目次
- 住宅街にたたずむ1977年創業の製麺所
- コシが強く風味が豊かな中華めん(太め)
- 細中華めんをシンプルに
- 頼めば出してくれるかも?極太麺
- "マニアック"な黒麺
- 限定麺(二郎系G麺・つけ麺)
- 生きしめん・細うどんもモッチリ
- 刀削麺
- モデルの亜希さんも絶賛する餃子の皮をスーパーで購入
- 工場直売の餃子の皮はレベルが違う
- 病みつきの履歴
- 業者さん(ラーメン屋・中華料理屋など)へ
- 西小山駅・武蔵小山駅からの行き方
住宅街にたたずむ1977年創業の製麺所
西小山駅から徒歩10分、武蔵小山駅から徒歩12分。住宅街のど真ん中に関屋城南食品という製麺所があります。
詳しい場所は記事末のGoogleマップでご確認頂くとして、とりあえずここでは立会道路沿いのセブンイレブン 西小山桜並木通り店を左折した先、サミットストア 荏原4丁目店の近くとだけ言っておきましょう。
関屋城南食品に限らず製麺所の多くは基本的には卸。ただ、店頭で小売りをしている製麺所もあります。学芸大学の坂本製麺もそう、ここ関屋城南食品もそう。
※2022年4月、店頭のテントが新調されました。おしゃれ。右下のマークは麺、餃子の皮、シュウマイの皮がモチーフかな?
営業日は月火木金。うどん(基本的に生きしめん、まれに細うどん)、中華そば、餃子の皮があります(2021年7月下旬から黒麺も登場)。
普通は扉越しに「すみません」と声をかけるか軽くノックをするのですが、私が買いに行った時はちょうど常連らしき方も買いに来ていました。いいタイミング。そのままお母さんに話しかけます。
「こんにちは。中華そばを頂きたいのですが」
「細中華めんが安くてお得ですよ」
「他にどんな麺がありますか? できれば太めの麺がいいんですけど……」
「あら。この方も太いのがいいってw」
去り際の男性が笑顔でペコリ。
「そうなんですかw」
「太いのだと、ウチでは……ちょっと待ってね」
袋詰めされた麺を持って来てくれました。
「これくらいなんですが」
「あ、いいですねー。じゃあ、これお願いします」
麺を受け取り、500円玉を渡すと、150円のお釣りを持ってきて下さいました。
「茹で時間はどれくらいですかねぇ」
「細いのだと2分半だから……」
「3分くらいですかね?」
「そうですね」
「すぐに頂こうとは思ってるんですが、保存するとなると、どれくらい持ちますか?」
「冷蔵庫なら1週間くらいは。冷凍しておけばもっと長く持ちますよ」
「なるほど。こちらはどれくらいになるんですか?」
「40……年」
「ということは1980年くらいですか。すご」
帰って調べてみたところ、1977年2月26日創業でした。
「こちらを始める前も同じような?」
「私たちの代から始めたんですが、主人がもともと中華系の仕事をしてまして、自分で始めるには何がいいだろうって考えた結果、こういう商売を」
「そうですか。昔はこういう個人経営の製麺所も多かったでしょうね」
「どこも後継者がねぇ。ウチは息子が継いでくれるからいいんですけど」
「それは本当によかったですね。餃子の皮もおいしいって話を聞いたので、今度、餃子作る時にまた来ますね」
「ありがとうございました」
はぁ。なんてかわいいんだ。とてもよくお話しになるチャーミングでキュートなお母さん。一発で恋に落ちました。
コシが強く風味が豊かな中華めん(太め)
こちらが中華めん(太め)、5玉350円。ずっしり重いです。計ってみたら1玉150gでした。
開封して香りをかぎます。柔らかくて甘い香り。
汁なし担々麺を作り、まずは麺をひとすすり。
ふわっ。すごっ。まじかっ。
3分茹でたのですが、茹でている時にもうわかっていました。実際に食べてみて、その予想が的中。コシがすごい。ムチムチのブリッブリ。小麦の風味もしっかりします。とても力強い麺です。
しっかり混ぜて食べ進めます。濃厚な肉味噌やタレにも麺が負けてません。否、これらと見事に調和しています。箸が止まりません。
蛇足ながら、少し残ったタレには追いメシ。最高。
いや、この麺は相当ですよ。衝撃的においしい。
次は広東麺(五目あんかけラーメン)。茹で時間、2分半。とろみのある濃厚なスープがブリンブリンな麺にまとわりつきます。暴力的なまでにうまい。
