今回はちょっと変わったそうめんです。宮城県白石市、はたけなか製麺(株)の白石温麺(うーめん)。SANWA(スーパー三和) 祐天寺店で購入しました(128円)。
温麺(うーめん)は温かいにゅうめんとか、そういうことではありません。温麺(うーめん)はそうめんと同義と捉えて下さい。白石で作られているそうめんが温麺と呼ばれている、ということです。
今から400年ほどの昔、当地白石城下に鈴木味右ェ門という人がおりました。
味右ェ門の父は胃を病んで床に伏し何日も絶食しなければなりませんでした。味右ェ門は大変心配し、何か良い食餌療法はないかと八方手を尽くしていたところ、旅の僧から油を一切使わない麺の製法を教わりました。
さっそく、それを造り温めて父にすすめたところ、父は快方に向かい、やがて全快したということです。小麦粉を塩水でこねて造るため、舌ざわりがよく消化もよく胃にやさしいため回復を早めたのでしょう。
この親孝行の話が時の殿様に伝わり献上したところ、みちのくの人の温かい思いやりを賞で「温麺」と名付けられました。その後、近隣からも所望され製造販売するようになりました。
俳人芭蕉が奥の細道をたどった元禄年間の物語です。
より詳しいことは以下の記事をご参照ください。
白石温麺の最大の特徴は長さです。揖保乃糸 平づくりと並べてみました。揖保乃糸をはじめ一般的なそうめんの長さは19cm。この白石温麺は9.5cm。ちょうど半分。
なぜ短いのかはよくわかりません。茹でやすさからそうなったという説もあるのですが、私にはまーったくピンと来ない。それに説としてクソつまらんw
袋から出して、何の気なしに積んで写真を撮りました。ここでハッとさせられます。完全に俵じゃん。宮城県といえば米どころ。豊穣祈願として俵を模したような短いそうめんを作り、これを神に供えていた。と想像した方がロマンがあるじゃんねw いや、真相は知りませんよ。
ところで、白石には稲庭から麺文化が伝わったとされています。手延べ麺の日本海ルートです。中国→五島列島→能登→秋田県(稲庭)→宮城県(白石)。このルートの特徴はうどんも有名ということです。というか、その昔は厳格にうどん・そうめんと分けられていたわけでもないのですが。
そんなこともあってか、このルートのそうめんは基本的に太めです。上の積んだ写真を見ても太いことがおわかり頂けるかと。
表示通り4分茹でました。
茹で上がりも写真でわかるくらい太いです。極細うどんといった感じ。食べてみてもそうです。シコシコ、モッチリで、食感、コシは完全にうどん。これは機械麺なんですが、手延べの白石温麺だったら、もう少し素麺ぽさが出てるのかな? どうだろう。いつか試してみよう。
ちなみに、短いからといって食べづらいということはありません。吸いづらさもない。食べやすさという点では普通のそうめんと変わりません。
温かい汁でも作りました。このタイプはこうしたほうがいいかもですね。
たまにこういうのにあたって、「ああ、そうめんにもいろいろあるなぁ」と呟く。それくらいがちょうどいい。麺としてはなかなかおいしいのですが、私がそうめんに求めるのはこれじゃないので、星2つ。
メーカーはさまざまですが、(手延べではない)白石温麺はスーパーで何気によく目にします。この写真はピーコックストア 代官山店だったかな。素麺としては私の好みではありませんが、おいしいはおいしいです。見かけたら一度試してみてはいかがでしょうか。
細い肥後手延 ゆきやぎ、長い大門素麺、短い白石温麺。変わり種として、たまにはこういうのもね。
名称 | 白石温麺(うーめん) |
原材料名 | 小麦粉、食塩 |
製造者 | はたけなか製麺株式会社 |
評価 | ★★☆☆☆ |