オリーブが練り込まれた島の光
小豆島手延素麺協同組合の手延オリーブ素麺。小豆島でもっとも有名なブランド・島の光のバリエーションです。
オオゼキ 碑文谷店で購入しました。386円/250gと高額です(一般的なそうめんの量・300gに換算すると463円)。
良質の小麦粉に風味豊かなオリーブの果実を練り込み、表面に純粋のオリーブ油を塗りました。
一大そうめん産地である小豆島はごま油、オリーブも名産。この手延オリーブ素麺にはそのすべてが使われています。
色つきそうめんの意味
最初に色つきそうめんについて。
ピンクや緑のそうめんがありますよね。あの色は基本的には着色料です。そしてピンクは梅、緑はしそが練り込まれていることもあるのですが、基本的にはそれらの味はしません。がっつり香料を使ったそうめんであれば、ほのかにその風味が感じられるかもしれませんが。
製造者としては変わり種を作って消費者にアピールしたり、地元の名産品を使って地域の活性化を図ったりといった狙いがあるのでしょう。ただ、消費者側からすると、色つきのそうめんは単に色がついているというだけ。彩りがきれいだねーというだけのものです。基本的には。
結論から言いますと、この手延オリーブ素麺も同様です。オリーブの風味を感じることはありません。普通の島の光と手延オリーブ素麺を並べて、しっかり比べたら、もしかしたら少し違いを感じることができるかもしれませんが、その程度です。
別にそれが悪いと言っているわけではありません。先述の製造者としての"狙い"、特に後者の地域をPRしたいという気持ちはとてもいいことだと思います。
ただ、これを読んでいる方には過剰な期待をしないで頂きたく、冒頭でこのようなことを書いてみました。
その上でもうひとつ結論を言いますと、オリーブの風味はしませんが、そうめんとしてはめちゃくちゃおいしいです。スタンダードの島の光よりおいしいと思いました。
それでは実際に食べていきましょう。
小気味のいい歯切れはスタンダード島の光を越えている!
開封。オリーブの香りはしません。確かに普通のそうめんにはないような、甘くて香ばしい香りがかすかにしますが、これがオリーブ由来なのかどうかはわかりません。
素麺の表面に粒々が入っていることがありますが、これはオリーブの果実ですので品質には問題ありません
これですな。
表示通り2分茹でました。
写真ではわかりづらいかもしれませんが、茹で上がりは緑というよりも黄緑に近い発色です。深い緑ではなく鮮やかな緑。とてもきれい。
ひと口目で驚きました。いや、これ、島の光じゃないじゃん。島の光より断然コシが強い。プツプツっと小気味のいい歯切れ。一本一本が立っていて、エッジを感じるほどです。口内が楽しい。
風味は穏やかではありますが、コシが強いせいか、どんどん食べ進めたくなります。3束がきつくなってきた年齢なのですが、あっという間に3束を平らげてしまいました。
おいしいけど勧めづらい手延オリーブ素麺
スタンダードな島の光は優しくて安定感のあるおいしさです。一方、この手延オリーブ素麺は力強い。私の好きなタイプです。
この差はなんだ? 生産者(※)の差? あるいはオリーブが何かしらの影響を与えてる? どうなんでしょう。不思議だ。面白い。
ただ……。
300g換算で463円。さすがに高い。
- どうしても彩りとして緑のそうめんが必要。しかも、できればおいしくない機械麺ではなく、おいしい手延べそうめんがいい
- たまには変わったそうめんを食べてみたい
という方にはお勧めしますが、普通においしいそうめんが食べたいということであれば、レギュラーの島の光や揖保乃糸あたりで十分かと。色鮮やかというだけで、オリーブの味がするわけでもありませんしね。
とはいえ、おいしかったことは確かです。値段の高さを割り引いても★5としましょう。いやーおいしかった。いい歯切れだったなぁ。
※製造者は小豆島手延素麺協同組合と表示されていますが、実際には同組合に約80の生産者が属していて、それぞれがそうめんを作り、同組合がこれを取りまとめています。しっかりとしたレギュレーションがあるので、基本的には品質に違いは出ないのですが、生産者による差がまったくないとも限りません。
なお、このような素麺組合は日本全国に多数存在しています。一番有名なのが揖保乃糸の兵庫県手延素麺協同組合でしょう。
名称 | 手延オリーブ素麺 |
原材料名 | 小麦粉(国内製造)、食塩、オリーブ油、オリーブ果実/着色料(クチナシ色素) |
製造者 | 小豆島手延素麺協同組合 |
評価 | ★★★★★ |