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播州素麺 龍髭(森口製粉製麺)は穏やかながらも一本一本がしっかりとしたそうめん。機械麺にしてはおいしかったです。

今シーズンから多くなった240g/3束の機械麺そうめん

森口製粉製麺株式会社の播州素麺 龍髭

森口製粉製麺株式会社の機械麺そうめん・播州素麺 龍髭。

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スーパーつかさ 学芸大学店で購入しました。240g/3束で170円(税込)。一般的なそうめんの量・300gに換算すると212円。機械麺そうめんとしては中くらいの安さです。

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龍髭はもともと240g/3束ですが、今シーズンから240g/3束の機械麺そうめんが劇的に増えました。想像ですが、小麦の価格が高騰し、300gでは商品単価が上がり過ぎる。機械麺だから小売価格を200円以内に抑えたい。そんな思いから、各メーカーは240g/3束を採用し出したのではないでしょうか。

「じゃあ250g/5束でもいいんじゃない? 177円だから200円以内になるよ?」

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特に手延べそうめんでは250g/5束もたくさんあるのですが、これでは商品の幅が広くなり売り場での棚が取りにくい。上の画像をご覧ください。5束1列の雲仙の白糸より3束2列の揖保乃糸の方が小スペースですよね。

通販に対応するのなら、薄くて幅の広い250g/5束は逆にいいのですが、店舗での小売りを考えた場合はできるだけ幅を狭めたい。だから1列3束で240gの商品を作っている、という側面もあるような。

播州素麺と龍髭は登録商標

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龍髭は森口製粉製麺の登録商標です。

播州素麺は兵庫県乾麺協同組合の登録商標です。多くのメーカーがそれぞれ播州素麺という商品名のそうめん(機械麺そうめん)を製造・販売しています。地域性を表しているだけの商標ですから、同じ播州素麺でも商品によってまったく異なります(組合内で品質に関する一定の規定はあるかもしれませんが)。

この商品の商品名は龍髭ですが、播州のそうめんであることをアピールするため、大きく播州素麺とも表記されています。

一番手前の「万」に似た文字が面白いですね。森口製粉製麺の商品によくついているロゴマーク「マルマン」。創業者・森口伍平の養子となった森口万吉(初代)が神岡村で手延べそうめん作りを始めたのが、同社のはじまりです(明治10年頃)。「マルマン」は万吉の万に由来するマークなんでしょうね。

なお、森口製粉製麺は揖保乃糸も製造・販売しています。ですから、兵庫県乾麺協同組合にも兵庫県手延素麺協同組合にも所属しているということです。このあたりのことに関してはまた後ほど。

穏やかながらもしっかりとしたそうめん

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開封。

小麦の香りがしっかりします。麺はほんの少し太めでしょうか。折れやすいのですが、これは機械麺に共通する特徴です。

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茹で時間は2分~3分とあります。タイマーを2分にセットして様子を見つつ、2分10秒茹でました。

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まずはそのままひと口。

ほぉ。なるほど。いいじゃないですか。決して強くはないのですが、穏やかな弾力が感じられます。プリッとムニッの間のような食感です。一本一本がしっかりとしているので、複数本が舌に触るととても気持ちいい。風味も穏やかではありますが、悪くない。

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機械麺のそうめんとしては上等です。あと50円~100円出せば、おいしい手延べそうめんが買えますから、積極的にはおすすめしません。けど、少しでも安いそうめんがいい、だけどまずいのはイヤ、とびっきりおいしくはなくていいけど、それなりにおいしいそうめんがいいという、わがままなあなたには最適なそうめんでしょうw

さすがに星4はあげられませんが、ポジティブな星3を進呈します。

森口製粉製麺はそうめんの理解を助けてくれる

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そうめん(広義)には手延べそうめんとそうめん(狭義)があります。後者は機械麺そうめんと言います。

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両者の本質的な差は「延べる(伸ばす)」か「裁断する」か。手打ちうどんを思い浮かべてみてください。薄く板状に延ばした生地を切りますよね。これを機械化したのが機械麺です。機械麺のそうめんも細く切っています。

一方、手延べそうめんは切りません。延ばします。粘土を思い浮かべてみてください。机に押し付け転がして、細く長く延ばしたことありませんか? あれと同じです。どんどん細く延ばしていくのが手延べそうめんです。

両者はまったくの別物です。手延べそうめんは基本的においしいです。機械麺そうめんはまずいものもたくさんあります。

という基礎知識を踏まえた上で。

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森口製粉製麺は手延べそうめんも機械麺そうめんも製造しています。

森口製粉製麺が作っている手延べそうめんは揖保乃糸です。揖保乃糸は約400軒の生産者が作り、これらを兵庫県手延素麺協同組合が取りまとめています。森口製粉製麺は約400軒の生産者のうちのひとつということです。

少し細かいことになるのですが、揖保乃糸には特約店というものがあります。全国に約100社の特約店があり、特約店から小売店や消費者へと商品が流通していきます。森口製粉製麺は揖保乃糸の特約店でもあります。

以上は森口製粉製麺の手延べそうめん(=揖保乃糸)メーカーとしての顔です。次に、森口製粉製麺の機械麺メーカーとしての顔を見てみましょう。

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森口製粉製麺はうどん、そば、そうめん、中華麺なども製造しています。これらは機械麺です。そうめんに絞って見てみると、龍野そうめん、龍髭そうめん、今日もいいことありそうめんといったオリジナル商品を製造・販売しています。

さらに、他企業と商品を共同開発もしています。いわゆるOEMというやつです。

そうめんという観点から見た場合、森口製粉製麺はそのすべてを網羅しているとも言えるでしょう(似たようなメーカーは他にないわけではないのですが、そこまで多くはありません)。言い換えれば、森口製粉製麺を見れば、そうめんが理解できます。

DATA
名称播州素麺 龍髭
原材料名小麦粉(国内製造)、食塩
製造者森口製粉製麺株式会社
評価★★★☆☆