上村久人（上村製麺／須崎屋）は少し太めの手延べそうめん。ツルッツルでコシがとてつもなく強い。これはとんでもないそうめんです。

上村製麺の手延べそうめん・上村久人（加工者：須崎屋）。

西友三軒茶屋店で購入しました。441円/250g。一般的なそうめんの量・300gに換算すると529円。スーパーで普通に売られている手延べそうめんは250円～350円ほどなので、ちょいとお高めです。

上村製麺（長崎県南島原市）は1972年（昭和47年）に創業しました。創業者が上村久人さん。

2020年に工場・工業機械などをすべてリニューアルし、株式会社上村製麺を設立。「上村久人」をブランド化し、海外（特にアジア）もターゲットにし始めます。現在の代表は2代目の上村新一さん。

この手延べそうめん・上村久人は株式会社須崎屋がプロデュースしています（製品的には加工者）。須崎屋の本業はカステラの製造・販売なのですが、いつの頃からか手延べそうめんの販売もしはじめ、最近は須崎屋が加工者の手延べそうめんもスーパーの棚でよく目にするようになりました。

上村製麺のホームページも須崎屋があれこれしてあげてるんだろうな。サイトの作りがまったく同じ。

いずれにせよ、「このままではいけない」と思ったか、あるいは「これならもっといける！」と踏んだのか、販売ノウハウを持った企業とタッグを組み、2代目が邁進しているといった感じでしょうか。

高級感のある濃紺のパッケージ。この家紋は「丸に違い丁子／まるにちがいちょうじ」。大根ではなく丁子（クローブ）です。

「一級麺技能士」は正確に記すと「単一等級製麺技能士」。国家資格である技能検定制度の一種です（級は単一等級のみ）。

白い束紙が気品を感じさせます。麺線は少し太め。小麦の甘みがしっかりと香ります。

画像を大きく拡大して見てもらいたいのですが、麺線の中央が凸凹してますよね。手延べそうめんの証。太いので見えやすくなっていますが、こういうのが見て取れる手延べそうめんはだいたいおいしい。

茹で時間は約3分となっています。この太さですから、3分でもいいのでしょうけど、私の好みからするとマイナス30秒かな。様子を見つつ、2分半でお湯から上げました。

なんやねんこれｗ

いいものを口にすると笑っちゃいます。そして文体が口悪くなります。

唇に触れた感触、舌触りがツルッツル。「そうめんなんだからツルツルするのは当たり前だろう」と思うかもしれませんが、そんなレベルじゃないんです。摩擦力ゼロ、ツルンツルン。麺を一本一本磨き上げてるんじゃないかと思うほどです（製造工程の最後で麺を少し磨くこともある）。

そしてコシが強烈です。ムッチムチのギッチギチ。弾力があるというよりも密度が極めて高い感じ。ギューッと詰まっています。これを複数本噛み切るのがとても気持ちいい。

似たタイプが一瞬で思い出されました。太さは違いますが、北室白扇の半田手延そうめんです。コシがこれと同じ方向性。非常に珍しいタイプです。

R1年12月　独自の乾燥技術で新食感製造に成功

公式サイトの文言です。こういう類はだいたい「そうですか」ってなもんですが、上村久人に限っては文字通り「新食感」です。

ちょいと太めで風味もしっかり、食べ応えも抜群。まずはそのまま食べてほしいですが、いろいろなアレンジをしてもいいでしょうね。どう調理してもこの麺はきっと負けない。

いやー、おいしい。感動的。これはとんでもないそうめんですよ。もっともっと広く流通し、売れればいい。そうならなきゃいけないそうめんです。

心情としては星6をあげたい。あげたいのですが、大いに悩んでとりあえず星5で我慢。

特に手延べそうめんを食べなれている人、あるいはコシの強いうどんやラーメンが好きな人にぜひ食べていただきたい。「うわっ、なにこのコシ！」と驚かされますよ。すばらしい麺です。ぜひ。ボックスタイプもあるので、贈り物にもいいかも。