学芸大学駅から徒歩2分。西口を出てすぐ右手に向かい、大通りの信号を左に曲がると、ハブとマングース(ハブマン)という沖縄料理屋&カラオケバーがあります。2020年7月26日にオープンしました。
すぐ隣に大衆ビストロ 煮ジルというお店があるのですが、ハブとマングースはその姉妹店です。
※2021年12月14日閉店。琉球食堂 ハブとマングースは通販のみの営業となり、店舗は酒と華 ききょうに業態変更します。
1階は沖縄料理屋の客席、2階は厨房、3階はカラオケBAR ハブとマングース別館(紹介制)アニソンcafe & barはぶまん。3階へは建物の側面にある階段を上ります。
私が訪れた7月末時点ではカラオケBAR ハブとマングース別館はまだ営業していませんでしたが、2020年9月中旬にひっそりオープン。紹介制なので、行きたい方は誰かに紹介してもらってください。
※2021年6月1日、カラオケbarハブマン別館はアニソンcafe & barはぶまんにリニューアル。詳細はインスタグラムでご確認を。
1階はカウンター席とテーブル席、そしてテラス席。
この日いたのはオーナーの比嘉涼君、店長・ハブヲ君、スタッフの火野蜂三君、2階の厨房には料理長・TO-MA君。ハブヲ君と火野君は役者でもあります。沖縄出身はオーナーと料理長だけなんですが、みんな顔が濃い目だから妙に沖縄感が……w
「オープンおめでとう」
「ありがとうございます。初日は人が来てくれるかどうか、ドキドキでした」(比嘉君)
「なんでよ。来るに決まってんじゃんw」
学大の人気者だもん。そりゃいっぱい来るさ。
泡盛を行きたいところですが、せっかくだし、この店のオリジナルドリンクを頂いてみましょうか。琉球モヒートをお願いしました。
フードメニューはこんな感じです。ハンバーガーは沖縄のMaverick Hamburgerインスパイア。視察で沖縄を訪れた際に食べて感銘を受け、マネさせてもらうことにしたのだとか。
「どれがいいかなぁ。最後の〆は沖縄そばにしたいから……」
「じゃあおつまみをいくつか盛り合わせにしましょうか?」(比嘉君。以下同)
「そうだね。お願いしまーす」
それにしても気になるのが店の造りです。
「2階を厨房にしちゃうってのが面白いね。1階を厨房とカウンター、2階をテーブル席にもできただろうに」
「通販をする場合、厨房に客席を設けられないんですよ」
「あー、なるほど。そういう理由があるのね」
「本当はライブ感を大切にしたいんですけどねぇ」
「まぁしゃーない」
「あと、これ(1階と2階をつなぐ配膳用エレベーター/リフト)がある、というのも大きかったです」
1・2階ともに客席を設けると、人手もかかりますしね。確かに調理風景が見られない、料理人と話ができないというのは残念ですが、その分、スタッフが客席を盛り上げてくれることでしょう。
琉球モヒート。バニラのフレーバーがついたラムを使っています。シークワーサーも入っていて、さっぱり飲みやすい一杯です。
「お待たせしました。盛り合わせです」
「おおう」
おまかせ盛り合わせ5種は7種でしたw 左上から順にクーブイリチー、ちんぴらごぼう(ママ)、ミミガーときゅうりの酢味噌和え、ワタガラスきゅうり、スーチカーポン酢、人参しりしりー、ひじきのうま煮。
どれもおいしいのですが、特によかったのがワタガラスきゅうり。ワタガラスはカツオの内臓の塩辛です。いわゆる酒盗の沖縄バージョン。酒盗が大好きなので、これはたまらない。止まらない。
本当は泡盛・忠孝(大好き)あたりでやりたいのですが、改めてメニューを見てみて、島唐辛子サワーが気になりました。
「島唐辛子サワーって辛いの?」
「辛いです」(火野君。以下同)
「本当に?」
「本当に辛いですw 比嘉さんも僕もひと口でもう……」
「ほう。そこまで辛いのなら頂こうかな」
ウオッカに大量の島唐辛子が漬け込まれています。
ひと口……否。
「まだ飲んでないのに、口を近づけただけで辛いねw」
「炭酸で辛さがフワッと来ますよね。瓶を開けっぱなしにしてたら、それだけでも辛さが目に来ると言うお客さんがいましたw」
ゴクリ。
「あっ! 本当に辛いw」
辛い物が好きな私でもしっかり辛いと感じるくらいですから、辛い物が苦手な方はひと口も飲めないと思いますw
「けど、これはこれで名物になるかなぁと。辛い物が好きな女性はおかわりしますよ」
辛いのですが、舌や食道・胃は大丈夫です。問題は唇。唇がヒリヒリ。上唇をグラスから少し離して飲むのがおすすめですw けど、この辛さががいいんだよなぁ。
「沖縄そばのこってりにはソーキが入っていて、さっぱりには入ってないのね」
「さっぱりにはスーチカー(※豚の塩漬け。上写真参照)が乗ってます」
「なるほど。じゃあこってりをお願いします」
島唐辛子サワーをしばらく飲み続けていると、唇も辛さに慣れてきました。その頃合いに沖縄そばが登場。
ホロホロ、トロトロのソーキは甘めです。スープも甘めでダシがしっかりきいています。ラーメンやうどんとはまったく違う独特な食感のそばもいいんだよなぁ。
「こちらもどうぞ。沖縄そばと言えば」
泡盛に島唐辛子を漬け込んだ調味料・こーれーぐす。これを沖縄そばに入れると、甘めのスープがピリッと辛く締まります。そして、泡盛の香りがふわり。私はレンゲ2杯分入れました。うーん、うまい!
