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紅花そうめん(みうら食品)はピンクの麺が入った楽しいそうめん。ムチっとした弾力で機械麺ながらおいしかったです~そうめんの色と香り、蔵王の賑わい

みうら食品の紅花そうめん

株式会社みうら食品の紅花そうめん。

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イオンスタイル碑文谷で東北物産展というフェアーが開催されていて、そこで連れが見つけて買ってきてくれました。

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レシートはないというので、翌日、みずから確認しにいったところ、410円/300gでした。公式サイト上では希望小売価格275円となっています。ということは、小売店での販売価格は通常、200円~250円くらいのはず。

物産展は値段が高くつけられがちではありますが、410円はどうなのよと(※1)。しかも手延べそうめんではなく機械麺で(手延べそうめん・揖保乃糸は300円/300gほど)。

私なら絶対に買いませんが、であるがゆえに、そんなものを買って来てくれたのは逆にありがたいともw

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おっとっと。2022年6月、某スーパーで撮った写真に偶然写っていましたw こちらは246円。ですよねー。これが普通です。

パッケージの気になる文言

登録商標「蔵王」

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「蔵王®」は当社の登録商標です。

ほんまかいな。

第三条 (前略)商標については、次に掲げる商標を除き、商標登録を受けることができる。
(中略)
三 その商品の産地、販売地(中略)を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標

転載元/e-Gov法令検索:商標法

蔵王は地名の類です。これが商標として登録できているというのは、にわかに信じがたい。まあ登録番号まで掲示してますから、ウソではないのでしょうけど……。調べてみました。

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J-PlatPat(特許情報プラットフォーム)より

本当に商標登録されていましたw(※2)

登録日は昭和33年(1958年)7月7日。旧商標法が廃止され現商標法が施行されたのは昭和34年(1959年)。登録日の翌年です。旧商標法を見てみたところ、上記、現商標法 第3条1項3号に該当する規定がありませんでした。

現在は「蔵王」での商標登録は難しいと思います。旧商標法下だったから登録できたのかもしれませんね。

なお、商品名はあくまでも「紅花そうめん」です。この商品と登録商標たる「蔵王」は関係ないので、わざわざここで「「蔵王®」は当社の登録商標です」などと言う意味はありません。単に「蔵王ってウチの商標なんだぜ!」と自慢げに言いたいだけでしょうw いや、いいんですよ。気持ちはわかります。

「蔵王」で商標登録をした背景

それにしても、昭和33年に商標登録するというのは先見の明があると言いますか、そんな時代にそんなことを考えるなんてすごいなぁと思うのですが、実はここにはワケがありまして。

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新日本観光地百選に選定されたことを記念して発行された切手

昭和25年(1950年)、毎日新聞社が主催して新日本観光地百選が選定されました(ハガキによる人気投票)。今どきで言うと「行っておきたい日本の観光地ベスト100」です。ここで1位を獲得したのが蔵王山でした。

選定された名所では記念碑が建立されたり、盛大な祝賀会・記念行事が催されたりしました。蔵王山も1位になってそりゃ大賑わい。

山形県の堀田村は村名を蔵王村に改名しました。同村内の温泉・高湯も蔵王温泉に。奥羽本線金井駅は蔵王駅に改名。宮城県の宮村・円田村は合併を機に蔵王町となります。そしてなんと神社まで。熊野神社(山形県)は蔵王山神社に改称しました。

さて、まったくの偶然なのかなんなのか、新日本観光地百選が選定されたのと同じ昭和25年、山形市宮町に三浦食品工場が設立されます。現在の株式会社みうら食品です。

みうら食品の主力商品は蔵王そば。大注目となった「蔵王」を冠した商品です。「さらに人気にあやかっていきたい」「これでいっちょ儲けるぞ!」そんな機運が社内にあったのでしょう。昭和33年、「蔵王」で商標登録した、というわけです。あくまでも憶測ですが(※3)。

紅花の花弁入り

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ピンクの麺は「紅花の花弁入り」だそう。紅花は最上川流域が一大産地で、山形県の県花にもなっています。

