学芸大学駅から徒歩3分。東口商店街沿いのセブンイレブンの隣のビルの2階にFin.(フィン)というバーがあります。2019年11月中旬にオープンしました。
こんな階段を上って、
こちらの黒い扉。奥はBAR PRETTY。ちなみに階段をそのまま3階へ上るとBAR sideway。
カウンター12席ほど。赤と緑のシックな店内。なんだろう。学大に流れている水とは少し違う感じがします。もちろんいい意味で。面白いな。
店長は三添杏奈(みそえあんな)ちゃん。下北沢のcafe&bar VIZZ(リニューアルして現在は居酒屋VIZZ)、BAR FORCEで働いていました。VIZZは祐天寺に姉妹店(2号店)があります。
Fin.のオーナーさんはもともとVIZZのお客さんでした。VIZZのオーナーさんと二人で何かしようという話になり、共同経営でFin.をオープンさせたそう。ですから、VIZZとFin.は"系列店"といった感じです。
※ちょっと不正確かも
※追記:2021年11月27日をもって杏奈ちゃんはFin.を卒業しました。なお、2020年12月に清家杏奈と名前が変わりました。追記以上
基本的には杏奈ちゃんが立っていて、曜日や時間によってはもう一人、女の子が入ります。5人の女の子で回すと言ってました(2019年12月時点)。
「まだ奥の棚もできていませんし、お酒も揃ってなくて……」
「けど、料金とか22:00以降チャージ300円とかは、こんな感じでいくんですよね?」
「そうなると思います。今後はコンロを置いて、(チャージ分の)何かちょっとしたものを作ってお出ししようかと。手作り感を出したくて」
「18:00~3:00ですか。18:00じゃ入らないでしょう?w」
「いらっしゃいませんねw さすがに18:00は早いので、19:00くらいになるかもしれません」
学芸大学にオープンするバーをいろいろ見てきました。当初は早い時間からやっていても、だいたいが徐々に遅くなって、20:00オープンくらいに落ち着きつきますw
「これ、友達(sali ainai)が描いてくれたんです」
「うまいなぁ。Fin.はどういう意味なんですか? finishとか?」
「フィナーレとか……。特に深い意味はないんです。勢いでつけましたw」
高畑充希、歌手のchara……違うかぁ。誰かに似てるなぁ。かわいいんですが、不思議な雰囲気のある子。帰って調べてみたところ、サロンモデルもやっているそうなので、それが関係しているのかも。パッと見の印象ではふんわりしているように見えますが、どちらかというとピシッと芯のある感じ。
「それにしてもなぜ学大に?」
「最初は下北沢で探してたんですが、家賃が高すぎて、たまたまここを見つけて決めたみたいです。オーナーがこのあたりに住んでるというのもあるんですが」
「オーナーさんは他に飲食店をやられてたりは?」
「以前は友達と一緒にやってたこともあったみたいなんですけど、今はやってません。(Fin.ができる)前のお店には来られました?」
「ええ」
「随分きれいになったと言われますw」
「ははは」
前店は深夜食堂きんちゃん。学大の名物店でした。学大の飲んだくれたちがこよなく愛した店。その跡に入るってのは栄誉なことだw
「ずっと下北沢で、学芸大学には来たこともなかったんです。何もわからなくて……。リ・カーリカと浮雲は行ったんですが、どこかお勧めはありますか?」
「いいとこに行ってますね。何系が?」
「和食で」
「18:00のオープン前に行くとするなら、早い時間からやってる鳩乃湯とか……」
鳩乃湯をググった杏奈ちゃんがハッとなり、スマホ画面をこちらに見せました。
「もしかしてブログを書いてる方ですか?」
「ははは。そうですね」
「いろいろ読ませてもらってます!」
「ありがとうございますw」
グラスを持ち上げると、珪藻土のコースターが水の跡をスッと消し去ります。