つーか、量がw 食べ進めるとわかってきたのですが、そばの量が結構多いんです。
「何気に多いね。これだけで腹パンパンだよ」
「深夜、これだけ食べに来る方とかも増えるといいんですけどねー」
「withかここか、ってねw」
「いやー、あそこまで遅くはできませんw」
ハブとマングースはオープン以来、連日大盛況です。いかにオーナー・比嘉君がみんなに愛されているか、ということでしょう。
陽気なスタッフたちが盛り上げてくれる、おいしい沖縄料理店・ハブとマングース。こんな時勢ですから、様子を見ながらになるとは思いますが、一度のぞいてみてはいかがでしょうか。テイクアウトにも対応してますよ。
SHOP DATA
- 琉球食堂ハブとマングース
- 東京都目黒区鷹番3-10-7
- 03-6451-2729
学大ドミナント
学芸大学で同一オーナーが2店舗以上の飲食店を運営していることを、とりあえずここでは"学大ドミナント"と呼ぶことにします。
学大ドミナントに該当する飲食店は以下の通り。大まかに姉妹店のオープン順です(前が1号店、後が姉妹店)。
- ガスト/バーミヤン/魚屋路
- 焼酎呑ミ処 2nd/ニノマエ
- 牛繁/七甲山
- とき家/十季舎/つき膳
- ドトール(2店舗)/パンの田島/ドトール珈琲農園
- リ・カーリカ/あつあつ リ・カーリカ/
リ・カーリカランド - Cignale vino & pane/Gastronomia Cignale & co.
- すする/すする担々麺
- 件/日本酒 酒場 コメカラ
- ソンクラン&らくらく/月とかえる
- ロ・スパッツィオ/PREFERITA
- ロマンレコーズカフェ/Little otto
- ワイン食堂レインカラー/大衆酒場レインカラー
- biji 鷹番/biji 下馬
- 大衆ビストロ煮ジル/ハブとマングース
- シェフズマルシェ/レインボウル
- バニーガールズバー ラディアス/ロッソ ゴールド
- 呑家(旧アオギリ)/ホドケバ/西口アオギリ
書き出してみると結構あるなw
多くは学芸大学に人が増え始めてからの姉妹店出店です。学大の変化の象徴でもある学大十字街ビルにあつあつリ・カーリカができたのは2017年4月。以降、大手チェーンだけではなく、個人店による学大ドミナントが続々と誕生しています。
2店出しても席が埋まる――それだけ街に人が増えたということでしょう。
今後も学大ドミナントが増えるじゃないでしょうかね。
ハブとマングースのいま
ハブは猛毒を持つヘビで在来種。マングースはイタチやカワウソのようなフォルムの哺乳類。1910年、ハブを捕食させるため、十数体を海外から連れてきて、那覇市などに放ちました。
ところがその後、マングースが積極的にハブを捕食することはないと判明。それどころかむしろ、希少種のウサギや昆虫を襲ったり、農作物を荒らす害獣と化します。そして特定外来生物として駆除の対象とされるようになりました。まったくバカなことをしたもんです。
参考/環境省:日本の外来種対策:特定外来生物の解説:フイリマングース
さて、ハブとマングースと言えば、沖縄県の観光地で行われるハブとマングースを戦わせるショーのイメージが強いと思います。
しかし、これは過去のもの。2000年、動物愛護法の改正によりハブvsマングースのショーは禁止されました。現在でも"ハブとマングース"というショーはありますが、対決ではなく、それぞれの生態を説明するようなものになっています。