学芸大学駅から徒歩1分。東口の恭文堂書店を曲がった先に居酒屋 ホドケバというお店があります。いきなり!ステーキの上。2021年3月22日にオープンしました。
運営は(株)アオギリコーポレーション(代表:澤出晃良さん)。2012年3月、大衆酒場 アオギリ(現呑家)(学芸大学)、2018年5月、大衆酒場 はんろく(都立大学)がオープン。ホドケバは3店舗目、学芸大学2号店。
余談ですが、学大酒場エビス参、あそなる~、BAR PRETTY、Time Lag、ZETAB、そしてアオギリは学大(現呑家)に(いや日本にw)とかく多い1973年生まれ・丑年、私と同い年の店主/店長の店。
カウンターが8席ほど。4人掛けテーブルが7つほど。アオギリ、はんろくと同じく、さっぱりとした内装。
ドリンクの先頭はワイン。日本酒は置いていません。乙類焼酎は芋焼酎・蔵の師魂のフルーティーなシリーズのみ。
ボトルワインはセラーから選びます。抜栓料2800円w
ほぼすべてのメニューがカタカナ。
以前は「洋風居酒屋」と呼んでいたようなラインアップです。けど、ここ数年でこうした呼称はあまり使われなくなりました。居酒屋が和である必要はないし、和か洋かを区別する意味もなし。
もちろんそれぞれ違いますが、学大ネイティブな店だと、大衆酒場レインカラー、浮雲に似た雰囲気を感じます。
自家製コーラサワーとお通し(200円)のしじみ汁。
酒を迎える体にしてくれる芳醇なしじみ汁。しじみ以外にカツオのようなものも感じるのは気のせいか。
ハーブやスパイスがからみ合った、薬膳ぽくも感じる甘めの自家製コーラ。こういう味、大好き。
料理はかなり迷いそうだったので、澤出さんに選んでもらいました。
蒲鉾のラビゴットソース。ラビゴットソースは野菜のみじん切りをビネガーやオリーブオイルで和えたソース。爽やかではあるのですが、しっかりとしたコクも。妙にうまいオリーブオイルが全体をまろやかにまとめています。塩味は控えめなんですが、物足りなさは感じません。
牛肉のタルタル。これもだ。パンチを効かせたくなるところですが、しっとりとした牛肉のうまみを活かして、味付けは必要最低限。かといって、薄いわけじゃない。絶妙。揚げたれんこんの香ばしさもいいアクセント。
こっち系の経験をしっかり積んでる料理人がいるんだろうな。上手。いつかマネしてみよう。マネしたいと思わせてくれる料理はいい料理。マネてみて、料理人のすごさを、そして自身の才能のなさを思い知らされるわけですが。
「今日はあちこち行くんですか?」(澤出さん)
ホドケバがオープンした週は計4店の居酒屋がオープンします。
「いやぁ。けど、出店ラッシュですからねぇ」
「あそこにオープンする〇〇。この前、社長さんと知り合ったんですけど、すごいですよねぇ」(澤出さん)
「ねー」
あれは確か2017年ごろ。ぼっかけやで飲んでいたら、ほろ酔いの澤出さんがやって来て、熱く語り出しました。店舗を増やしていきたい、学大にもう一店舗出したい、飲食をビジネスとしてしっかり成り立たせたい、と。
「お客さんよりスタッフのほうが大事なんです。スタッフのためにもいい店を作って成功させたいんです。〇〇の〇〇さんとか、〇〇さんみたいに」
当たり前ですが、客のことをないがしろにしているわけではありません。客を迎えるにあたっては、まずは店が、スタッフがちゃんとしてなきゃいけないということでしょう。そして、目標とする店・人を置いて刺激を受けているというのも印象的でした。
こういう気持ちは見習いたい。
ホドケバのロゴデザインをしたスドウ図画工作/スドウPユウジさんは、もともとこういう作風ではあるのですが、なるほど、人と人の関係もほどけば一本の糸になる。糸でつながる人と人の縁。ホドケバという店名にはそんな気持ちが込められてるのかな?
オープン日ということもあって、バタバタでしたし、2品しか頼みませんでしたが、チラッと隣の料理を見たり、あるいはインスタグラムを見てみました。どの料理にも華があります。出てきた瞬間、パッと笑顔になれるような料理。もちろん食べてみても笑顔になるのですが。
ホドケバの華のあるおいしい料理で心をほどいて、仲間との楽しいひと時をお過ごしください。