学芸大学駅から徒歩3分。西口商店街沿いにまぜそば ちゅるるというお店があります。2022年3月9日にオープンしました。麺や すする まる弐→すする担担麺からの業態変更です。
運営は株式会社MINORU(代表:石野智之氏)。まぜそば ちゅるるの他、麺や天鳳 方南町店、つけ麺 すする(学芸大学)、すする担担麺 水道橋店、本格餃子 包(TSUTSUMU)を運営しています。
食券機。メニューは特製まぜそば、デラックス特製まぜそばの2種。「特製」という言葉が冗長に感じますが、それはさて置き、種類は今後、増えると思われます。
なお、テイクアウトも可能です。
店内にはテーブル席とカウンター席。スタッフのきびきびとした動きが気持ちいい。
まぜそば ちゅるるのまぜそばには、にんにく・背脂が乗っていて、各量は好みを聞いてもらえます。にんにく・背脂抜きにもできるでしょう。
「あ、やっぱりあれも」
そんな時は現金払いでその場でトッピング等を追加注文することもできます。
コショウ、花山椒(※)、一味唐辛子、にんにく醤油、お酢、辣油、食べる辣油、タバスコ、ガーリックマヨネーズと、味変用の調味料が豊富に用意されています。
※「花山椒」というのは誤りです。正しくは花椒。花山椒(はなざんしょう)と花椒(ホアジャオ)はまったくの別物です。
約10分でできあがりました。特製まぜそば(250g)、味玉トッピング(オープン記念サービス)。
「よく混ぜてお召し上がりください」
まずは麺だけをすすります。三河屋製麺の太麺。ムッチリとした食感で小麦の風味も豊か。
麺は醤油ベースの甘じょっぱいタレをまとっています。大雑把に言うと、すき焼きの割り下や焼き鳥のタレを薄くした感じ。まったりでコクはありますが、この類にしては穏やかです。塩味も甘みも控えめ。
ひとつ気になったのは割り箸。細くて弱い。麺を混ぜようとすると曲がったり折れたりしそう。もう少ししっかりとした割り箸にしてもらいたいところ。
分厚いチャーシューはホロッホロ。
背脂・にんにくはデフォルトではこれくらいなので、混ぜて食べてもそこまで強く感じません。
3口ほど食べたら最初の味変。花椒、一味唐辛子、食べる辣油をガッツリ投入。麻辣汁なし担々麺のようになりました。花椒による痺れがとてもいい。
次に、にんにく醤油とお酢を投入。にんにく醤油でパンチが出つつ、お酢で麻辣がまろやかに。
最後にガーリックマヨネーズを少々。最後にしておいてよかった。これを入れてしまうと、完全にマヨネーズが支配します。序盤に入れていたら、途中で嫌になっていたはず。
こんなに調味料を重ねても、濃くなり過ぎたり、しょっぱくなり過ぎたりはしませんでした。つまり、それだけデフォルトの状態が穏やかということ。逆に、各種調味料で味変することを前提にしたまぜそばと言えるでしょう。
パンチのあるガッツリしたまぜそばや二郎系に慣れている人には、デフォルトのままではかなり物足りなさを感じるかもしれません。けど、この塩梅こそが"すする"の特徴だと思います。
(前略)有名店であればある程マニアや単身男性向けに作られており、女性や家族では入りにくいのではないか、入りやすいお店はいわゆるチェーン店だけなのではないかとの疑問を感じる。
「本当においしいものをよりたくさんの方々に食べてもらいたい」
それをコンセプトに計画を練り続け、麺/スープ作り・店舗探し等々周到な準備を行い、現在の開業に至る。
引用元/旧公式サイト(http://menya-susuru.com/history.html)
代表の石野智之氏は単においしいラーメンを作ればいいわけじゃない、ラーメンマニアにウケる店ではなく、女性や家族でも入りやすい店を作ろうと考え、麺や すするをオープンさせました。
麺や すするのラーメンは他にない独創的な唯一無二のラーメンかというとそうではない。けど、それはあえてそうしているから。できるだけ多くの人に気軽に食べてもらえるラーメンを目指しているから。
オーソドックスに、万人ウケするように――その思想がまぜそば ちゅるるのまぜそばにも表れているのでしょう。まぜそばとしてのインパクトは弱いですが、店にとってはこれがまさに狙い通り。まぜそば初体験、こってり・ガッツリは苦手、そんな人でも食べられるまぜそばにしているのだと思います。
物足りなければ、調味料や背脂・にんにくの量で味変できますしね。
もし次回があるとするなら、さらなる味変が期待できる生卵をトッピングして、もう少しパンチを出すため背脂・にんにくを多めにします。そして、まずはにんにく醤油・お酢を加え、終盤に麻辣。こう攻めます。まぜそばは自分好みの味を見つけるというのも楽しいですね。