
2025年最初のそうめんレビューは大平製麺の島原手延べ素麺。

ベルクス 世田谷太子堂店で購入しました。279円/300g。昨今の物価高・小麦価格の高騰などを鑑みますと、手延べそうめんとしては安いほうです。ちなみに揖保乃糸は300円以下ではなかなか買えなくなっています。
大平製麺の歩み
以下は想像も多分に含みます。

大平製麺は1985年(昭和60年)に創業。現在の代表者・大平祐貴さんは3代目で、2017年に工場を継いだそう。
大平製麺はこれまでキロ単位の商品(箱入り)を卸・販売したり、あるいはもしかしたら素麺組合用の手延べそうめんを作っていたりしたのでしょう。しかし、大平祐貴さんが代表になって以降、積極的に商品開発・販路拡大を推し進めていきます。
2020年代に入り(?)、南島原がひまわりで有名ということもあって、ひまわり油を使ったそうめんをグラム単位の少量商品としても販売し始めます。2022年には公式サイトをオープン。2024年、一般市場向けのベーシックな商品、この島原手延べ素麺を販売し始めました。


公式サイトのドメインが「ohira-menko」なので、このロゴは「めんこう」と読むのでしょう。黄色はひまわりをイメージしてるのかな。こういうオシャレなロゴを使い始めたのも公式サイトがオープンした頃から(このブランド名自体は以前からあった模様)。
おそらくはまだ30代くらいの若い方が高齢化著しい業界にある家業を継ぐ――なんとか事業を盛り上げたい、そんな熱い気持ちが伝わってくるようです。手延べそうめん好きとしては嬉しくなります。
独特なコシで力強さを感じさせるそうめん

開封。小麦の甘いような香ばしいような香りが強く漂います。麺線は細目。

茹で時間は約1分半~2分とあります。1分半でお湯から上げ、冷水でしっかり締めました。

これは! ひと口目でビックリしました。
コシの強い普通の手延べそうめんはプチプチっと小気味よく歯切れます。けど、島原手延べ素麺はそうじゃない。噛みしめた感覚をあえて擬音にすると、ムギュ、ギュッ、ギュッ。あえて似た感覚を挙げるなら、新雪を踏みしめたあの感じ。とても気持ちいいのいい歯切れです。
また、のど越しもよくツルリといけるのですが、風味がしっかりしているので、食べ応えを感じさせてくれます。

細さは違いますが、マル勝高田商店の超極細&超高級そうめん・黄金之糸を彷彿とさせます。歯切れの感触が同じ方向性です。このタイプはとても珍しい。

他にあまりない独特なコシはとても楽しく、全体的に力強さを感じさせるそうめんでした。私はここに力強く前へ進もうとする3代目の心意気を感じ、また、厳しいとは言われていますが、手延べそうめん産業の行く末に光明を見たような気がしたのでした。星5。
名称 | 島原手延べ素麺 |
原材料名 | 小麦粉(国内製造)、食塩、食用植物油、でん粉 |
製造者 | 大平製麺 |
評価 | ★★★★★ |