2023年、最初のそうめんは吾輩ハ麺デアル。。製造者は愛媛たいき農業協同組合 五十崎製麺工場(以下、JA愛媛たいき)。
※商品名に句点(。)がついています。以外省略
初めて目にしたのは確か5年ほど前。2018年のことだったと思います。大黒屋 武蔵小山店(閉店)で見かけました。
JA愛媛たいきのそうめんは業務スーパーのプライベートブランドそうめんとして採用されていたり、100均のダイソーで販売されていました(伝統麺処 そうめん)。
そして先日、この吾輩ハ麺デアルをサミットストアで見かけました。これはふたつの意味で面白い。まず、そうめんのオフシーズンに、それまでなかったようなそうめんが売られ始めるというのが面白い(学芸大学駅近隣スーパーのそうめんの品揃えはほぼすべて把握してます)。もうひとつ、サミットストアは夏であってもそうめんの品揃えが貧弱。なのに、真冬にこんなそうめんを販売しているというのが面白い。
160円/300gは機械麺そうめんとしては並の値段です。ちなみに、私がこれまで食べてきた約200種のそうめんの中で、もっとも安かったのはJA愛媛たいきが製造している業務スーパー(神戸物産)のプライベートブランドそうめんでした(300g換算で47円!)。
気になっていたそうめんだったので、機械麺そうめんではありますが、買ってみました。
吾輩ハ麺デアル。
殊ノ外、旨イ。
もちろん夏目漱石の『吾輩は猫である』の出だしをもじったものです。夏目漱石は愛媛県尋常中学校(松山東高校の前身)で教鞭をとっていて、その体験を元に『坊ちゃん』を執筆しました。愛媛県とゆかりがあるということで、夏目漱石の作品名にかけた商品名にしたのでしょう。
まあ「吾輩ハ麺デアル」はいいとして、「殊ノ外、旨イ」の一文はあまりセンスがいいとは思えませんがw
JA愛媛たいきのそうめんの特徴がこちら。
- 多加水練り上げ
- 長時間熟成綾織り
これにより食感がよくなり、コシが強くなるそう。
もうひとつ、その下に記載されている「ご注意」が興味深い。ダイソーで販売されていた伝統麺処 そうめんにも同じ記載があるのですが、
●少ないお湯の中へ大量の麺を入れないでください。
●よく沸騰していないお湯の中に麺を入れないでください。
とあります。
普通、茹で方は「~してください」と説明するのですが、「~しないでください」と禁止の形で説明しています。より一層、注意が喚起されるという意味で、よく考えられた書き方だと思いました。
束紙には黄金色で商品名。
特に機械麺そうめんでたまに見かけるこのギザギザ。麺を切断する際にできるものだそう。茹でればギザギザはなくなりますし、味・品質上は何の問題もありません。むしろ、これを見つけるのが楽しいくらい。
麺の太さは普通です。真っ白ではなく、わずかに茶色味がかっています。また、長さが揃っていないのも印象的。小麦の豊かな香りがします。
とても折れやすいのが気になります。手延べそうめんはほとんど折れませんが、機械麺はすぐ折れる。にしても、これは折れすぎ。粉も落ちすぎ。折れやすいそうめんはおいしくないことが多いので、不安に苛まれます。
表示通り、2分茹でて冷水でしっかりと締めました。
まずはそのままひと口。
お?
コシと呼べるほど強いものではありませんが、それなりに弾力があります。少々の重たさはありますが、よく言えば食べ応えがある。少なくとも粗悪な機械麺にありがちな不快感はありません。小麦の風味もしっかりありますし、プリンとした舌触りもいい。機械麺としては上出来でしょう。
半分に折り、約5分煮て、にゅうめんにもしてみました。こちらもなかなかよいです。まあ、どんなにまずいそうめんでも煮てしまえば、だいたいおいしくいただけるのですが。
「おいしいそうめんが食べたい」ということであれば、あと150円プラスして揖保乃糸のような手延べそうめんを買ってください。「おいしさはそこまで求めない、とにかく安く」ということなら、ありだと思います。
これまで食べたJA愛媛たいきのそうめん2種はどちらも悪くはなかったのですが、星2でした。今回の吾輩ハ麺デアルはそのどちらよりもおいしかった。今年初ということなので、少し甘めに星3をつけましょう。
冬の水道水は冷たい。ギンギンに冷えた水で締めたのもよかったのかもなぁ。
名称 | そうめん 吾輩ハ麺デアル。 |
原材料名 | 小麦粉(国内製造)、食塩 |
製造者 | 愛媛たいき農協 五十崎製麺工場 |
評価 | ★★★☆☆ |