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島原手延素麺(長崎県手延素麺製粉協同組合)は小麦の風味がしっかり。デイリー素麺としては十分なクオリティでした~島原手延べ素麺がプライベートブランドに採用される理由

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長崎県手延素麺製粉協同組合の島原手延素麺。業務スーパー 西小山店で購入しました。同組合は島原地区初の製麺業者組織です(昭和28年創設)。

市販されている素麺の多くは6束300g。8束400gというのは珍しいと言えば珍しい。

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開封し香りをかぐと、小麦の甘くて香ばしい香り。袋から出すと粉が少し落ちました。これはあまりいい兆候ではありません。麺が弱い証拠。

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約1分半~2分とあります。1分20秒ほどで上げました。

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少々重たさを感じさせる茹であがり。まずは何もつけずにそのままひと口。

おっ。茹でる前の麺、茹でている最中の麺からすると、もったりした感じを予想していたのですが、そうではありませんでした。ムチプリッとした弱めのコシですが、歯切れ・舌触り・喉越しはいい。小麦の味もしっかりします。

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今回は前日に作って余っていたネギ塩だれをまぶしてみました。さっぱりと食べやすい。いつも麺つゆだったら飽きるしね。たまにはこういうのもあり。

いいね。悪くない。悪くはないけど、称えるほどのものでもない。ただ、安かったです。いくらだったかな。今度、もう一度確かめますが、300gの揖保の糸より50円ほど安かったような。この値段でこのクオリティなら、デイリー素麺としては十分合格でしょう。

星4では高すぎる。かと言って星3は低すぎるような。うーん、星3にしておこう。

DATA
名称島原手延素麺
原材料名小麦粉(北海道産)(小麦を含む)、食塩、食用植物油、でん粉
製造者長崎県手延素麺製粉協同組合
評価★★★☆☆

島原手延べ素麺の歴史~三輪素麺との関係と産地偽装

島原手延べ素麺のルーツには中国福州伝来説と小豆島伝来説があります。実情はわかりません。

素麺の産地としてはっきりと認識されるようになったのは19世紀。ただ、当時の業者数は数えられる程度でした。素麺産業が盛んになり始めたのは戦後、上述の長崎県手延素麺製粉協同組合が組織された頃からです(1953年)。

高度経済成長期、素麺発祥地でもある奈良県三輪の三輪素麺が贈答品などとしても人気を博します。ただ、需要に対して供給が追い付かず、島原でも三輪素麺を製造するようになりました。もちろん、これは産地偽装。消費者意識が高まってきた平成12年(2000年)、三輪素麺の産地偽装が問題となり、島原での"三輪素麺"の製造は終わります。

販売ルートを失った島原手延べ素麺。販路を拡大すべく、さまざまな努力をしてきて、紆余曲折ありつつも、現在は播州に次ぐ素麺の一大産地となりました(シェア約30%)。

参考/農林水産省:平成17年度 地域ブランド・商標登録事例調査 報告書(財団法人 食品産業センター)(PDF)
※43ページから。めちゃくちゃ面白いです

プライベートブランドに活路を見出した島原手延べ素麺

以下は私の想像も多分に含まれています。

このような歴史を辿って来た中で、島原手延べ素麺のふたつの大きな特徴が形成されます。

第一に素麺組合の多さです。

そもそも素麺は複数の事業者(生産者)が集まる組合によって製造・管理・販売されることがほとんどです。というのも、素麺は製造時期が限られています。安いです。なのに各生産者(各家庭・各事業者)がそれぞれ個別に素麺を作り販売していても、互いに潰し合うだけ。また、他地域の素麺あるいは他の産物にも負けてしまいます。そこで、地域の生産者が素麺組合を組織。団結して素麺を売っていこう、というわけです。こうしたほうが仕入れや流通などのコストも抑えられますし。

で、島原は知名度で他ブランドに後れを取っていたため、組合を組織する必要性がより一層高く、組合が多くなったということがあるかもしれません。また、三輪素麺の下請けをしていた時代、三輪そうめんに頼るのか自主ブランドを確立していくのかという対立があり、組合が分裂していった(結果、組合が増えた)ということもあるそうです。

さて、次の特徴がとても興味深い。大手スーパーのプライベートブランド素麺は島原手延べ素麺であることが多いのです。

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イオン/TOPVALU(トップバリュ)東急ストア/VALUE PLUS(バリュープラス)ドン・キホーテ/情熱価格もPB手延べ素麺は島原手延べ素麺。

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これ面白いですよ。ライフ/スマイルライフの場合、機械麺(左)は播州、手延べ(右)は島原。

なぜ、スーパーはPB手延べ素麺に島原手延べ素麺を採用するのか。これは産地偽装以降の販路拡大と関係があるかもしれません。

作り手は多い。技術もある。けど、播州や三輪にはブランド力で劣る。さらに産地偽装問題で販路も狭まった。そんな中、島原手延べ素麺は大手スーパーと組み、OEMを供給することで、その生産力をフルに発揮しようとした。PBに活路を見出そうとした。のかも? スーパー側にも大量に発注できるというメリットがありますしね。

島原手延べ素麺とスーパーの思惑が合致して、島原手延べ素麺のPBが多くなった、と私は推測しています。

なかなか面白いでしょ? 製造者はさまざまですが、島原手延べ素麺はほとんどのスーパーにあると思います。気になった方はぜひ一度。