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和風家庭料理 酒処 花菜/はな(祐天寺・学芸大学)でマッカーサーが緑一色!?オシャレでおしゃべり好きなハイカラ姐さんの手料理はおいしくて、楽しいひと時が過ごせました。カラオケもあり。

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祐天寺駅、学芸大学駅、目黒駅、不動前駅、武蔵小山駅から徒歩20分。目黒通り、油面交差点から油面地蔵通りを入って50mほど行くと、花菜という居酒屋があります。読み方は「かな」かな(※正確には「はな」でした。後述)。

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一応、表の貼り紙には「和風家庭料理 酒処(カラオケあり)」とあります。あー、油面=菜種油だから「花菜」なのか?

先日行った西小山の大衆酒場 ふじ同様、ネット上に情報ゼロ。暗い通りに艶めかしい色合いの明かりを灯しているのも同様w ずっと以前から気になっていたので、飛び込んでみました。

「こんばんは」

「あ、いらっしゃい」

上品な女優さんって感じのお姐さん。とてもキレイな方です。真っ白なモヘアのような帽子と上着で、とてもハイカラ。私がライダースを脱いでいると、バタバタしながらも姐さんは話し続けます。

「ごめんなさい、ちょうど今、囲碁会から帰って来たところなの。中目黒でやっててね、自転車で大変よぉ。そうねぇ、20分くらいかしら。行きはいいんだけど、帰りは坂がねぇ。そのまま来たもんだから、何も準備してなくて、こんな時間になっちゃったし、今日はもう開けないでおこうかとも思ったんだけど、常連さんが『せっかく来てやったのにまた開いてなかったぞ』なんて怒ったりするもんだから、とりあえず開けてみたの」

とにかくまあよくおしゃべりになるwww

「本当は麻雀が好きなの。けど、負けてばっかりだし、疲れるでしょう。だから囲碁を勧められてね、やってるんだけど、囲碁は難しいわねぇ。何お飲みになる? ビール、焼酎、ウィスキー……」

焼酎の水割りをお願いしました。

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「この辺りにお住まいなの? 学芸大学の方? こんなとこ、何もないでしょう。人もぜんぜんいないし。ここもね、週の半分くらいしか開けてないの。けど、昔からのお客さんが来て下さってね。カラオケもあるのよ。だから、ここで会合を開いて下さったり。そう、寄り合い所みたいなものね(笑) ほら、そこに忘年会のお知らせがあるでしょ。あんな風にみんな来てくれて。もしよかったらいらして。肉豆腐でも出しましょうか。お通しで」

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こちらはご自宅ということなのですが、かなり広いです。写真ではわかりづらいですが、右奥には調理場(台所?)もあります。それなりに古いお店のはず。けど、とてもキレイです。物は雑然といっぱいありますがw

「ちょっとしょっぱいかもしれないけど。大丈夫? あと、これも冷めちゃったけど作った自家製の卵焼きと、あとおにぎり。温めなくていい? そんな写真撮ったって、SNSとかFacebookとかに載せられるような料理じゃないわよ(笑)」

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その日にあるものがメニューという感じなのでしょう。言われるがまま、頂きましたw どれもおいしかったなぁ。

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「もともとアメリカにいてね。アメリカで学生結婚して、7年くらいで別れちゃって、それからずっと一人なんだけど、貿易のこととかやってて、帰って来て、最初はインド人を雇ってカレー屋をやってたの。それが30年前。けど、今はもうエスニックとか珍しくないけど、当時はぜんぜんね。お客さんが来てくれなくて、やめて、洋服屋やったり、そのあと女の子を雇ってスナックをしたり。けど、バブルがはじけると、めっきり人が来なくなってね。結局、一杯飲み屋になっちゃったわよ」

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スナックは花篭という名前だったのかな?

建物には姐さんの名前を冠したAKI HOUSEというファッションショップらしき看板がついたままになっています。これのことでしょう。真っ白なお召物はお出かけ用なのかと思っていたのですが、ファッションの仕事もされてて、若い頃からアメリカに行っていたりするし、もともとがオシャレなんでしょうね。

「当時は1ドル360円の頃よ。お仕事は? 編集とか書いたり? だったら、おわかりになるわよね、目黒区の都市計画の区報があって、そこで随筆を募集してたのね。だから応募したら通っちゃって。マッカーサー元帥の葬儀に出くわした思い出を書いただけなんだけど」

ちょwww えええ? マッカーサー元帥の葬儀?? なにそれ、面白すぎwww

「18、19歳の時よ。タクシー乗ってたら、ぜんぜん進まないのよ。そしたら、運転手さんが元帥の葬儀で交通規制が敷かれてるから、今日は仕方ないって。都市計画とはまったく関係ない話なんだけど、面白かったのかな(笑)」

酒場巡りをしていると、ご年配の方の話をいろいろうかがいます。GHQや配給の話だったり、まだ東横線が下を走っていた話だったり。そういう話がこの上なく楽しくて、源平ママが電話の交換手をやっていたって話も相当すごいけど、さすがにマッカーサーの葬儀の話はw

それにしても、マッカーサーが死去したのは1964年。53年前です。その時に18、19ということは、お姐さんは70代。いやはや。お若い。

「ぜんぜんよ。もう。囲碁も麻雀もボケ防止ね。昔は学芸大学で麻雀やってたの。てんご? いえ。そうそう、さくら。よくご存じね。あら、マスターとよく飲むの。そぉ。昔ね、『さくら』で緑一色(リューイーソー)上がったわよ」

うほ。緑一色とな。麻雀の中でもっとも点数の高い役・役満の手です。めったにできるような手じゃありません。

「麻雀ご存じ? なら、おわかりになるわよね。リュウハ(發)を一枚見送って、わかってたらそんなことしないんだけど、二枚目でポンして、2・5待ちで2でロン。まだ役なんてよくわからなかったから、ザンク(3900点)かと思ったら、それ役満だって。振った人もわかってたのよ。『さくら』のマスターは緑一色を見たの初めてだって言ってたわ(笑)」

ん? 2・5待ち? てことは一盃口(イーペーコー)の形だったのかな?

