学芸大学駅から徒歩3分。西口商店街沿いに、すする担担麺 学芸大学店という担々麺のお店があります。もともとは麺や すする まる弐でしたが、2018年9月1日にリニューアルしました。すする担担麺というブランドとしては水道橋店に続く2店舗目。麺や すするに関しては以下をご参照ください。学芸大学の東口商店街方面に1号店・麺や すする(後に、つけ麺 すするにリニューアル)があります。
※追記:2021年末頃、長期休業に入りそのまま閉店。2022年2月、まぜそば ちゅるるに業態変更します。追記以上
さて、前半で盛大にディスります。けど、記事としてはちゃんとまとめますのでご安心を。安心?w
担担麺、排骨(パイコー)担担麺、黒胡麻担担麺、麻婆豆腐定食、汁なし担担麺、海老だし担担麺、油淋鶏定食というメインに、小麻婆飯、水餃子などのサイドメニュー。デフォルトの担担麺で880円というのは少々お高めに感じます。
店内はカウンター席のほか、2人掛けの小さなテーブルも2つ、3つ。
食券を渡すと辛さを聞かれます。3辛が店の基準。担担麺の食券を渡し、4辛と伝えました。
こちらが担担麺の4辛。まずはスープをひと口。
そして豚骨ラーメンのような白っぽい麺をひとすすり。
うわぁ……
基本的には胡麻ベースのスープだと思います。クリーミーというほどではないマイルドさ。ただ、ひょっとして調味料か何かをひとつ入れ忘れてるんじゃないかと思うほど浅くて薄っぺらい味です。奥行がない分、麻辣が堪能できればまだいいのですが、麻も辣もさほどきいていません。まあ、仮に5辛で麻辣がしっかりきいていたとしても、この味ではなぁ。
既視感ならぬ既食感を覚えます。どこかで食べたことがあるような……。しばらく考えてわかりました。担々麺云々ということではなく、どこかの観光地にあるフードコートで食べるような味わいなんですよ。なーんか安っぽい。
フードコートに入っている店がすべてダメだとは言いませんよ。こだわっているおいしい店もあるでしょう。けど、おそらくは多くが残念な店・味。私の拙いフードコート経験からすると。
……あれ? こういう書き方をすると、この担担麺がダメみたいに読めるじゃないかw ははは。いや、ストレートにダメだと書いてるつもりなんですけどね。しかも、これで880円ですか。はぁ。
食券機上段の担担麺、排骨(パイコー)担担麺、黒胡麻担担麺は基本的に味の方向性は同じでしょう。私はこれらを二度と食べません。
あまりにもひどく、このままでは終われませんでした。店を出たその足で、とんこつ麺 砂田へ行ってしまいました。ラーメンのはしごなんて15年?20年?ぶりだよ。たはは。砂田は砂田でちょいとひどくなっていて、2連敗を喫することになるのですが。ああ、なんて夜だ。
※いや、まじで本当に何か入れ忘れてた? あるいは何かの配分を間違えた? だとしたら、私のこの感想は正確性を欠くものになっています。ただ、もう一度食べて確かめる気もございません。ご了承を
麻辣バッチリ、濃厚でまったりな汁なし担担麺
約1ヶ月後、連れと二人ですする担担麺を再訪しました。食券機上段の担担麺は二度と食べないと書いたけど、すする担担麺に二度と行かないとは書いてないw
私が注文したのは汁なし担担麺の5辛、連れは海老だし担担麺の4辛。
少し遅めの昼食でした。17時までは、ごはんもしくは杏仁豆腐が無料サービスです。それぞれごはんをお願いしました。
こちらが海老だし担担麺。緑はパクチーです。スープはエビ感たっぷり。先日と同じ4辛はやはり辛くありません。辛いものがそれほど得意ではない連れでも楽に食べられていました。
なるほど。悪くない。先日の担担麺にエビのエキスが足された感じ。うめー!というほどじゃないけど、おいしいです。ただ、エビが強くて、パクチーが乗ってて、スープには甘味もあるので、担々麺というよりもエスニックヌードルといった趣きがあります。ラクサとは言いませんが、ニュアンスはそんな感じ。
この味こそが好きという方にはいいでしょうね。ただ、担々麺を食べたい時にこれはどうかと。一般的にイメージされる担々麺とはかなり違います。
汁なし担担麺。フワッと麻=花椒が香ります。おおお。いいね。担々麺はこうでなきゃ。しっかり混ぜてひと口。
麻辣だ! ちゃんと麻辣。痺れるし辛い。まったり濃厚な胡麻のタレもいい。ねっとりとするのは油でしょうか。油そば的なこってり感もいい。もっちりな太めの三河製麺の麺もいい。これはこう書きましょう。
