目次
- 住宅街にたたずむ1977年創業の製麺所
- コシが強く風味が豊かな中華めん(太め)
- 細中華めんをシンプルに
- 頼めば出してくれるかも?極太麺
- モデルの亜希さんも絶賛する餃子の皮をスーパーで購入
- 工場直売の餃子の皮はレベルが違う
- 汁なし担々麺の作り方
住宅街にたたずむ1977年創業の製麺所

西小山駅から徒歩10分、武蔵小山駅から徒歩12分。住宅街のど真ん中に関屋城南食品という製麺所があります。
詳しい場所は記事末のGoogleマップでご確認頂くとして、とりあえずここでは立会道路沿いのセブンイレブン 西小山桜並木通り店を左折した先、サミットストア 荏原4丁目店の近くとだけ言っておきましょう。
この通りは何度か通ったことがあります。なんなら、すぐそこ、徒歩30秒で着く大衆居酒屋ふじにも行ってますが、ここに製麺所があるということにはまったく気づきませんでした。なぜ関屋城南食品の存在を知ったかと言うと、このブログを読んで下さっている方がメールで教えてくれたから。情報ありがとうございました。
さて、関屋城南食品に限らず製麺所の多くは基本的には卸。ただ、店頭で小売りをしている製麺所もあります。学芸大学の坂本製麺もそう、ここ関屋城南食品もそう。


営業日は月火木金。うどん、中華そば、餃子の皮があります。私が買いに行った時はちょうど常連らしき方も買いに来ていました。いいタイミング。そのままお母さんに話しかけます。
「こんにちは。中華そばを頂きたいのですが」
「細中華めんが安くてお得ですよ」
「他にどんな麺がありますか? できれば太めの麺がいいんですけど……」
「あら。この方も太いのがいいってw」
去り際の男性が笑顔でペコリ。
「そうなんですかw」
「太いのだと、ウチでは……ちょっと待ってね」
袋詰めされた麺を持って来てくれました。
「これくらいなんですが」
「あ、いいですねー。じゃあ、これお願いします」

麺を受け取り、500円玉を渡すと、150円のお釣りを持ってきて下さいました。
「茹で時間はどれくらいですかねぇ」
「細いのだと2分半だから……」
「3分くらいですかね?」
「そうですね」
「すぐに頂こうとは思ってるんですが、保存するとなると、どれくらい持ちますか?」
「冷蔵庫なら1週間くらいは。冷凍しておけばもっと長く持ちますよ」
「なるほど。こちらはどれくらいになるんですか?」
「40……年」
「ということは1980年くらいですか。すご」
帰って調べてみたところ、1977年2月26日創業でした。
「こちらを始める前も同じような?」
「私たちの代から始めたんですが、主人がもともと中華系の仕事をしてまして、自分で始めるには何がいいだろうって考えた結果、こういう商売を」
「そうですか。昔はこういう個人経営の製麺所も多かったでしょうね」
「どこも後継者がねぇ。ウチは息子が継いでくれるからいいんですけど」
「それは本当によかったですね。餃子の皮もおいしいって話を聞いたので、今度、餃子作る時にまた来ますね」
「ありがとうございました」
はぁ。なんてかわいいんだ。とてもよくお話しになるチャーミングでキュートなお母さん。一発で恋に落ちました。
コシが強く風味が豊かな中華めん(太め)

こちらが中華めん(太め)、5玉350円。ずっしり重いです。計ってみたら1玉150gでした。

開封して香りをかぎます。柔らかくて甘い香り。
今回は汁なし担々麺を作ろうとしています。作り方はまた後ほど。

麺をひとすすり。
ふわっ。すごっ。まじかっ。
3分茹でたのですが、茹でている時にもうわかっていました。実際に食べてみて、その予想が的中。コシがすごい。ムチムチのブリッブリ。小麦の風味もしっかりします。とても力強い麺です。

