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簡単で本格的な麻辣鸡丝凉面/麻辣鶏絲涼麺の作り方~中国と日本の麺の違い・凉面/拌面とは

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中国の凉面(涼麺)って知ってます? これがおいしいんです。

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北京・盧溝橋近くの屋台食堂で相席になったおっちゃんが面(麺)に薬味を入れてるの図

北京、上海、香港でいろいろな麺を食べました。そして今回、何十という中国語のレシピを見て回りました。これらを踏まえ、日本でも調理しやすい麻辣鸡丝凉面(麻辣鶏絲涼麺)/麻辣凉面の作り方を紹介していきたいと思います。

凉面/涼麺とは

  • 麻辣(マーラー)…麻は花椒による痺れ、辣は唐辛子による辛さ。
  • 鸡丝(チースゥ)…鸡は鶏/にわとり。丝は絲の簡体字で意味は糸。鶏絲=鶏肉の細切り。
  • 凉面(リャンミェン)…日本語的に書くと涼麺。字面だけの意味だと冷たい麺。実際は汁を張っていない熱くない麺といったニュアンス。あえて日本の麺でたとえるなら、油そばやまぜそばのようなもの。

日本のラーメンにいろいろあるのと同様、中国の凉面も多種多様です。この記事では麻辣鸡丝凉面、つまり中国風ピリ辛鶏まぜそばとでも言えそうなものを作っていきますが、麻辣は辛味、鸡丝は具材を表しているだけ。この部分を変えれば、どんな凉面でも作れます。

ですから、辛い物が苦手な方は鸡丝凉面にもできますし、鶏肉ではなく豚肉がいいなら(麻辣)猪肉丝凉面にもできます。その都度説明しますが、好みに合わせてアレンジしてください。

麻辣鸡丝凉面のレシピ

麻辣鸡丝凉面の材料

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すべてを揃える必要はありません。詳細は本文で

麺・具

  • 麺(詳細後述)
  • 鶏胸肉
  • きゅうり
  • もやし
  • ごまorピーナッツ
  • パクチー
  • ラー油
  • 油(ごま油やサラダ油など何でも)

タレ

  • ごまペーストorピーナッツペースト
  • 砂糖
  • 醤油
  • 五香粉
  • にんにく
  • しょうが

ラーメンの麺とは違う中国の麺

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日本のラーメンで使われる一般的な麺は少し黄色みがかった色で、場合によっては縮れていたりします。

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上海の麺専門店で食べた牛肉面
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好香味坊(学芸大学)の担々麺

一方、中国の麺料理に使われる麺の多くは白いストレート。この差は原材料や製法によるものです。

今回ご紹介する凉面は日本のラーメン用の麺でも作れますが、それでは日本のまぜそばぽくなって、いまいち雰囲気が出ません。

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ですから、中国食材店で売られている中国・台湾の麺を使うのが理想的です。ただ、中国の麺は入手しづらいですよね。

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そういう場合は細いうどん(乾麺のうどんがちょうどいい)、もしくは太いそうめん/ひやむぎを使ってください。というか、中国の麺に近いのがうどん・そうめんでして。刀削麺に見立ててきしめんを使ってもおいしいです。

ちなみに以下で登場する細うどん・きしめんは関屋城南食品のもの(工場直売)。

麻辣鸡丝凉面の調理工程

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お湯に塩を入れて鶏胸肉を茹でます。お湯の量は鶏肉がギリギリひたる程度で。鶏肉を茹でる際にしょうがや長ネギの青い部分を入れるといい、みたいなことが言われますが、私は基本的には入れません。お好きにどうぞ。

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火が通ったらお湯から取り出して裂きます。これが鸡丝です。鶏肉が苦手なら豚肉でも羊肉でも魚介でもOK。

なお、茹でたお湯は鶏のうまみがたっぷり詰まった鶏清湯です。スープとして飲んだり、料理のダシとして活用してください。そのためにもお湯の量は少な目で(多すぎると鶏のうまみが相対的に薄まるので)。

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ピーナッツ・砂糖・水(ミキサーを回すための水)をミキサーにかけてペーストに。

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ごまや芝麻醤よりピーナッツのほうが安いので(業務スーパーで1袋100円)、私はいつもピーナッツを使っています。ペーストにするのが面倒であればピーナッツバターでOK。実際、ピーナッツバターを使うレシピもあります。砂糖を使うので同じことです。

なお、ごま/ピーナッツペーストを入れないレシピもあります。シンプルな甘辛い醤油味もおいしいですよ(後述)。

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ピーナッツペースト、醤油、酢、すりおろしにんにく・しょうが、五香粉を混ぜ合わせます。

鶏ガラスープの素を入れれば、うまみが増しますが、私はなくても十分だと感じます。お好みでどうぞ。

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酢は中国黒酢・鎮江香醋がおすすめです。独特な風味が中国料理感を増してくれます。なければ普通の日本の穀物酢で。