変な言い方ですが、ラーメン屋のラーメンになりました。自作ラーメンはどうしても自作感が出てしまいがちなのですが、この麺だと完全に店の味になるのです。まあ、プロ・ラーメン屋も関屋城南食品の麺を使ってるわけですから、そうなるのも不思議ではないのですが。
広東麺にしてみて、ひとつ気づいたことがあります。市販品の生麺ってツンとしてたりしません? 酸っぱいとまでは言いませんが、妙な酸味を感じることがしばしばです。けど、関屋城南食品の麺はそれがまったくありませんでした。
はぁ。なんておいしいんだ。コシが強くて風味が豊かな関屋城南食品の中華そば。一発で恋に落ちました。
細中華めんをシンプルに
それから約1週間後、また麺が必要になったので関屋城南食品を再訪。
先日頂いた中華めんがとてもおいしかったと伝えたかったのですが、この日はみなさん大忙しのご様子。細中華めんを購入するだけで、話は何もしませんでした。ま、いつかまたね。
5玉200円の細中華めん。太めと同じく、1玉は約150gでした。
前日、丸鶏の薬膳スープを作ったので、その残りをラーメンスープにアレンジ。
薬膳スープの鶏そば。麺はツルツル、シコシコ。細いのですが、弱さはありません。風味もしっかり。やっぱおいしいなぁ。
鶏ガラと岩塩だけで作った超シンプルスープで鶏そば。具ももやしだけ。鶏のうまみ、脂の甘み、岩塩の塩味・甘み、麺の風味。シンプルだから、それぞれがはっきりとわかります。うまい……。
頼めば出してくれるかも?極太麺
あー、また食べたくなった。ということで再訪。その日は2020年11月3日。祝日でしたが、やっていました。
「麺を頂きたいんですが、太い麺をお願いします」
「どれくらいの太さでしょう」
「じゃあ、一番太いものを」
そうお願いしたら、先日の太めよりも太い麺を出してくれました。
「かなり太いですよ」
「いいですねー。それをお願いします」
後日、再び買いに行ってわかったのですが、この極太麺を買いたい時は「450円の太麺をお願いします」と頼んでみて下さい。そうすると一発でわかってもらえるはずです。
太麺5玉450円。つけ麺やまぜそばのお店で使われているくらいの太さです。太いですが、堅めがすきなので、茹で時間は3分にセット。
角煮醤油ラーメン。麺はむっちり。これまで食べた中で一番、風味が強いです。濃厚な角煮、醤油スープにもまったく負けません。うますぎる……。
ある種の中毒性を持った麺です。ふと食べたくなります。そしてまた。自転車でわざわざ。けど、そうするだけの価値があります。
自家製チャーシューで具だくさんのまぜそば。
自家製激辛ラー油で麻辣白ごま担々麺。はぁ。うまっ。
"マニアック"な黒麺
2021年7月下旬頃から小売りしはじめた黒麺。5玉500円。写真ではわかりづらいですが、本当に黒いです。そして太い。ノーマルの極太麺(450円)くらい。
つけダレは鶏皮で鶏白湯を作り、かつお・昆布だしと混ぜ、自家製チャーシューの煮ダレを合わせます。
鶏白湯魚介スープつけ麺。ガッツリ濃厚なスープに負けない、ブリブリな黒麺。うますぎます。
茹で時間は5分半と7分(推奨)で試しました。5分半だとコシは強いのですが、生っぽい小麦の味が少し気になったので、6分~7分がおすすめです。
関屋城南食品は「つけ麺や合え麺でどうぞ」と言ってますが、もちろん普通のラーメンにしてもおいしかったです。
限定麺
日によっては特別な限定麺が売られていることもあります。
二郎系G麺
これは2022年10月、「G麺(二郎系)」と張り出されていました。普通に中華麺を買いに来たのですが、こんなものを見せられた日にゃ買うしかありません。しかも200円。
なるほど確かに太いです。そして重い。
20年以上前に2度ほど二郎を食べたことがあるだけの人間がネットの情報(主にYoutube)を元に家庭料理の範囲内で作ってみたなんとなく二郎っぽいラーメン。
暴力的なまでに濃いスープがこの麺と合わさるとさっぱりに感じられるほど。それくらいG麺は強烈です。ムッチムチで小麦感も強い。
麻辣担々麺にしてもおいしかったです。
焼きそばにするのも最高。こちらは立呑み 鉄砲玉@学芸大学インスパイアの麻辣ソース焼きそば。
つけ麺
2024年8月、「つけ麺」との張り紙。
麻辣担々つけ麺。ブリンブリンな太麺は濃厚なスープがよく合います。
