武蔵小山駅から徒歩10分。学芸大学駅からだと20分ほどかかりますが、自転車ならすぐ。都道420号(補助26号線)沿いにle lieu unique(ル・リュー・ユニーク)というブーランジェリーがあります。2021年8月5日にオープンしました。
※追記:2024年8月17日に閉店しました。追記以上
le lieu uniqueはフランス語で、直訳すると独特な場所、唯一の場所。私だったら"かけがえのない場所"と訳します。
※SNSアカウントやレシートはLe Lieu Uniqueと大文字混じりですが、看板や公式サイトは小文字のみ。当記事の表記は後者に合わせました
※ナント駅近くにLe Lieu uniqueという有名なカルチャーセンターがあります。もちろん関係はないのですが、店名をつけるにあたってここから着想を得た可能性も?
もともとここはコレクションハウスビルという風変わりなビルでした。おっぱいラーメンが入っていたビルです。これが取り壊され、新たにミチノサキというそれこそまさにユニークなビルになりました。その1Fに本格的なブーランジェリー。
表から工房の様子が見られます。右がオーナーシェフのマニュエル・ロベール氏(Manuel Robert)。
マニュエル氏はMaison Branc/メゾンブラン(ロンドン)、Maison Kayser/メゾンカイザー(パリ)、Le Gourmet Nantais/グルメ・ナンテ(ナント)などで経験を積み、2008年に日本へ。MOKICHI Baker & Sweets(茅ヶ崎)でパン職人を務めたのち、2014年からル・コルドン・ブルー 東京校でパンの講師をしていました。
ところが2020年、同校が閉校。これに伴い、マニュエル氏は独立、le lieu unique(ル・リュー・ユニーク)をオープンさせました。
さっぱり、すっきり、シンプルで明るい店内。
背後の棚の様子からすると、取り置き・予約もできるのかな?
入口にトレイとトングが置かれていますが、ほしいパンを伝えれば取ってくれるので、特に利用する必要はないと思います。
角食パン、バゲット、クロワッサンなど、オーソドックスなパンが15~20種ほど。内容は日によって変わるでしょう。自家製酵母を使っているそう。
シュガータルトやラズベリークロワッサンなど、甘めのパンも気になりますが、初回は王道で攻めます。バゲットとクロワッサンを買ってみました。
トラディショナルバゲット(350円)、クロワッサン(300円)。"トラディショナル"の付かない普通のバゲットもあるのかな?
クロワッサンは外側がパリッと香ばしく、中はしっとり甘い。エアリーというよりももっちり。密度の高いクロワッサンでした。食べ応えがあります。
トラディショナルバゲットは太目で柔らかい。
パン屋がオープンする→バゲットを買う→レバーペーストを作るというルーティン。
クラスト(皮)はパリッとしていますが、どちらかというと柔らかめ。クラム(中身)はしっとり、もっちり。豊潤で甘みも感じます。
重量感のあるバゲットなので、濃厚なレバーペーストにもよく合います。
私はバリっと堅いクラスト、ふわりとしたクラムのバゲットが好みなのですが、これもおいしかったです。
しっとり柔らかめのバゲットは食べやすいですし、日本ではこういうタイプのバゲットが好まれがち。本場の経験・知識・技術を持ちながら、うまく日本人の好みにもアジャストしているのかもしれません。
私が退店するのとすれ違いに、お母さんと子供が二人、入っていきました。付近には昔ながらの街場のパン屋しかありませんから、こういうパン屋は重宝でしょう(昔ながらがダメというわけじゃない)。
駒沢通り沿いのBreadplant OZ(ブレッドプラント オズ)のオーナーシェフ・大島剛志氏もメゾンカイザー(日本)出身。西小山のENTIER(アンティエ)のブーランジェリエ・ローラン氏もメゾンカイザー出身。都立大学にもメゾンカイザーで修行経験のある川瀬敏綱氏のToshi Au Coeur du Pain(トシ オー クー デュ パン)。
自転車で回れるくらいの範囲に本格的なパン屋がまた一軒。食べ比べてみても面白いんじゃないでしょうか。そしてもし、le lieu unique(ル・リュー・ユニーク)があなたにとってかけがいの場所になるといいですね。
SHOP DATA
- le lieu unique(ル・リュー・ユニーク)
- 東京都目黒区目黒本町4丁目3-14 ミチノサキ 1階
- 03-6451-0563