「それはどうだったかしら……。他にも、国士無双もやったし、九蓮宝燈も。萬子じゃなくて筒子だったけど。マスターに会っても言わないでね。いえ、言ってもいいんだけど、もう十何年行ってないから」

萬子(マンズ)、筒子(ピンズ)は麻雀牌の種類の名前。緑一色についてはまた後ほど。

「ご趣味は? 私の知り合いでね、釣りが好きって人がいるんだけど、魚は食べられないの。魚の匂いもだめだから、釣った魚はその場で全部、逃がしちゃうんだって。変わってるわよねぇ(笑) お連れさんと旅行とかは? そうね。確かに旅行は男同士のほうが楽しいのかもしれないわね。私も誘われたりするのよ。けど、男の中で女は私一人ってねぇ。私も男っぽいから、構わないんだけど、別に男女の関係とかそういうんじゃないのに、一緒に旅行するというのも変よねぇ」

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ふじからかさも、すぐ近くのふくちゃん美築も、そして花菜もそう。メニューなんてあってないようなもので、一見なんてほとんど来ないし、あえて目指して行くような店でもない。近隣の常連さんたちのための憩いの場。

こういうお店ってどんどんなくなっていくんだろうな。けど、近所の仲間、ご年配方が気兼ねなく寄ることのできるこういう店って、地域にとっては必要な存在だと思うんだよなぁ。

二杯目のお茶割を飲み終え、お勘定をしてもらいました。

「またぜひいらしてね。あ、これ持っていって」

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巨大なみかんをふたつ。これ持って学大まで戻れってかw ピタッとしたライダースの両ポケットにみかんを突っ込んで、学大まで戻っていきました。……あっ。このライダースも緑一色www いいオチがついたなw

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後日談。店頭の提灯をよく見ると「はな」と書かれていました。正確には「はな」と読むようです。ただ、「はな」とは読みづらいので検索対応として「かな」も記したままにしておきます。

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さらに追記。2018年10月28日現在はこんな感じの営業形態になっています。

SHOP DATA

緑一色の最終形を予想してみる

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緑一色の最終的なアガリの形の一例

麻雀牌(パイ)には緑色だけの牌が6種あります。これだけを使って作る役が緑一色(リューイーソー)。麻雀の役でもっとも点数が高い役満(やくまん)は12種あるのですが、その内のひとつです。

以下、麻雀が好きな方だけお読み下さいw

実は「ゴッパー(5800点)」もしくは「ゴンニ(5200点)」と言っていたかもしれません。ちょっと記憶が曖昧。ま、正確性というよりも、ここはお遊びですから、ザンク(3900点)で話を進めさせて下さい(3900点と5800点は子か親かの違いだけ)。

その上で、姐さんの言葉から読み取れる状況はこうです。

  • 發を鳴いてる
  • 2・5待ち
  • 緑一色でロン上がり
  • 3900点だと勘違いした

以上を満たすテンパイ形は実はひとつだけです。「2 33 44」。

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もちろん6が暗刻、8が雀頭の場合もあり

「22 333 444」は基本的にはないでしょう。2が来た際、「単なる3順子だから發・混一色で3900点」とは普通思わないw 少なくとも対々和は思い付き、満貫だと勘違いするはずです。それに、これは2・5待ちではなく変則多面待ちになりますね。2・5・6 or 8の。

単純に「3 4」だけが浮いてある、ということもありえません。雀頭ができないので。

「222 33 44」「2 3333 44」「2 33 4444」は変則多面待ちなのでなし。変則多面待ちに気付いてなかったという可能性はありますがw

「22 3 4」「333 4444」「3333 444」「3333 4」「3 4444」もありません。なぜなら、これだと暗刻が3つだったということになります。そうすると、3飜40符=5200点と勘違いするはずです。

「222 3 4」「3 444」「333 4」は変則多面待ちなのでなし。さらに暗刻が3つになりますから、上と同様、5200点と勘違いするはずです。

つまり、3900点(3飜30符)と勘違いするには、暗刻が2つ(=發以外の暗刻は1つ)で、「2 3 4」の順子が2面子必要ということ。ですから、おのずと待ちの形は「2 33 44」になります(1順子を副露していたかもしれないけど)。

まあ、緑一色を狙うなら、3か4を持ってくるか鳴くかして、シャボ待ちにすることが多いんじゃないかなぁ。安めの5が出たら目も当てられない、不確定すぎる2・5待ちにはしないでしょうw 役を知らなかった姐さん。それが幸いにも功を奏した、とも言えそうです。

いずれにせよ、ノータイムで一盃口(イーペーコー)の形だろうと読み切った勘、冴えてたな俺www もちろん、ここまで詳細に読んでたわけじゃなく、直感なんですけど。一盃口ってのは役という意味じゃなく形がってことね。

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学大酒場 エビス参炭火とワインの並びにある雀荘・麻雀さくら

あ、私はさくらに行ったことはありませんし、麻雀は学生時代によくやっていたというだけで、今はやってません。別に言い訳しなきゃいけないことでもないんだけどw

でも、麻雀は楽しいよねぇw

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