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香湯ラーメン ひろやのラーメンは丸くて穏やかで深い。喜楽、かおたん、ちょろり、ひろやと受け継がれた味で回復できました。

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学芸大学駅から徒歩15分強。目黒通り沿い、ステーキのリベラ 目黒店の先に香湯ラーメン ひろや(しゃんたんらーめん ひろや)というラーメン屋があります。2021年4月7日にオープンしました。もともと香湯ラーメン ちょろり 目黒店だった場所です。

香湯ラーメン ひろやの店主は香湯ラーメン ちょろりのオーナー・森山金夫さんと同郷(岩手県)。そのよしみで1年ほど恵比寿のちょろりで修業した後、ちょろり 目黒店を引き継がせてもらったそう。

「引き継ぐ」「受け継ぐ」という言葉が曖昧なので、経営も完全に分かれているのかどうか、何らかの関係性は保持しているのかなどはよくわかりません。家賃(+α)を物件借主たる森山氏に払っているみたいな感じ? 普通の店長扱い? どうでしょう。

参考/ラーメンデータベース:2021年4月9日の大崎裕史の今日の一杯「香湯拉麺 ひろや」

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カウンター8席ほど。壁際にも2席ほど。

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厨房内の配置がちょろりから変わっていました。また、スープの汲み方も異なります。ちょろりの大将はスープの寸胴を脇に置いて、注文ごとにスープを雪平に移して温めていましたが、香湯拉麺 ひろやは寸胴をコンロに置いて、そこから直にスープを汲んでいます。

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麺は変わらず丸山製麺(大田区上池台)。

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ご年配のお客さんが多いというのが印象的。何人かはすでに常連になっているようでした。直接話はしませんでしたが、会話を聞いていると、気さくで親しみやすそうな方。ちょろりの大将もスラっとしてたけど、香湯拉麺 ひろやの店主も大きいなぁ。岩手県の人間はみんな背が高いのか?w

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ラーメン(700円)。見た目だけで癒される。

恵比寿ちょろり(2005年撮影)

以後、ちょろりとの比較が出てきますが、私が最後に食べた約3年前のちょろりとの比較です。ちなみにちょろり自体は約20年前から食べてます。

まず量。わずかに少なくなっているような気も。帰って写真を見比べてみたのですが、若干少ないようにも見えなくはありません。誤差かもしれませんし、実際にどうかはわかりません。

チャーシュー、もやし、メンマ、きぬさやは同じ布陣。ちょろりの最大の特徴でもある焦がしネギも同じ。パッと見はちょろりとの差はまったくありません。

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香湯拉麺 ひろやのスープは"丸い"。醤油の角は一切なくて、甘い、しょっぱいといった尖りもまったくない。いろいろなものが含まれているはずのスープが、まーるくひとつにまとまっていて、焦がしネギが謙虚な香ばしさを与えています。

ちょろりと比べると塩味が抑え気味? 油も少な目? ですから、一層まろやかになったような気がします。とはいえ、物足りないということはありません。穏やかではありますが深い。

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麺は明らかに違います。ちょろりは白っぽい柔らかめのストレート麺でした。一方、香湯拉麺 ひろやの麺はいわゆる中華麺。少し黄色くて、わずかに縮れていてプリンとしてます。

この麺が面白い。スープを吸って、麺自体にもスープの味が乗り移っているような感じがするのです。もちろん伸びてはいません。それなりのコシを残しつつ、スープを吸収。麺とスープが文字通り一体となっています。

大枠はちょろりですが、細かなところで異なる顔を見せる香湯拉麺 ひろやのラーメン。うん、やっぱうまい。

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ともすると味のインフレーションを起こしていがちな昨今のラーメンですが、こういう"昔ながら"を漂わせるラーメンに出会うとホッとします。と同時に、過剰な刺激に慣れてしまった口が浄化されていくようにも感じます。

モンスターだらけのエリアを瀕死の状態でさまよい、あと一回、モンスターに出会ったらパーティーは全滅必至。と思ったその時、ちょうどいいタイミングでセーブポイントが現れ、HP(ヒットポイント)も回復。ふぅ、よかったぁ。

そんな感じ。どんな感じ?w

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喜楽、かおたん、ちょろり、ひろや――流行り・廃りを横目に、70年前(※)から脈々と受け継がれてきた味です。これだけ多くの人に長く愛され続けているのにはワケがある。私だけじゃなく、みんなこの味で回復するんですよ。口が、体が、心が。

※ちょろりの創業者・森山金夫さんは喜楽(渋谷)出身。喜楽は1952年創業。

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