しっかり混ぜて食べ進めます。濃厚な肉味噌やタレにも麺が負けてません。否、これらと見事に調和しています。箸が止まりません。

蛇足ながら、少し残ったタレには追いメシ。最高。
いや、この麺は相当ですよ。衝撃的においしい。

次は広東麺(五目あんかけラーメン)。茹で時間、2分半。とろみのある濃厚なスープがブリンブリンな麺にまとわりつきます。暴力的なまでにうまい。
変な言い方ですが、ラーメン屋のラーメンになりました。自作ラーメンはどうしても自作感が出てしまいがちなのですが、この麺だと完全に店の味になるのです。まあ、プロ・ラーメン屋も関屋城南食品の麺を使ってるわけですから、そうなるのも不思議ではないのですが。
広東麺にしてみて、ひとつ気づいたことがあります。市販品の生麺ってツンとしてたりしません? 酸っぱいとまでは言いませんが、妙な酸味を感じることがしばしばです。けど、関屋城南食品の麺はそれがまったくありませんでした。
はぁ。なんておいしいんだ。コシが強くて風味が豊かな関屋城南食品の中華そば。一発で恋に落ちました。
細中華めんをシンプルに

それから約1週間後、また麺が必要になったので関屋城南食品を再訪。

先日頂いた中華めんがとてもおいしかったと伝えたかったのですが、この日はみなさん大忙しのご様子。細中華めんを購入するだけで、話は何もしませんでした。ま、いつかまたね。

5玉200円の細中華めん。太めと同じく、1玉は約150gでした。

前日、丸鶏の薬膳スープを作ったので、その残りをラーメンスープにアレンジ。

薬膳スープの鶏そば。麺はツルツル、シコシコ。細いのですが、弱さはありません。風味もしっかり。やっぱおいしいなぁ。

鶏ガラと岩塩だけで作った超シンプルスープで鶏そば。具ももやしだけ。鶏のうまみ、脂の甘み、岩塩の塩味・甘み、麺の風味。シンプルだから、それぞれがはっきりとわかります。うまい……。
頼めば出してくれるかも?極太麺

あー、また食べたくなった。ということで再訪。その日は2020年11月3日。祝日でしたが、やっていました。
「麺を頂きたいんですが、太い麺をお願いします」
「どれくらいの太さでしょう」
「じゃあ、一番太いものを」
そうお願いしたら、先日の太めよりも太い麺を出してくれました。
「かなり太いですよ」
「いいですねー。それをお願いします」
後日、再び買いに行ってわかったのですが、この極太麺を買いたい時は「400円の太麺をお願いします」と頼んでみて下さい。そうすると一発でわかってもらえるはずです。

太麺5玉400円。つけ麺やまぜそばのお店で使われているくらいの太さです。太いですが、堅めがすきなので、茹で時間は3分にセット。

角煮醤油ラーメン。麺はむっちり。これまで食べた中で一番、風味が強いです。濃厚な角煮、醤油スープにもまったく負けません。うますぎる……。

ある種の中毒性を持った麺です。ふと食べたくなります。そしてまた。自転車でわざわざ。けど、そうするだけの価値があります。

自家製チャーシューで具だくさんのまぜそば。

自家製激辛ラー油で麻辣白ごま担々麺。はぁ。うまっ。
モデルの亜希さんも絶賛する餃子の皮をスーパーで購入
関屋城南食品のことを調べていると、餃子の皮もやばいと評判でした。そこで餃子も作ってみることに。
※料理研究家の樋口正樹さんも愛用しています。また、モデルの亜希さんも「この餃子の皮が最強すぎて、タフすぎて、美味しすぎて…もう市販の餃子は食べられない。笑」と絶賛してます

関屋城南食品でも購入できますが、スーパーのオオゼキにもあります。緑は直径10cmで18枚入り、赤は直径9cmで22枚入り。一般的に普通サイズ(中判)と言われる餃子の皮は8cm~9cm、大判と言われるのは10cm~だと思います。
関屋城南食品で売られていた餃子の皮は「厚皮 約26枚 180円」。スーパーで販売されているものとは違うのですが、これはまた後ほど。
スーパーで買う人の方が多いでしょうし、まずはオオゼキで赤2個を買ってみました。

いつも餃子は連れに作ってもらうので、写真を撮るのをすっかり忘れてたw 写真は完成品のみ。
打ち粉で自然と羽ができていました。いつもの皮よりモッチリな気がします。底はパリッ。麺と同様、餃子の皮も存在感がすごい。風味豊かで食べ応えのある皮でした。
工場直売の餃子の皮はレベルが違う