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ただ、このピンクは紅花による色ではありません。色自体はコチニール色素です。紅花そうめんに限らず、緑や黄色、ピンクのそうめんがありますが、これらのほとんどは色素によって色付けられています。

余談ですが、梅や紫蘇を混ぜ込んだ色付きそうめんもよくありますが、梅や紫蘇によって味はほとんど付きません。香料で香りを付けているだけです。

そうめんに色を付ける理由

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ピンクの麺と白い麺がきれいに分かれて束ねられています。数えたところ、ピンクの麺は20本ほどでした。ところどころに濃いピンクの粒が見えるのですが、これが紅花の花弁なんでしょうね。

そもそもはそうめんと冷や麦を見分けるために、冷や麦に色付きの麺を混在させていた、とも言われています(真偽のほどは定かではありません)。ただ、だとしても今となっては色付きのそうめんもありますから、色を付けることに実的な意味合いはないと言っていいでしょう。

では、なぜ色をつける?

他社商品・自社の他商品との差別化を図りたい、自社の地域の名産品をアピールしたい、そんなことから色付き、香り付きのそうめんを製造・販売しているというだけです。見た目が華やぐから、ということもあるかもしれませんね。

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蛇足ですが、「真っ白と紅色の美しいコントラスト」という日本語はどうなんすか?w 「真っ白」はざっくり言うと形容動詞。普通は「真っ白な」「真っ白に」などという形で用います。ですから、

「白と紅色のコントラストで食卓を美しく演出してみてください。」

がいいような(あるいは「紅白のコントラスト」とか)。いや、キリよく文節で改行したいという気持ちはわかるんですけどね。こういう類のそうめんの説明文はどれもこれも、なかなかこう……。

はい、職業病です。どうでもいいですよねw

ムチッとした弾力がとてもいい!

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太さは機械麺そうめんとしては普通。しっかりとした麺です。

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「ゆで時間は約2分~3分」とありますが、2分でちょうどいい頃合いでした。

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ゆでると練り込まれている紅花の花弁がよくわかります。

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ムチッ。おおおお。少し太めにゆで上がった麺には、しっかりとした弾力があります。小麦の風味もちゃんと感じられます。プルンとした吸い口、舌触り、のど越しもいい。

これは予想外。失礼ながら、ここまでおいしいとは思ってませんでした。

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ピンクの麺はお子さんにとっても楽しいでしょうね。

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後日、にゅうめんにしてみましたが、こちらもおいしかったです。ただ、にゅうめんにしてしまえば、どんなそうめんでもそれなりにおいしくいただけます。このそうめんがどうこうという話ではありません。

機械麺だけどよくできている紅花そうめん

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紅花の花弁入り、ピンクの麺というと、変わり種と思われるかもしれません。けど、ひとつの機械麺そうめんとしてよくできてます。おいしいです。さすがに410円を自分で出そうとは思いませんが、200円台前半~半ばだったら、そしてモチッとしたタイプのそうめんがお好きであれば、断然アリです。

一瞬、星4が頭をよぎりましたが、感動とまではいかなかったので星3。

ちなみに当記事執筆時、機械麺そうめんで星4は2種のみです。

前者は山形県、後者は宮城県。今回の紅花そうめんの製造者・みうら食品も山形県。東北においしい機械麺そうめん――なんなんですかね。どうしてだろう。

※1 基本的にメーカーは悪くない。イオンがぼったくりw

※2 【商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務】は米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,甘栗,食用穀粉,食用でん粉,めん類,こうじ種,ベーキングパウダー,イーストパウダー

※3 昭和28年(1953年)、一般財団法人蔵王酪農センターが商品区分:菓子・パンなどで「蔵王」を商標登録しました(出願は昭和25年)。これを見て「ウチも!」と思ったり、あるいは「これはまずい。めん類で「蔵王」を取っておこう」と思った、という可能性もなきにしもあらず

DATA
名称紅花そうめん
原材料名小麦粉(国内製造)、澱粉、食塩、紅花/コチニール色素(一部に小麦を含む)
製造者株式会社みうら食品
評価★★★☆☆