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笛吹/ふえふき(洗足池)のたこ焼きは熱くてトロトロでタコが大きくて、子供も大人もみんな大好き。おしゃべり好きな人懐っこいご主人の吹く笛に人が集まり、街もが変わろうとしています

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10年以上前からちょくちょく通っていた、当時は恵比寿にあったたこ焼 笛吹(ふえふき)。2013年6月に洗足池へ移転したのですが、私もそれを追うように学芸大学に越してきました。学大と洗足池は何気に近いので、行きたい行きたいと思っていて、今回ようやく。

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洗足池駅から徒歩1分。東急池上線を挟んで洗足池とは反対方面の路地裏に笛吹はあります。学芸大学駅付近からだと自転車で20分くらいだったかな?

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恵比寿時代は店前に椅子が2、3あるだけの完全テイクアウト店でしたが、洗足池の新店舗にはカウンター席とテーブル席があります。形は違いますが、緑を基調とした店は恵比寿の店を彷彿とさせます。そして約3年ぶりのご主人の温和な顔、少し高い声。懐かしいな。

「恵比寿時代とは随分変わりましたね。恵比寿に住んでたんで、ちょくちょく行ってたんですよ」

「そうですか。ありがとうございます。今はどちらに」

「学芸大学です」

「あー、じゃあ近いと言えば近いですね。環七を下ってくるだけですもんね」

先に断っておきますが、このご主人、超絶おしゃべりです。めっちゃしゃべりますw

「洗足池にはほとんど来たことがないんですが、恵比寿と違ってのどかですねぇ」

「ぜんぜん違いますね。でも、恵比寿で『笛吹』を始めたのが20年前なんですが、当時の恵比寿の雰囲気と似てるんです。まだサッポロビールの工場があってね。工場が潰れるってんで、笛吹を始めたんですよ。当時はあの商店街(笛吹のあった、ガーデンプレイス前・加計塚小学校脇から下る道)が恵比寿で一番賑わってたくらいですから。今はもうね……」

「あの八百屋さん(ヤオサク)も確か……」

「ビルになってね」

「どこの商店街もそうですよね。年々、商店が減っていって、なんて話をよく聞きます」

「この辺りもそう。商店街は活動してないから、有志が集って、マップ作ったり、今度、ホームページ作ったり。洗足池で灯篭流しがあったんだけど、YouTubeで中継したんですよ。[洗足池、灯篭流し]で検索したら出てきますよ」

今、検索してみました。

ご主人www ナビゲーターみたいになっちゃってんじゃんwww 他の動画もwww

「ああ、そうだ。たこ焼き、ソース・マヨでお願いします」

恵比寿のサッポロビール工場がなくなり、ガーデンプレイスができたということと、ご主人が笛吹を始めたということの具体的な因果関係はよくわかりません。なんかあるんだろうな。

「それにしても、どうして洗足池……あ、お客様だ」

「ここ、知人が。いらっしゃいませ」

小学校低学年くらいの男の子とお父さんがやって来ました。

「息子は何度も来てるみたいなんですが、私は初めてで」

「ははは。子供はね、テレビなんかよりぜんぜん宣伝効果あるから。恵比寿時代もねぇ、上が小学校だったから、いつもお店に子供たちが来てましたよね」

「ですねー」

「僕はチョコレート2個とたこ焼き2個」

「私はソーセージ3個とたこ焼き3個でお願いします」

メニューには3個からの値段が書かれていますが、もはや何個でもいいのでしょう。普段、平日の昼過ぎから夕方にかけて、子供たちがたむろしてるんだろうな。恵比寿時代もそうだったよなぁ。

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「ウインナーははみ出てるんだよ」

男の子がお父さんにそう言います。それを聞いたご主人はこう返します。

「そんなことを言われたら、はみ出さなきゃいけないね(笑)」

かわいい、けど強烈なフリw

そんな中、店内を物珍しそうに観察していたお父さんがこんなことを言いました。

「それはどなたがお描きになられたんですか?」

「あさりよしとおさんですね」

「え、あのあさりさんですか? 自転車友達ですよ」

「そうなんですか」

ん? 何の話?

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このことか。その時はまったくわかりませんでしたが、帰って調べてみてわかりました。浅利義遠(あさりよしとお)さんは漫画家。イラストにはエヴァンゲリオンの使徒も描かれています。第三使徒サキエルなどをデザインされた方で、自転車が趣味だそう。いやぁ、こりゃマニア唾涎のイラストですなぁ。

「お待たせしました」

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笛吹は作り置きをしません。注文が入っただけ焼きます。ですから、少々時間がかかるのですが、それもまた旨味。

「おわかりだと思いますが」

「はい。熱いんですよね」

「はい(笑) お水お持ちしますね」

確かに熱かった記憶がありますが、今は学芸大学の花たこのマックスを知っていますから、まあ、どんなたこ焼きだって大丈夫w

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大きめのたこ、とろけるような、だけどとろとろ過ぎはしない生地、甘いソース。

「同じですか?」

「はい、同じです。おいしいです」

「よかった。ありがとうございます」

うん。値段は少し高くなったけど、3年前と味は同じ。やっぱうまいなぁ。わざわざ洗足池に来た甲斐あった。

おそらくですが、2分とかからずに平らげました。

「ごちそうさまでした」

「またぜひ来て下さいね」

「はい、また」

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店を出て、洗足池へ。ちょいと休憩。そもそも、なぜ笛吹を知ったんだっけ? ああそうだ。思い出した。恵比寿にあったバー・40Wでマスターのワタちゃんに教えてもらったんだ。だとすると、大げさにいえば15年前? そうかぁ。

先ほどの男の子は、ずっとカウンターで背伸びして、たこ焼きが焼けていくのを眺めていました。学校帰りに友達と来たりしてるんだろうな。昼時はベビーカーを押したママさんたちもやって来るのでしょう。夕暮れ時は帰りがけのサラリーマンが寄り、休日にはこうして親子でやって来る。

それだけじゃありません。先の動画を見ればわかる通り、このご主人は何気に活動的で、それこそみずから笛を吹き、旗を振り、商店街の人を集め、商店街に人を集め、商店街を、地域を盛り上げようとなさってます。

笛吹のたこ焼きに釣られ、ご主人の吹く笛に呼ばれ、多くの人がやって来る。まさに"洗足池の笛吹き男"w いつまでもここ笛吹が子供たちの、洗足池の人たちのオアシスであり続けることを願ってやみません。

変わらない笛吹

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2022年4月2日。あてどなく自転車でふらふらしていたら、いつの間にやら笛吹。

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約6年ぶりのご主人は相変わらず。ずっとしゃべってる。話が途切れません。合間合間に私は相槌。

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たこ焼きも相変わらず。おいしいなぁ。

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あさりよしとおさんのイラストは『この世界の片隅に』になっていました。特に制作に関わっていたわけではなく、応援していたそうな。

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「お釣りはそこから取ってください。いくらでも持って行って(笑)」

「ごちそうさまでした(笑)」

またね、笛吹。いつまでもお元気で。

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