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半田手延めん オカベの麺はムチっとした弾力があって、舌触りが気持ちいい。アレンジのし甲斐がありそうな麺です。

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株式会社オカベの半田手延めん オカベの麺。

「インスタの広告で見かけて、送料無料だから買ってみた」という子から、1セットもらいました。お返しに真逆の三輪の神糸をあげましたw

この商品は公式サイト上だと(90g×2束)×5セットで1,512円。送料は660円なので計2,172円。一般的なそうめんの量・300gに換算すると724円(送料を入れなければ504円)。

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オカベはネット広告(リスティング)に出稿しています。ウェブサイトやSNSを見ていますと、オカベの麺の広告バナーをよく見かけます。

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広告ページ経由だと(90g×3束)×5セットで2,295円(送料込)。一般的なそうめんの量・300gに換算すると510円。

揖保乃糸(300g)は約300円なので、いずれにせよ少しお高めです。

半田の手延べそうめん

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株式会社オカベは徳島県美馬郡つるぎ町(旧半田町)の北西端に位置します。同町は一大手延べそうめん産地。半田の手延べそうめんは太いことでもよく知られています。

ちなみに「半田そうめん」はオカベも所属している半田手延べそうめん協同組合の登録商標(地域団体商標)です。

オカベの麺は何?

では、半田手延めん オカベの麺は何でしょう? うどん? ひやむぎ? そうめん?

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パッケージのどこにも「そうめん」「ひやむぎ」といったワードは掲げられていません。そして公式サイトのトップにはこんな風に書かれています。

うどんと言うにはやや細い、そうめんと言うにはやや太い

感覚としてはその通りなのですが、実際に直径を計ってみたところ1.5mmくらいでした。ということは、ひとつの製品として見た場合、法令(食品表示基準)に照らせば、手延べそうめん(or手延べひやむぎ)と言えます(商品としてそう言うかどうかはメーカーの自由)。

ですから、そうめんマニアの書く当記事においては半田手延めん オカベの麺を手延べそうめんと捉えます。この件に関しては後ほど改めて詳しく書きます。

太いオカベの麺

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手触りのいい和紙のような包み紙。

鍋、煮めん、パスタ、冷し素麺などおたのしみください。

文字数に制限がありますから、ちょっと窮屈な説明になってますw 太めのそうめんは調理例をいろいろ書きたくなりますからねぇ。気持ちはわかります。

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開封すると小麦の甘い香りがします。

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麺は太めですが、半田手延べそうめんと考えれば普通です。

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茹で時間は5~6分とあります。5分茹でて、流水でしっかり締めました。

オカベの麺は舌触りが気持ちいい

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ハリ・ツヤのある茹で上がり。美しいというよりもかわいいと言いたくなるような表情をしています。

口に入れて一番強く印象に残るのは舌触り。トゥルンとした太めの麺が数本、舌に触ると、とても気持ちいい。

コシと言うよりも弾力と言ったほうがいいでしょうか。ムチっとした跳ね返りを歯に感じます。細い手延べそうめんのプチプチっとしたコシではなく、どちらかと言うと、うどんのコシに近いです。

茹で時間4分くらいから、茹で具合を確認すればよかったかな。これはこれでおいしいのですが、もう少し茹で時間を短くして、コシというか芯というかを残しておいた方が私の好みだったかもしれません。

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小麦の風味も豊か。たっぷり麺つゆに浸しても、麺のおいしさは損なわれません。ゴマダレや麻辣中華風のタレでも合うでしょうし、カレーそうめんにしてもいいでしょうね。

画像は1束分90gです。普通のそうめんだと2束弱に相当します。これだけだとお腹的には少し物足りない。天ぷらや肉などの具材と一緒に食べたいところです。

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2束目は温麺にしてみました。やっぱり触感がいい。唇、口内、舌、喉を麺が気持ちよく刺激します。

茹で時間は3分だとまだ少し足りませんでした。3分半~4分で十分。

太めの"そうめん"はアレンジのし甲斐がある

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「手延べそうめんとは謳ってない」

それは重々わかった上で、いつものように手延べそうめんとして星をつけるなら星4。星5にしなかったのは私の単なる好みです。細くてブッチブチの強いそうめんが好きなので、こうなりました。

けど、麺としてはとてもおいしいです。ちょっと太めのそうめんや冷や麦が好き。強いコシよりもムチっ、モチっとした弾力が好き。いろいろアレンジしたい。そんな方には断然おすすめできます。