こちらは関屋城南食品で直接購入した餃子の皮。約26枚で180円。「あえてそうしてるんですが、スーパーに卸しているものと厚さが2倍くらい違います」と工場の方。

確かに、見ただけで厚いことがわかります。直径は約8cmでした。



はい、できあがり。

ひと口で衝撃。なんじゃこれ!? ムッチムチ。皮が主役、それくらい主張します。皮がしっかりしているので、餃子の名店で出てくる餃子のよう。厚いからでしょうか、手作りの皮っぽくもあります。うんまっ。

翌日は同じものを四川風水餃子に。ムッチムチだった皮はモッチモチ、ツルンツルンになりました。これもやばい。
スーパーで売られていた関屋城南食品の餃子の皮も十分おいしいです。けど、家の餃子が最高においしくなるというレベル。一方、工場直売の皮は家庭レベルの餃子を店レベルにまで押し上げます。
家庭ならでは感を残しつつ、最高においしい餃子を作りたいならスーパーの皮。名店の餃子に仕上げたいなら工場直売の皮。そんな使い分けがいいかもしれませんね。まあ、工場で買うのはタイミング的に難いという現実的な問題もあるのですがw


余った餃子の皮はピザ風にしてみたり。厚いので普通の皮よりもピザ感が出ました。いいつまみw

西小山、武蔵小山に住んでいる方はもちろん、学芸大学に住んでいる方もぜひぜひ一度、関屋城南食品で麺・餃子の皮を買ってみて下さい。ほんとびっくりしますよ。そのおいしさに。
私は今後、麺料理を作る際は必ず関屋城南食品で麺を購入します。餃子の皮も関屋城南食品のものを買います。もう後戻りできません。
病みつきの履歴










ほんと、病みつきになります。
店名 | 関屋城南食品 |
住所 | 東京都品川区荏原5-11-18 |
電話番号 | 03-3785-4730 |
メモ | 店頭販売は月火木金。私が行った日は「17時ごろまでやってる」とおっしゃってましたが、日によって異なるかもしれません。 【検索用】関谷城南食品(正しくは関屋です) |
汁なし担々麺の作り方
汁なし担々麺の材料

肉味噌
- にんにく
- しょうが
- ひき肉
- 甜麺醤
- 豆板醤
- 醤油
- 砂糖
タレ
- 鶏ガラスープ
- 唐辛子
- 醤油
- 砂糖
- ごまペースト
- ラー油
- ごま油
トッピング・その他
- 長ネギ
- 卵黄
- 煎りごま
- 花椒
- 麺
私は麻婆豆腐作りが趣味なので、大きな甜麺醤を常備しています。普通の家庭ではここまで大きな物はいらないかもしれませんが、スーパーで売っている小瓶の豆板醤、甜麺醤はさすがにコスパが悪いので、少し大きめの物を買っておくことをお勧めします。500gくらい? 何気に使い道が多いですし、日持ちもしますしね。
汁なし担々麺の作り方

長ネギの白い部分のみじん切り、しょうが、にんにくを炒める(焦げやすいにんにくは後から)。全体がほんのりキツネ色になるまで。

ひき肉を加え、ひき肉から出る水分が飛んで、ジューという炒める音がパチパチパチと変わるまで炒める。

甜麺醤、豆板醤、唐辛子、醤油、砂糖を加えて炒めたら肉味噌の完成。炸醤(ザージャン)みたいなものですな。濃いめの味にして下さい。お好みで五香粉もどうぞ。五香粉を入れると一気に中華感が強まります。

タレは上記材料を混ぜ合わせるだけ。こちらも濃いめに。麺と合わせると、濃いくらいでちょうどよくなります。

茹でた麺をタレに和え、長ネギの青い部分、煎りごま、花椒(たっぷり)をトッピングして、卵黄を乗せれば汁なし担々麺の完成。
なお、上の写真は別日に作った汁なし担々麺(卵黄なし)。麺はスーパーでよく売っている山岸一雄監修 つけ麺専用中華麺 4玉入(東洋水産)。市販品の生麺は断トツでこれがおいしいです。つけ麺に限らず、どんなラーメンであっても市販品ならこれを使っています。
ただ、この麺も本当においしいのですが、関屋城南食品の麺を知ってしまった以上、もう戻れないw