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五香粉は八角や花椒などの粉末が混ざった中国版ミックススパイスで、輸入食材店やスーパーで売っています。なくてもいいのですが、これを入れると一気に本格っぽくなります。他の中国料理・台湾料理にも使えるので、これを機会に買ってみてください。

タレは思った以上に甘め、しょっぱめにしてください。麺に絡めるので、濃すぎるくらいでちょうどいいはずです。

なお、すべてを一気にミキサーにかけると味の調整が難しくなります。ですから、ミキサーでごま/ピーナッツペーストを作り、そこに各種調味料を混ぜ合わせるのがおすすめです。

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大きな鍋でお湯を沸かし、もやしを茹で、もやしが茹で上がったら取り出して、麺を茹でます。麺は関屋城南食品の細うどん(4玉100円!)。

麺が茹で上がったら、ざるでしっかりと水分を切ります。中国ではうちわや扇風機で麺を乾かすのですが、そこまでしなくてもいいでしょう。

水分が切れたら、麺に油をまぶします。ごま油でもサラダ油でもオリーブオイルでも何でも結構です。麺と麺がくっつかないようにするためです。

簡単でおいしい麻辣鸡丝凉面

器にもやし、麺、千切りにしたきゅうり、鶏肉を盛り、タレ・ラー油をかけ、パクチーや砕いたピーナッツを散らせば完成です。ラー油、パクチー、ピーナッツなどのトッピングはお好みで。麻辣をきかせたいなら、唐辛子や花椒もたっぷりかけましょう。

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ざっくりと混ぜて食べます。日本の冷麺や冷やし中華のようにツルっといけるわけではありません。少々ごわつきます。けど、それが凉面。

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私は辛いのが大好きなので、追いラー油。麻辣と謳ってますから、やっぱり花椒と唐辛子がきいてなきゃね。

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ラー油は自分で作ると辛くておいしいですよ。基本的には唐辛子・花椒の粉末に熱した油を注ぐだけ。簡単。

現地感MAXのシンプル凉面

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中国の屋台でそのまま出てきそうな凉面を作ってみます。最低限の材料は醤油・砂糖のみ。ただ、これだと中国感が薄いので、できれば五香粉、中国黒酢(鎮江香醋)も加えてください。また、もう少しうまみを増やしたいなら、鶏ガラスープの素を入れてもいいでしょう。

こうしてできたタレを麺に絡めるだけ。

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あとは好きな具材を乗せれば完成。写真は鸡丝、ネギ(香菜がなかったので)、にんにく、しょうが、ピーナッツ、蝦醤、ラー油。蝦醤は干し桜エビを油で揚げて醤油で軽く風味をつけたものです。

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ざっくり混ぜ合わせてかきこめば、気分は中国。

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こちらは麻辣牛肉凉面。卵黄を落としてもおいしいですよ。

濃厚な拌面にしてみよう!

拌面とは

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拌は中国語で混ぜ合わせるという意味。拌面(パンミェン)は中国のまぜそばです。

凉面と拌面は視点や発祥に差があるようですが、基本的に違いはないと考えていいでしょう。油そばとまぜそばに厳格な違いがあるわけではないというのと似ています。ただ、凉面は具やタレを麺に乗せた状態で供され、拌面は麺・具・タレが混ざった状態で供されることが多いようです。

さて、前出の麻辣鸡丝凉面は比較的さっぱりです。もっとパンチのきいた凉面がよければ、次の麻辣鸡丝凉面を試してみてください。最初からすべてを混ぜ合わせているので、麻辣鸡丝拌面とでも言うべきなのかもしれませんが、まあ凉面でも拌面でもいいでしょう。

作り方はフードメディア・Tastyのプロデューサー・Alvin Zhou(アルビン・ゾウ)のレシピを参考にしています。日本でも調理しやすいよう私がアレンジを加えました。

余談ですが、このサムネイルに映っている日本人・Rieがやばいです。もし料理がお好きなら、ぜひTasty等のRieを見てみてください。日本人の話す英語なので聞き取りやすいはず。面白いですよ。というか、すごい。

麻辣鸡丝拌面の作り方

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甜麺醤、豆板醤、五香粉、酢、ピーナッツバター、すりおろしたにんにく・しょうが、鶏ガラスープの素を混ぜ合わせ、水で適度にのばし、タレを作ります。

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鶏ガラスープの素はお好みで。また、ピーナッツバターではなくごまペーストやピーナッツペーストでも構いません。その際は砂糖で甘みを増やしてください。

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鶏胸肉を裂いたもの、ネギ、麺、タレを混ぜ合わせます。今回の麺はきしめん。刀削麺に見立てています。濃厚なタレなので、しっかりとした麺が合うと思います。

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器に盛り、ラー油、砕いたピーナッツ、揚げ干し海老、パクチーなどを散りばめて完成です。

それはそれは濃厚。たっぷりかけた自家製ラー油のおかげで激辛。パンチがあってうまい!

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麺を茹でる、タレを合わせる、盛る、ただそれだけ。簡単です。そしてシンプル。なのにこれが妙にうまい。

ぜひ一度お試しください。

参考サイト