「学芸大学は東横線で一番、飲食店が多い街なんですよね?」
「駅から半径何メートルという範囲ではそう言われてますね。何メートルだったかな。ロータリーがなくてギュッと密集してるからそうなるというのもあるんだけど」
「学芸大学ってお店が閉まるの早くないですか?」
「確かに商店街沿いの路面店は早めだけど、ちょっと入ったビルの中とかだと、遅くまでやってる店もいっぱいありますよ」
「挨拶がてら、いろいろ回ってみたいんですよねぇ」
「だったらプレミアワンがいいんじゃないかなぁ。朝までやってるから、ここ終わりでも行けるし、遅い時間だと飲食店関係者も多いし」
私は学芸大学という街が好きです。だから、この街を知ろうとしている人、好きになろうとしている人も好き。応援したくなる。
下北沢で一緒によく遊んでいたという方が来ました。かけつけテキーラで乾杯をしています。下北沢の店はそれはそれは賑やかで、なにかとテキーラだったのだとか。
知った顔を前に、杏奈ちゃんの泳ぎが軽やかになりました。知らない街、愛嬌のない一見に少々の緊張があったんだろうな。下北沢と学芸大学の違いに面喰らうこともあるかもしれないけど、これなら大丈夫。学大の夜を泳ぐそのフィンキックは華やか。おそらくすぐに学大住人たちを魅了することでしょう。
ノーチャージの早い時間に様子を見に行くもよし。遅い時間に一日のフィナーレを迎えに行くもよし。女性でも行きやすい雰囲気だと思います。ちょっと学芸大学にはなかったタイプの楽しいバー・Fin.。一度、寄ってみてはいかがでしょうか。
下北沢と学芸大学
2018年度の東急東横線 学芸大学駅の一日の乗降者数は78,251人。下北沢駅は小田急線:118,869人、京王井の頭線:114,175人、単純に合計すると233,044人。乗降者数だけを見れば学芸大学と下北沢は3倍違います。これは街の規模の差とも言えるでしょう。
学芸大学も随分と変わりました。他の街から来る人が多くなり、若い人が増えました。とはいえ、下北沢に比べると学芸大学のほうが地元率が高く、年齢層も高め。あくまでも食べ・飲み歩き視点の筆者体感ですが。
杏奈ちゃんたちは下北沢でやっていた方々。Fin.は移転でも2号店でもありませんが、下北沢からやって来たと言えなくはありません。とすると、下北沢から学芸大学という流れはとても珍しいです。私が知る限り、下北沢方面からやって来たのはうたげカフェだけ(代沢の店から"独立")。
うたげカフェがそうであるように、ここFin.も人と人とが交じり合い、誰かと誰かがつながるような場になるんじゃないかなぁ。杏奈ちゃんの人柄を見ていると、なんとなくそんな気がします。
さてさて。
下北沢からFin.にやって来る人も多いと思います。下北沢→(井の頭線)→渋谷→(東横線)→学芸大学と電車を乗り継いで来るのが一般的ですが、バスでも来れなくはありません。
小田急バスなら北沢タウンホールもしくは下北沢駅前のバス停から下61に乗って、終点・駒沢陸橋へ。駒沢陸橋から学芸大学駅は徒歩10分強。上馬で東急バス(反11)に乗り継げば、学芸大学駅前まで来れます。
東急バスなら新代田駅前もしくは代田四丁目から森91に乗って、柿の木坂二丁目で下車。そこから学芸大学駅は徒歩10分強。若林交番で反11に乗り継げば学芸大学駅前まで来れます。
また、小田急バスで三軒茶屋まで来て、三軒茶屋駅で東急バス(黒06)に乗り継ぎ、下馬五丁目から徒歩約10分という手もあります。
渋谷駅での乗り換えの面倒くささ+自宅などの出発地から下北沢駅までの徒歩の時間を考えると、場合によってはバスで来た方が早くて楽かもしれませんね。
SHOP DATA
- Fin.(フィン)
- 東京都目黒区鷹番2-8-21 プロヴァンスG・U審美館2F
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