学芸大学駅から徒歩8分。五本木交差点先、五本木通り/三宿通りを三宿方面へ向かうとパティスリー スリール(Pâtisserie SOURIRE)というケーキ屋さんがあります。私は今回が初めて。
オーナーシェフは岡村尚之さん。フランスで経験を積み、銀座の資生堂パーラー、ロオジエ(!)でシェフパティシエを歴任、2005年にスリールをオープンさせました。
店内にはイートインスペースもあります。
ケース内には色とりどりのケーキ。
棚には焼き菓子もたくさん。毎度思うのですが、これだけの種類をよく作れますね。どうしてんだろw
店内にはこんなものも飾られていました。
すぐ近くの五本木小学校の子供たちが書いた絵です。校外授業のようなもので、ここスリールにも子供たちが来ているんでしょうね。
「おかむらさんのえ顔はステキです」
いい言葉。
スリールには店名と併せてキャッチコピーがあって、看板や袋などにはこう書かれています。
Pâtisserie SOURIRE fait avec amour
店名のsourireはフランス語で笑顔。fait avec amourは手紙の最後などでよく使われる表現で"愛を込めて"。つまり、愛を込めてあなたに笑顔を、そんな意味も店名には含まれています(たぶんw)。ですから、もちろん教わって知っていたのかもしれませんが、小学生が「おかむらさんのえ顔はステキです」と書いたのは、まさに正しいお礼の言葉なわけです。
ただ、"おかむらさん"のほうだって、いい加減に"fait avec amour"と言っているわけではありません。
五本木サブレ~思い出~
私にとって昔なつかしい味わいを表現したいと思い、試行錯誤して作り上げたクッキーです。イメージ通りのものができたら、ぜひこの地の名前をお借りしたいと思い、「五本木サブレ」と名付けました。
お店と地域がお互いに愛し、愛されています。そんな様子が見て取れる店内。なんだかいいなぁ。と、連れがケーキを選んでいる間、ずっといろいろ拝見しておりましたw で、決まったかい?
それなりに時間をかけて連れが選んだのは、ミルフィーユなんとかとフロマージュクリュ。おそらくですが、いずれも季節等によって使われているフルーツが違うかもしれません。
まずはミルフィーユ。ザクザクで堅めのパイ、しっかりとしたカスタード。濃厚です。そして甘い。甘いのは当たり前なのですが、「甘過ぎなくておいし~」みたいなのとは違います。ちゃんと甘い。そうそう、ケーキはこうでなくちゃ。イチゴの香りが春を感じさせます。
フロマージュクリュはレアチーズケーキの一種。フォークの重みだけで突き刺さって行くほど滑らか。底には堅めの薄いパイ。チーズ感はそれほど強くありませんがコクを感じさせます。こちらも甘めでまったり。中に入っているフルーツがいいアクセントで、上部と底の食感のコントラストもいい。
どちらも優しさというより芯の強さを感じさせるケーキでした。しっかり甘みがあって、濃厚で、食べごたえがあります。かと言って、押しつけがましい主張をしない。だから、パンチはあるんだけど、素直に笑顔になれる。スリールのケーキはそんなケーキでした。
え顔がステキなおかむらさん、こちらもえ顔になれました。ごちそうさまでした。
SHOP DATA
- パティスリー・スリール(Pâtisserie SOURIRE)
- 東京都目黒区五本木2-40-8 アップライゼ青山
- 03-3715-5470
五本木の地名の由来と五本木庚申塔群
五本木という街に愛着を持っているらしいスリールですから、私も五本木についてはひとつ書いておきたくなりました。五本木といえば五本木庚申塔群でしょう。いや、私がこの類が好きだってだけなんですがw
五本木という地名は鎌倉時代から続いているとも言われていて、由来はこの地に五本の大樹があったからとされています。そして各地と鎌倉をつなぐ古道も走っていたそうで、それが五本木庚申塔群の前の道とされています。
五本の木があって目立つ、古道沿いの要所。だから庚申塔が建立されたというわけです。五本木庚申塔群(建立:江戸時代)は目黒区の区指定有形文化財です。
古くからある庚申塔は、その地域の歴史や当時の地理などが偲ばれて、「ああ、ここに庚申塔があるんだ」と見つけたりするのが楽しいんですよねぇ。庚申とは何ぞやということは他所に譲りますが、ひとつだけ。
見ざる、聞かざる、言わざる。さる=申。さるといえば猿田彦。このあたりのことも面白いのですが、ケーキの話からはあまりに離れすぎるので、興味のある方は調べてみて下さい。学芸大学駅界隈でも何気に庚申塔がいろんなところにあるんですよ。
五本木庚申塔群は守屋図書館や聖パウロ教会の裏手にあります。中華料理屋・栄楽の前の筋を入ったところです。ああ、このあたりには昔、水源があってですね……しつこいって?w
【参考サイト】