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Bar Detsh/バー デッシュ(学芸大学)はツイン・ピークスが流れるノーチャージの落ち着いたバーでっしゅ

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学芸大学駅から徒歩30秒。東口商店街沿い、7Daysの上にBar Detsh(バー デッシュ)というバーがあります。2022年12月22日にオープンしました。

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細くて急な階段を上った先、右手がバー デッシュ。

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ジャズが響くシックな店内にはカウンター席のほかテーブル席も。

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お酒は満遍なくひと通り揃っています。生ビールは700円、ウーロンハイ、サワーなどは700円、グラスワインは800円~、ウィスキーは800円~、カクテルは1000円~。ノーチャージです。

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1杯目は定点観測のジントニック(1000円)。大きなグラスで作られるジントニックが好き。

店主はまーぼーさんこと杉山蔵彦(すぎやままさひこ)さん。Thunderbolt(中目黒)で10年間働いてきました。

「よくここを押さえられましたね」

「一般には公開されてない物件で、競合も2、3しかいなかったみたいです。『こんなところが出てるなら、絶対押さえてたのに』とよく言われます(笑)」

ここはもともとクリーニング店の白羊舎でした(店舗が1階で2階はバックヤード的な)。確かにこの物件情報が公に出ていたら、申込者が殺到していたでしょうね。

「Detshってどういう意味なんですか?」

「特に意味はなくて、デッシュという店名にしたくて調べてみたら、オランダの人名でよくあるみたいです」

ん? 容赦なく二の矢を放ちます。

「なぜデッシュにしたかったんですか?」

まーぼーさんは恥ずかしそうに語り始めました。

「21歳の頃、友達の母親が喫茶店をやっていて、そこを借りてバーをやったんです。その頃に友達と『バーでっしゅ(です)、っていいね』『カフェでっしゅ、イタリアンでっしゅ、なんでもいけるし、でっしゅグループ作ろう!』と盛り上がって……」

「ははは。"ノリ"でね。あるある。けど、まさか本当にデッシュというバーを開くことになるとはね。友達も喜んでるでしょう」

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二杯目はシングルモルト・クライヌリッシュ(1300円)。

「三重県の出身で28で上京してきました」

三重県出身の学大飲食店主は僕が知る限りこんといてくらいかな。

「三重のどちらで?」

「昔は郡で、今は合併されて津市になったんですが、津の山間の何もないようなところです」

「大矢知は……四日市か。伊賀のほうとか?」

「伊賀より南です。三重に行かれたことがあるんですか?」

「いや、そうめんが好きで。大矢知と伊賀に手延べそうめんがあって、その先の奈良県桜井市は三輪素麺だし」

「そうめんですか。もちろんおいしいですけど、そうめん好きって珍しいですねw」

なんだかとても話しやすくて心地いい。

落ち着いた雰囲気のBar Detsh(バー デッシュ)のメイン画像

「学大は優しい街ですね。先日、開店前に立呑み 鉄砲玉へ行ったら、店主さんに『名刺を配ったら?』って言ってもらえて、そこにいたお客さんたちに名刺をお渡しすることができたんです。その後、店を開けに戻ったら、みんな来てくださって。本当はいろいろなお店にご挨拶にうかがいたいんですけど……」

「定休日は?」

「日曜日です」

「バーは日曜日休みが多いかもねぇ」

「18時オープンなので、なかなか時間が取れなくて(※)」

「早いですね」

「食事へ行く待ち合わせの時間まで、ここでちょっと時間を潰してもらったり、そんな風に使ってもらえればいいなぁと。コーヒー一杯だけでも……」

「気持ちはわかるけど、それは難しそうかなぁ」

「と、よく言われますw」

「みんな最初は早い時間からやり始めて、すぐに遅くなるんだよねw」

「8時、9時と遅くなっていきがちですよねw まあでも、とりあえずしばらくはこのままやってみようと思ってます」

その役割を担う店がすでにもうたくさんあるから、2階のバーだと難しいとは思います。けど、何事もやってみないことにはね。

※2023年6月1日より20時オープンとなりました

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「『ツイン・ピークス』ってご存じですか?」

「ええ。観たことはないですが」

「店の内装も『ツイン・ピークス』をテーマにしてて、実はあの壁にも(プロジェクターで)『ツイン・ピークス』を流してるんです。このミルクガラスのマグカップ(※ギターの下にちょっと写ってる4つ並んだグリーンのマグカップ)はFire-Kingといって、主人公たちがドーナッツをほおばりながら、これでコーヒーを飲んでるんです。その感じがとても好きで」

「下馬にThe Hangedman's Bar 十二という焼酎メインのバーがあって、そこの店主がデヴィッド・リンチ(『ツイン・ピークス』の監督)マニアだから、機会があれば行ってみるといいんじゃないかな」

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The Hangedman's Bar 十二のデザインはデヴィッド・リンチの『RABBITS』。印象的なエメラルドグリーンの壁にはデヴィッド・リンチの版画が掛けられています。

あちらは奇妙な空間なのですが、こちらは落ち着いた雰囲気。同じデヴィッド・リンチでもまるで……いや。

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窓から街を見下ろすと駅前の喧騒。ここだけが静か。切り取られた異世界から現実の世界を覗き見ているようで、不思議っちゃあ不思議な気分になるか。

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穏やかで柔らかい店主。ゆっくりと時が流れる店内。おいしいお酒。ノーチャージ。

ふむ。この落ち着きは早晩なくなり、賑やかなバーになっていくんだろうな。そう予感させる素敵なバーでした。

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