「明太子パスタ(たらこパスタ)が上手に作れない」
先日、あるバーで一緒になった方がそう言ってました。この方以外でも、上手に明太子/たらこパスタを作れない、おいしい明太子/たらこパスタになかなか出会えないという声をよく耳にします。
明太子パスタ/たらこパスタでもっともよく言われる不満はこの2点です。
- ごわごわになる。パサつく
- 明太子・たらこ感がない
なるほどなるほど。わかります。そうなりがちだというのもよくわかる。結論から先に書きますと、これを解消するのは3つのポイントです。
- オイル
- 水分
- 温度
これから具体的に作っていきますが、まったく難しくありません。超絶簡単です。材料もシンプルです。気をつけるべきポイントとともに紹介していきます。
材料
- パスタ
- 明太子(たらこ)
- 日本酒
- 顆粒ダシ(昆布、かつおなど)
- オリーブオイルorサラダ油(もしくはバター)
日本酒、顆粒ダシは必須ではありません。ない場合のことも調理工程で説明します。
調理工程
1.パスタを茹でる
パスタは何でもいいのですが、あまり太すぎないパスタが合うと思います。普通よりも少なめの塩をお湯に入れパスタを茹でます。茹で加減はお好きにどうぞ。
2.ソース作り
明太子/たらこをほぐしてパスタに和えるだけではごわつきます。ここが第一のポイント。明太子/たらこのソースの水分量がキモです。
まず、明太子をほぐします。よく袋を取り中身だけを、みたいに言う人もいますが、まあ、細かくすれば袋も一緒でぜんぜんOK。それでも気になるなら袋は取って下さい。私はもったいないので袋も一緒にしちゃいます。
次に、ほぐした明太子/たらこに水分を加えます。普通のパスタの量で明太子/たらこ1本なら、80mlから100mlくらいかな。具体的に水分を何にするかと言うと、本当はなんでもいいです。一度火を通し冷ました生クリームでも、なんなら真水でも。けど、おすすめは煮切ったお酒にダシを加えて、しっかり冷ましたもの。明太子感/たらこ感が損なわれず、うまみも増加します。ダシがなければ、希釈した麺つゆでも大丈夫。
たらこ/明太子によって添加されている塩分、うまみの量が違いますから、味見してもし薄ければ塩や醤油(麺つゆ)を足しましょう。
いずれにせよ、極力、明太子/たらこに熱を加えないようにして下さい。明太子感/たらこ感を最大限に出すためのコツです。
3.パスタをオイルで和える
茹であがったパスタをボールに入れ、まず、オリーブオイル(小さじ2くらい)だけで和えます。オリーブオイルがなければサラダ油でも構いません。コクを出したいならバター(あらかじめ溶かしておく)でもいいでしょう。ここです。ここが重要です。そして、多くのレシピではここがしっかり説明されてない。
なぜこうするか。茹でただけのパスタだと、パスタ同士が絡まります。ソースもうまく馴染みません(ソースの水分量、油分が相当多いなら別)。
そしてもうひとつ。あえてここで時間をかけるんです。そうすると、パスタが少し冷めます。これが重要。アツアツのパスタにいきなり明太子/たらこをからめたら、明太子/たらこにモロに熱が入ってしまいます。そうすると、明太子/たらこの風味が飛び、明太子/たらこ自体もパサつきます。よーく思い返してみてください。お店で食べる明太子/たらこパスタもアツアツじゃないでしょ?
パスタを滑らかにし、ソースと絡まりやすくし、明太子/たらこの風味を飛ばさないために、まずはパスタとオイルだけを和えましょう。
※カップパスタ「スパ王 たらこ」を思い出して下さい。スパ王もシーズニングを入れる前に調味油を和えますよね。それと同じこと
4.パスタとソースを和える
パスタをオイルと和えたら、そのボールに明太子/たらこソースを入れ、しっかりと和えます。ソースに十分な水分があれば楽にスッとパスタにからむはず。あとは皿に盛り、好みで大葉や海苔をトッピングすれば完成です。
できました。滑らかでしっとりしていて、明太子感がたっぷり残った激うまパスタ。
こちらは生クリームを使ったバージョン。
こちらは自分で漬けた明太子の明太子パスタ。
ちゃんと明太子/たらこを味わえるツルツルの明太子パスタ/たらこパスタを食べたい。そういう方はぜひ一度お試しあれ。
応用
上の写真でもそうですが、明太子パスタの場合はオリーブオイルとパスタを和える際に、鷹の爪やニンニクチップを加えるのもあり。ただ、あまりやりすぎはいけません。今回のこのパスタの目的は、明太子を最大限に殺さないということなので。
もし、ひとひねり加えたいということであれば、こういうのはどうでしょう。たらこパスタ/明太子パスタに桃をトッピング。カッペリーニでも冷製パスタでもありません。普通にたらこパスタ/明太子パスタを作り、薄くスライスした桃を乗せるだけ。これが超うまい。たらこの塩味(えんみ)に桃の甘みが加わり、"甘いしょっぱい"で絶妙。さらに桃がコクを出し、味わいに奥行きが出ます。桃でまろやかになるので、パスタソースの塩味は強めがいいかもしれません。
写真写り(見栄え)のことを考え、桃をこうしてカットしていますが、食べやすさを優先するなら、半分くらいは賽の目に刻んだ方がいいとは思いますw