つけ麺用の麺をあえて醤油ラーメンに。とはいえ、醤油をがっつり効かせたタイプのスープにしました。家系や二郎系ではないラーメンでこのような組み合わせは店ではあまり見かけません。家ラーメンならではの妙味。
生きしめん・細うどんもモッチリ
今回はうどんを買いに来ました。うどんは生きしめんと生細うどん。生きしめんはほぼ必ずあります。細うどんはレア。いずれも100円っすよ、100円。
ずっしりと重い生きしめん。計ったところ、1玉約160gでした。
さっぱり系にしようと思っていたのですが、うどんがしっかりしているので、がっつりな肉うどんにしてみました。
モッチモチのうどん。しっかりとコシがありますし、小麦の風味も豊か。数日後、味噌煮込みうどんにもしてみたのですが、煮込んでもうどんは崩れません。
別日に作ったカレーうどん。濃いスープにもピッタリ。
生きしめんを刀削麺に見立てた麻辣凉面。凶悪なうまさ。
細うどんは麻辣凉面や羊担々麺に。細いのですがモッチリとした弾力がすごい。関屋城南食品はうどんもやばかった。
刀削麺
ある日、中華麺を買いに行ったら、こんな張り紙がありました。
「刀削麺なんてあるんですね」
「最近始めたんですが、とても人気です。辛みそスープに合うので、こちらもよく出てます」
いつでもあるというわけではなく、たまにあるかも?くらいだと思います。スープは自作したいので、刀削麺だけ購入しました。
もちろん本当に包丁で削いでいるわけではないでしょう。あくまでも刀削麺風ということだと思います。
麻辣担々麺風にしてみました。
極太でむっちむち。吸い込むとブルンと音がします。スープがよく絡み、風味豊かな麺と濃厚なスープがマッチ。いいねぇ。
ただ、単に太いというだけではありません。よれたり、ねじれたりしています。このあたりが刀削麺ぽさを醸し出しているのかもしれません。
ちなみに刀削麺ですから、いわゆる日本の中華麺ではなく、どちらかというとうどんに近い食感・味わいです。
翌日は麻辣凉面に。刀削麺でこれを作ってみたかった。果てしなくうまい。
モデルの亜希さんも絶賛する餃子の皮をスーパーで購入
関屋城南食品のことを調べていると、餃子の皮もやばいと評判でした。そこで餃子も作ってみることに。
※料理研究家の樋口正樹さんも愛用しています。また、モデルの亜希さんも「この餃子の皮が最強すぎて、タフすぎて、美味しすぎて…もう市販の餃子は食べられない。笑」と絶賛してます
関屋城南食品の餃子の皮は4種類あります。
- 赤(直径9cm、22枚)
- 緑(直径10cm、18枚)
- 黄(厚皮、18枚)
- 工場直売バージョン(厚皮、約26枚)
※一般的に普通サイズ(中判)と言われる餃子の皮は8cm~9cm、大判と言われるのは10cm~
市販品の赤、緑、黄はスーパーオオゼキにあります。黄は店舗によってあったりなかったり(詳細後述)。
関屋城南食品で売られている工場直売バージョンは「厚皮 約26枚 180円」。スーパーで販売されている黄(厚皮)とは違います。厚さは同じですが、柔らかさが異なります(工場の方談)。
黄(厚皮)は2020年からスーパーオオゼキの5店舗で販売されていました。2021年3月~4月、ピックアップ商品として全店舗で販売されるようになったのですが、期間が過ぎた後にどうなるかは各店舗の判断になるそう。
さて、餃子の皮はスーパーで買う人の方が多いでしょうし、まずはオオゼキで赤2個を買ってみました。
いつも餃子は連れに作ってもらうので、写真を撮るのをすっかり忘れてたw 写真は完成品のみ。
打ち粉で自然と羽ができていました。いつもの皮よりモチッ。底はパリッ。作った連れ曰く、「皮がしっかりしているので包みやすくて、破れない」とのこと。
緑は赤よりも少し大きい。厚さや味は赤とほぼ同じです。
黄色の厚皮も試してみました。
赤・緑よりもモッチリ。存在感がすごい。
いずれも風味豊かで食べ応えのある皮でした。
工場直売の餃子の皮はレベルが違う
こちらは関屋城南食品で直接購入した工場直売バージョンの餃子の皮。約26枚で180円。
「あえてそうしてるんですが、スーパーに卸しているもの(※緑・赤)と厚さが2倍くらい違います。黄色の厚皮とは厚さは同じなんですけど、柔らかさが違います。こちら(工場)のほうが柔らかいと言いますか……」
と工場の方。
