学芸大学駅から徒歩7分。目黒通り方面へ抜けて行く住宅街にmuffins and coffee 8ablish(エイタブリッシュ/Eightablish)というヴィーガンマフィンのお店があります(テイクアウトのみ)。
店舗は2014年11月にオープンしました。ただ、この会社がどのような歴史を歩んで来たかという話になると、1994年にまで遡る必要があります。そのあたりのことはまた後ほど。
※追記:学芸大学店は2020年6月6日に閉店しました
マフィンはもちろん、ケーキやピーナッツバターなどもあります。これらは日によって異なるかもしれません。その日にあったマフィンはチョコジンジャー、メルティーチョコレート(各432円)、ケーキはニューヨークチーズケーキ(540円)でした。
店内には他にもヴィーガン的な(?)グロッサリーがいろいろあります。
Tシャツやエプロン、
絵本、グリーティングカード、
BIO shower(ビオシャワー)、マッサージオイルなどのペット用雑貨も。
こんな感じにキレイなギフトセットにもしてもらえるんですね。
マフィン、ケーキ、今日のコーヒーを買って、碑文谷公園へと向かいました。
「エイタブリッシュ」の前の道を真っ直ぐ行けば碑文谷公園です。
碑文谷池の周囲にはベンチがあるのですが、こちら側の2ヶ所は灰皿があるので、私はいつもここ。ご年配の外国人夫婦も仲よく何かを召し上がってます。
丁寧に詰められたマフィン、ケーキ、コーヒー。ベンチに広げてみました。
コップと対比するとわかるかな。マフィンが大きいです。
チョコジンジャーマフィンはソルガムきび、ひよこ豆粉、米粉などをブレンドしていて、小麦は使っていません。グルテンフリーでヴィーガン。
上部がザクッとしていて、下部がしっとりモッチリしています。このモッチリ感は米粉だからかな。
白い砂糖も使われていなくて、有機メープルシロップと甜菜糖(てんさい糖)が使われているらしいのですが、とても甘みがあります。チョコ感はさほどなく、どちらかというとジンジャーがきいています。
ニューヨークチーズケーキにはこんな説明がありました。
国産大豆の豆腐を使用した、クラシックスタイルのチーズケーキ。ザクザクとしたクラスト生地の食感と、濃厚でなめらかな口あたりが人気です。小麦不使用のグルテンフリー。
説明通り、ザクザクとまったりの食感ギャップがとてもいいです。そして、こちらもジンジャーがきいていました。甘みもしっかりある。
こういうのって、根底に似たようなフレイバーを感じますよねぇ。なんだろう。ココナッツとかのオイリーな感じというか、ナッティーな感じというか。いずれにせよ、私はどちらもおいしく頂けました。
私はヴィーガンとかグルテンフリーとか、そういうのとは対極にいる人間ですw けど、エイタブリッシュのあることに興味を惹かれました。
1994年、デザイン会社の同僚だった清野玲子さんと川村明子さんが意気投合し、デザイン会社を作ることを決意。1997年、有限会社ダブルオーエイトを設立しました。「ダブルオーエイト」は、二人が好きな映画『007』に由来します。
デザインの仕事をしながら、2000年にヴィーガンカフェ・カフェエイトを南青山・根津美術館近くにオープンさせ、2003年に有限会社カフェエイトを設立。同年、ピュアカフェ(表参道)もできました。
もろもろあって、2011年にはピュアカフェだけとなりました。そして2014年、有限会社ダブルオーエイトと有限会社カフェエイトを統合、新たに株式会社エイタブリッシュとしてスタートします。と同時に本社を学芸大学に移転。学芸大学にエイタブリッシュをオープンさせました。
2015年、骨董通りの一本裏にRestaurant 8ablish(南青山)がオープン。2016年、ピュアカフェはPURE DALE & STOREとしてリニューアルしました(Restaurant 8ablish内)。
これはエイタブリッシュ公式サイトのhistoryというページで紹介されている内容のごくごく一部です。創業から現在までのことが、その時々の想いと共に、具体的に細かく記され年表となっています。
この遍歴自体も面白いのですが、それよりも私が興味を抱いたのは、ここまで詳しく、そして具体的にエイタブリッシュの軌跡が紹介されているということです。
ベジタリアンやヴィーガンを謳うサービスでよくありがちなのは「体の中からキレイに」とか「人にも自然にも優しい」とか「私らしいシンプルな生活」といったポエトリーなメッセージ。
知るかとw
エイタブリッシュの公式サイトにもこういうメッセージはありますし、別にあってもいいんですが、加えて、上記のような具体的な情報が提示されています。飲食全般に言えることではありますが、特にこういう類のものって信頼性が重要じゃないですか。その信頼性を生み出すのは、言葉だけなら誰でも言えるポエトリーなメッセージじゃなくて、"情報"だと思うのです。
こういう想いを持った人たちが、こういう経緯で店を構え、こういう材料でマフィンを作ってる――エイタブリッシュの歴史に記された詳細かつ具体的な情報は「これほど具体的に説明できるということは、自分たちの商品に対しても、もちろん偽りなく、正しく、きちんと説明しているだろう」と信頼感を抱かせてくれました。さらに、「想いだけじゃない。こうして実際に形にしてきたのか。だったらおいしいだろうな」とも思わせてくれました。
ヴィーガンじゃない人にとってみれば、エイタブリッシュがヴィーガンかどうかだなんて、どうだっていいじゃないですか。私がここで「エイタブリッシュのマフィンを食べると、なんだか体の中からキレイになった気がしました♪」なんて書いて、「食べてみよう」と思います? 思わねーw
体とか心とか健康とか自然とか、あるいは場合によっては動物の権利が云々とか、んなことどーでもいいので、それよりもエイタブリッシュの公式サイトを読んでみて下さい。そうしたら、こう思うはずです。
「へー。そんな想いがあって、そんな歴史があって学芸大学にやって来たんだ。じゃ、一回ちょっと試してみるか」
と。
エイタブリッシュが提示している具体性は、おいしさも担保している。私はそう思うんですよねー。
……別にヴィーガンをディスってはないですよw 私にとってはどうでもいいと言っているだけ。そして、エイタブリッシュはおいしかったと言っているだけです。
SHOP DATA
- マフィン&コーヒー エイタブリッシュ
- 東京都目黒区鷹番1-7-11 クレール鷹番104
- 03-6753-3316