太さが特徴の半田の手延べそうめん

今回は有限会社竹田製粉製麺工場(竹田製麺)の半田手のべ。

そうめんの品ぞろえが素晴らしいオーケー 池尻大橋店にありました。392円/300g。揖保乃糸が300円~350円くらいなので、手延べそうめんとしてはちょっぴり高めですが、都内で半田素麺を買おうとすると、だいたいこれくらいはします。


調理方法の文は「そうめん」。品質表示の名称欄は「手延べ干しめん」。これは何ら矛盾していません。品質表示基準という法令によると、「手延べ干しめん」と表示するか「手延べそうめん/ひやむぎ」等と表記するかは製造者の任意です。

竹田製麺は半田手延べそうめん協同組合に所属しています。ですから、同組合の登録商標である「半田そうめん」という商品名を使うことができます。
ですが、パッケージでは「半田そうめん」という言葉を使っていません。それどころか、商標ではありませんが、「半田素麺」「半田手延べそうめん」など、半田+素麺(手延べそうめん)という単語すら使ってません。
とても興味深いことなので、この件に関しては最後に。

旭印が目立ちます。パッケージには「商標」とありますが、私が調べた限り、竹田製麺による登録商標はひとつもありません。以前は商標登録していたけれど、現在はもう登録が切れているのでしょうね。
「旭」の意味は不明です。よくあるパターンとしては創業者の名前に漢字の「旭」が使われていたとか?

ちなみに、小野製麺の手延半田めんはマル武。同社初代代表・小野武久氏の名前に由来するのでしょう。
両者の束紙が材質もデザインも似てます。同じ業者が作ってたり?w

半田手延べそうめんの特徴はその太さにあります。上は竹田製麺の半田手のべ。下は一般的なそうめん。2.5倍ほど太く見えます。

また、この半田手延めんは、ごま油を使っているのも特徴的です。小豆島の手延べそうめんはごま油を使うのですが、半田の手延べそうめんでは珍しいと思います(普通は食用植物油)。

茹で時間は5分くらいとありますが、3分半ほど経ったところで一本つまんでみたら、もういい感じだったので引き上げ、氷水で締めました。

夏場の水道水はぬるいです。ギンギンに冷えた氷水で締めることをお勧めします。
高密度でコシが強い

ピッカピカな張りのある茹で上り。
陶器のようにツルッツル。食感はブリッブリ。みっちり詰まって高密度。とてつもなくコシが強い。風味もしっかり。
これは1束100gなのですが、普通の細さの手延べそうめん100gよりも食べ応えがあります。あるいは満足感が高いと言いましょうか。

翌日は表示通り5分茹でました。少し優しい弾力になるのかなぁと予想していたのですが、面白いことに、3分半茹でとそこまで大きく変わりません。
ミッチミチに詰まったブリンブリンな麺。

とてもおいしいです。ムッチリとした太めのそうめんが好きな連れは「星5」と言ってました。私は細くてブチブチっとした歯切れのするそうめんが好みなので、心苦しさを覚えつつ、星4とします。
とはいえ、すばらしい手延べそうめんであることは間違いありません。こういうタイプのそうめんが好きな方はぜひ一度試してみてください。
「半田そうめん」をあえて避ける?

小野製麺の手延半田めん。料理研究家の故・土井勝さん(土井善晴さんの父親)が「商品名を『半田めん』にしたほうがいい」とアドバイスして、以来、同社は「そうめん」ではなく「めん」を商品名にしています。

オカベの半田手延めん オカベの麺。商品名の本体部分はオカベの麺。半田ともそうめんとも言いません。

今回の竹田製麺も半田手のべ。「そうめん」とは呼ばない(※)。
3社とも半田手延べそうめん協同組合に所属していますが、登録商標「半田そうめん」を使っていません。正確なことはわかりませんが、おそらくは他社の半田そうめんと差別化を図るため、自社製品のブランド化を狙って、こうしているのでしょう。
そしてもうひとつ。
そうめん=夏というイメージです。けど、半田の手延べそうめんは太くて、アレンジしやすい麺です。通年、食べてほしいという気持ちもあって、あえて「そうめん」という言葉を避けているということもあるかも?
※竹田製麺は手延べそうめんを「半田手のべ」、機械麺を「半田素麺」と呼び分け販売している
名称 | 半田手のべ |
原材料名 | 小麦粉(国内製造)、食塩、純正ごま油 |
製造者 | 有限会社竹田製粉製麺工場 |
評価 | ★★★★☆ |