市販品は流通過程や商品管理・陳列の際に型崩れしづらいように堅めにしているのかも? あるいは消費期限を長くするために、何かを加える必要があり、その影響で堅くなっていたり? もちろん「堅い」というのは相対的な話です。
確かに、見ただけで緑や赤よりも厚いことがわかります。直径は約8cmでした。
はい、できあがり。
ひと口で衝撃。なんじゃこれ!? ムッチムチ。皮が主役、それくらい主張します。皮がしっかりしているので、餃子の名店で出てくる餃子のよう。厚いからでしょうか、手作りの皮っぽくもあります。うんまっ。
翌日は同じものを四川風水餃子に。ムッチムチだった皮はモッチモチ、ツルンツルンになりました。これもやばい。
スーパーで売られていた関屋城南食品の餃子の皮も十分おいしいです。けど、家の餃子が最高においしくなるというレベル。一方、工場直売の皮は家庭レベルの餃子を店レベルにまで押し上げます。
家庭ならでは感を残しつつ、最高においしい餃子を作りたいならスーパーの皮。名店の餃子に仕上げたいなら工場直売の皮。そんな使い分けがいいかもしれませんね。まあ、工場で買うのはタイミング的に難いという現実的な問題もあるのですが。
余った餃子の皮はピザ風にしてみたり。厚いので普通の皮よりもピザ感が出ました。いいつまみ。
なお、工場ではシュウマイの皮も買えます。約80枚で200円。
7.5×7.5cm。一般的には7~9cmほどなので、サイズは普通です。厚さも普通。
しっかりとしていて破れにくく包みやすい(と実際に作っている連れ談)。餃子の皮のような力強い風味はありませんが、こちらもとてもおいしかったです。
2日目は焼きシュウマイにしてみたり。
工場直売ですから袋はありません。ショッピングバッグなどを持って行くようにしてください。麺もそうですが餃子の皮は特に柔らかく型崩れしやすいので、こうしてタッパーなどに入れて持って帰るのがお勧めです。
西小山、武蔵小山に住んでいる方はもちろん、学芸大学に住んでいる方もぜひぜひ一度、関屋城南食品で麺・餃子の皮を買ってみて下さい。ほんとびっくりしますよ。そのおいしさに。
私は今後、麺料理を作る際は必ず関屋城南食品で麺を購入します。餃子の皮も関屋城南食品のものを買います。もう後戻りできません。
病みつきの履歴
餃子
うどん系(きしめん・細うどん・刀削麺など)
中華麺
ほんと、病みつきになります。
業者さん(ラーメン屋・中華料理屋など)へ
こちらは小売りされていない、ラーメン屋(?)が特注した全粒粉入りの中華麺(細目)です。関屋城南食品によく行っているので、サービスで頂きました。
全体的にほんのり茶色味がかっていて、ところどころに粒が見えます。
炙りチャーシューの中華そばにしました。黄色味がかったいわゆる中華麺とはまったく異なる、そこかはとない奥深さを感じさせる麺でした。
かように、業者であれば好みの麺を作ってもらうこともできます。
「麺をちょっと見直したい」
そんな際、関屋城南食品に相談してみてはいかがでしょうか。
俺は関屋城南食品の回し者かよw
界隈で関屋城南食品の製品を使っている店
- 上海菜館(学芸大学/餃子の皮)
- 学芸大学メランコリー(学芸大学/中華麺)
- 立呑み中華 起率礼(自由が丘/刀削麺)
西小山駅・武蔵小山駅からの行き方
時折、「場所がわからなかった」という声を耳にします。確かに関屋城南食品は住宅街のど真ん中にあるのですが、実はめちゃくちゃわかりやすいです。
西小山駅からの行き方
立会道路(緑道)を南下。セブンイレブン 西小山桜並木通り店がある交差点を左折し真っすぐ行けば関屋城南食品に着きます。途中は少し坂になっています。
武蔵小山駅からの行き方
補助26号線(都道420号)を南下。栄通りに入ります。
この街灯が目印です。あとは道なりに行くだけ。途中、ちょっとカーブがあったりもしますが、とにかく本線を真っすぐです。
ピンクで囲った部分が関屋城南食品です。この角で左を見れば、すぐそこが関屋城南食品。
人によっては「サミットストア 荏原4丁目店と同じ道沿い」と言った方がわかりやすいかも? いずれにせよ大きな通りから一本曲がるだけですから簡単簡単。
SHOP DATA
- 関屋城南食品
- 東京都品川区荏原5-11-18 澤木ハイツ
- 03-3785-4730
- 公式
- 月火木金の8:00~16:00
祝日も営業(基本的には)
【検索用】関谷城南食品(正しくは関屋)