうめんとしては上出来です。この激安っぷりでこのクオリティは、ある意味すごい。ただ、いかに業務スーパーが好きだと言っても、さすがに星3つはあげられない。とはいえ、星の数以上に私は評価します。まあ、星2.6ってところかな。
もう一度買うか? 買いませんw
名称 | そうめん |
原材料名 | 小麦粉、食塩 |
販売者 | 株式会社神戸物産 |
評価 | ★★☆☆☆ |
神戸物産/業務スーパーPB素麺は吾輩ハ麺デアル(JA愛媛たいき)
小麦の風味を生かした
多加水練上げ
長時間熟成綾織り。多加水練り上げ…
練り水を多く含ませてこねあげる製法で食感の良いめんになります。長時間熟成綾織り…
生地で熟成後、めん帯を綾織りにしてさらに熟成させることでコシのあるめんに仕上がります。
パッケージにはこんな文言が。かなり独特なワードが並んでいます。特に「綾織り」は初めて目にしました。そこで、上記の文章をそのままgoogleさんにぶち込んだところ、はいビンゴ。ヒットしたのが上述の五十崎そうめん 吾輩ハ麺デアル(JA愛媛たいき)でした。一言一句違わない説明が同そうめんにも付されています。
神戸物産のそうめんは間違いなく吾輩ハ麺デアル(の同等品)ですね。もしそうでないなら、完全に法的な問題になりまっせw
ちなみに綾織りはざっくり言うと縦糸と横糸をひとつ飛ばしで重ねる(編む)という織り方。ひとつずつ交互に織るのは平織り。綾織りにすることで、適度なランダム感が出て、これがいい食感につながるのかもしれません。よくわかりませんが。
先シーズン、武蔵小山の大黒屋で吾輩ハ麺デアルを見かけたような。今シーズンもあったら試して……うーん、本当にこれと同じならないなぁw
製造者はさぬき麺一(2022年8月12日追記)
2020年頃から(?)、製造者が表記されるようになりました(法改正があって)。製造者はさぬき麺一株式会社。
製造者が表記される前後で製造者が同じなのか異なっているのかは不明です。ただ、パッケージの文言は同じです。上述の通り、これはJA愛媛たいきの商品の文言と同じです。
さぬき麺一とJA愛媛たいき。いったいどうなっているのでしょうか……。よくわかりませんが、深く追求するほどの価値がある商品でもないので、とりあえずわからないまま放置しときますw 何か新しいことがわかりましたら追記します。
そうめんの面白さ
うどんの原材料ってシンプルですよね。小麦粉と食塩です。そして、まずいうどんってないじゃないですか。どこで売られているどんなうどんでも普通に食べられる(麺の話ね)。
そうめんも原材料は基本的には小麦粉と食塩だけです。けど、うどんとは違い、ひどいものになると口にするのも嫌なほどまずい。
そうめんとうどんは太さの差しかありません(かなり極端に言ってます)。なのに、おいしい・まずいの振れ幅がまるで違うのです。
じゃあ、なぜそうめんはここまで振れ幅が大きいのか。以下は決してうどん及びうどん職人を貶めてるわけじゃありません。
うどんの場合、手打ちうどんと機械麺の差は人の手か機械かの差です。一方、そうめんの場合、手延べそうめんと機械麺の差は手/機械だけではなく製法が根本的に異なります。詳細は以下に譲りますが、手延べそうめんはヨリをかけたりなんなりが必要。機械麺のそうめんは練った生地を細く裁断するだけ。機械麺のそうめんはそれこそまさに細いうどんでしかないわけです。
そうめんとひやむぎの違いは?手延べそうめんと機械麺の差は?そうめんの定義は?法律、規格、ガイドラインから素麺の基礎知識をわかりやすく図解してみた
機械でそうめんほどの細さにすることにそもそも無理があるんです。太ければ機械でもそれなりにコシが出せるでしょうけど、細いのでどうにもならない。結果、単に小麦粉を細くしただけの麺ができあがる。当然、そんなものはおいしくない。
※機械麺でも工夫をこらそうとしているものがあることは知っています。多くは無駄な努力(=おいしさにつながらない努力)だと感じますが
逆からいえば、そうめんは人の技・経験が如実に、ダイレクトに表れる食品ということ。ここがそうめんの面白いところなんですよねぇ。具体的にどのような技が駆使されているかは、上記のそうめん基礎知識的な記事をどうぞ。
当サイトではそうめんを星で評価しています。ぜひ一度、星5のそうめんを食べてみて下さい。びっくりしますよ。原材料は同じなのに、ここまで違いがあるのかと。おいしいそうめんって、こんなにもおいしいのかと。