うめー!w
麺を食べ終えたら、器に残ったタレをご飯に絡ませます。いや、いいね。とてもいい。めっちゃうまいじゃん。
デフォルトの担担麺は薄っぺらいフードコート的味わい。海老だし担担麺は担々麺というよりもエスニックヌードルな感じ。
はい。
すする担担麺は汁なし担担麺の一択です。それ以外は食べる価値なし。私にとってはね。
辛さの刻み方に見えるすするの哲学
さて、汁なし担担麺がおいしかったわけですが、それ以上に、5辛にしてよかったと思いました。それは5辛でやっと麻辣がきいておいしかったからというのが一点。そしてもうひとつ。とても重要なことに気づかされたから。いや、思い出したと言った方が正確か。
すする担担麺の辛さの段階は0辛から5辛まであるわけですが、グラフにしてみます。
辛いものが好きな筆者にとってみれば、4辛はほとんど辛くありません。5辛で一気に辛さが跳ね上がります。ある意味、こうするのが正解でしょう。
というのも、もし辛いものが苦手な人~普通な人に合わせて5段階を設定してしまうと、辛いものが好きな人は5辛でも満足できません。
辛いもの好きな人が満足できるギリギリのラインに合わせると、1辛~4辛、特に4辛あたりは普通の人にとってはかなり辛すぎてしまいます。結果、普通の人のマックスが3辛になり、場合によっては4辛に「辛すぎる」と不満を感じさせる可能性も出てきます。これでは4辛を設定している意味がないw リスクが大きいとも言えるか。
そこで、4辛まではソフトにしておき、ある程度リニアに段階を刻む。そして、5辛で一気に辛くします。そうすると、普通の人も辛いもの好きな人も満足できます。そもそも辛いものが好きな人は極端。ですから、4辛と5辛に大きな隔たりがあったほうがいいのです。うまくできてるや。
そして、0辛を用意するところにすするらしさを感じます。担々麺で0辛って何やねんと思うかもしれませんが、説明にもある通り、子供を想定してるんですね。そう、すするは幅広い層に受け入れられるラーメンを目指しています。
学芸大学にあるすする1号店の魚粉のきいたラーメンにしてもそう。おいしいですが、個性はありません。多くの人においしいと感じてもらえる味。没個性で面白味はないと思いますが、なのに幅広い支持を得られる味を完成させるというのはすごいことでもあります。
翻ってデフォルトの担担麺を思い返してみます。おいしくもなんともない。こんなのに880円も取りやがって、とすら思う。私は二度と食べません。
でも、だけど。
これでいい。駅の真反対、東口商店街の先には四川麺条 香氣という担々麺専門店があるのですが、香氣は麻辣が好きな人に向けた担々麺。麻辣という視点では本格的です。でも、これを苦手とする人もいるでしょう。すする担担麺はそういう人すらも取り込もうとする。そうして生み出した味がこれなのです。
私は"フードコート的味"とディスりましたが、よく考えれば、フードコートだってそう。子供から大人まで、いろいろな人が大勢やって来る場所。そこで尖った料理を出すわけにはいかない。できるだけ多くの人が受け入れられる味にしなきゃいけません。
そう考えると、のっぺりとしたデフォルトの担担麺と、ガッツリな汁なし担担麺を両方揃えているというのも、やり方としてはとてもうまい。そこまで担々麺が好きというわけじゃない、なんとなく久々に食べてみたいだけ、そういう人は担担麺。パンチのある濃厚な担々麺が食いたいという人は汁なし担担麺。メニュー構成もまた、幅広い客層を想定したものになっています。
私はさほどすするのラーメンは好きではありません。おいしいとは思いますが、面白味に欠けると感じます。でも、すするというラーメン屋およびその思想・哲学には大いに興味がありますし、店としてよくできてるなぁと感心させられもします。
というわけで、すする担担麺。
あくまでも私の好みですが、食券機上段の担担麺シリーズは薄っぺらくて、いかにも大量生産されました的な味わいでナシ(実際にどう作ってるかは知らん)。海老だし担担麺はおいしいけど、担々麺に求める味じゃないからナシ。
汁なし担担麺のしかも5辛。これはおいしいです。おすすめできます。ぜひ一度。
SHOP DATA
- すする担担麺 学芸大学店
- 東京都目黒区鷹番3-14-6
- 03-3712-3362