手延べそうめんの規格

オカベの公式サイトにはこう書かれています。

半田そうめんの多くは直径1.3mm~1.6mmが多いのでJAS規格では「ひやむぎ」に分類されます。しかし、江戸時代中期から続く伝統と技術により「そうめん」と表記できることになっているのです。

この「半田そうめん」という名称を使用できるのは、その名の通りつるぎ町(旧半田町)内で製造、生産している事業所に限られています。

出典/オカベの麺とは

ここには事実誤認があります。

現在のJAS(手延べ干しめんの日本農林規格)では麺の太さは規定されていません。乾めんの太さを規定しているのは食品表示基準です(※1)。これによると手延べ干しめんは、

長径が一・七ミリメートル未満に成形したものにあっては「手延べひやむぎ」又は「手延べそうめん」と(中略)表示することができる。

1.7mm未満であれば「手延べそうめん」でいいのです。戦略的に「手延べそうめん」と謳わないオカベはさて置き(後述)、半田の手延べそうめん生産者は自信を持って堂々と「これは手延べそうめんだ」と言ってくださいw

また、「半田そうめん」は半田手延べそうめん協同組合の登録商標(地域団体商標)です。上述は少し不正確で、つるぎ町内の事業者であっても、同組合に所属していないと基本的には「半田そうめん」という商品を販売することはできないはずです(※2)。

以上から、前出の文言を正しくするのならこうです。

半田そうめんの多くは直径1.3mm~1.6mmと太めであることが特徴です。このことから「半田そうめんはそうめんではなくひやむぎだろう」と言われることもあります。ですが、法令(食品表示基準)によれば、1.7mm未満の手延べ干しめんは手延べそうめんと謳うことができます。ですから、半田そうめん/半田手延べそうめんはれっきとした手延べそうめんです。

なお、「半田そうめん」は弊社も所属する半田手延べそうめん協同組合(つるぎ町/旧半田町)の登録商標(地域団体商標)です。同組合に所属した事業者が製造・生産するそうめんしか半田そうめんと名乗れません。

※1 昔は「直径1.3mm未満は手延べそうめん、1.3mm~1.7mm未満は手延べひやむぎ」とされていました(現在の手延べ以外の乾めんと同じ)。ですが、20年以上前に「1.7mm未満は手延べひやむぎ又は手延べそうめん」と表示できるようになりました(当時は乾めん類品質表示基準)。

※2 たとえば、同組合に属していない阿波半田手のべ株式会社(つるぎ町)は「半田そうめん」という商品を製造・販売していません。すべて「半田手延素麺」という商品名にしています。参照/阿波半田手のべ(八百秀)の半田手延素麺

オカベの麺が手延べそうめんと謳わないわけ

私が見た限り、オカベは「手延べそうめん」というワードのつく商品を販売していません。冒頭の通り直径1.7mm以下ですから、手延べそうめんと謳ってもいいのに、です。

これは他社との差別化からそうしているのでしょう(他にも理由はあるかもしれません)。半田そうめん、半田手延べそうめんという商品名の商品は他社から数多く出ています。自社ブランドを確立し、目立たせたい、そんな意図からあえて「オカベの麺」としているのではないでしょうか。

実際、この麺をくれた子も「うどんでもそうめんでもないんだって!」と、その物珍しさに惹かれて買っていました。オカベの目論見通り。オカベお見事w

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似たことは小野製麺にも言えます。小野製麺も「半田そうめん」ではなく「半田めん」という商品を販売しています。土井善晴さんの父・土井勝さんがそう名付けたわけですが、これをいまだに踏襲しているというのは、他社との差別化を図ってのことでしょう。

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ちなみに、裏面の「名称」欄には「手延べ干しめん」と書かれています。もちろんこれは正しいです。手延べ干しめんは太さに応じて、手延べうどん、手延べひやむぎ、手延べそうめんなどと表示することが「できる」から。手延べ干しめんと表示するか、手延べそうめん(or手延べひやむぎ)と表示するかは製造者・販売者の自由です。

こう見てきますと、当記事でオカベの麺を手延べそうめんと言ってしまうのは、"営業妨害"にもなりかねないですねw(冗談ですよ) すみません、オカベさん。

DATA
名称半田手延めん オカベの麺
原材料名小麦粉(国内製造)、食塩、食用植物油
製造者株式会社オカベ
評価★★★★☆