「揖保乃糸」(兵庫県手延素麺協同組合)は恐るべき素麺。その商品ジャンルで最強にうまいものがどこでも売られているというのは驚愕すべきことです

素麺3大生産地のひとつ播州。揖保川周辺域には多数の素麺生産者が点在しています。そして、その多くを束ねているのが兵庫県手延素麺協同組合。言わずと知れた「揖保乃糸」の"メーカー"です。

組合という言葉からもわかる通り、素麺「揖保乃糸」はひとつの工場で作られているわけではありません。500近い生産者が同組合に所属していて、それぞれが厳格な同一規格に則って揖保乃糸を作っています。そして、各製麺所で作られた「揖保乃糸」が同組合の大きな倉庫に集められ保管され、検査され、そして出荷されていきます。

パッケージ裏面の右下に管理番号が振られています。トレーサビリティも有していて、生産者が違えど同じ素麺になるよう、それはそれはしっかりと組織・管理され作られているのが揖保乃糸。このシステムが日本最強の素麺を生み出しているのです。

細くてピンと張りのある麺。香りは柔らかく豊か。

揖保乃糸は素麺を束ねている束紙によってグレードがわかります。一番流通していて、一般的によく知られているのが、この赤い束紙の「上級」。レギュラークラスです。

茹で時間は1分半~2分と表記されています。けど、1分半でも少し長いかもしれません。私はいつも1分強で上げています。ただ、温度、茹でる量、お湯の量によって最適な茹で時間は異なります。当然、好みもあるでしょう。好みの時間茹でて下さい。

細さが醸し出すのどごし、プチプチとした歯切れ、滑らかな舌触り、しっかりとした小麦の風味。「やっぱり」と呟かざるを得ません。

考えてみれば揖保乃糸はおそるべき商品です。100種ほどの素麺を食べてきました。揖保乃糸に比肩する素麺もありましたし、日本中を探せばまだあるでしょう。しかし、揖保乃糸をはるかに凌駕する素麺はそうありません。

スーパーならほぼ100%どこにでも置いています。250円~300円と手頃な価格です。日本人なら誰もが知っていて、誰もが食したことがあります。そんな商品がそのジャンルにおいて最高峰という事実。他ジャンルでこんなことはまずありません。

「いつも揖保乃糸だし、たまには他のものを食べてみようかな」

スーパーに陳列されている複数の素麺を前に、こんなことを思わない方が賢明です。おそらく、目の前の素麺の中でもっともおいしいのが揖保乃糸でしょう。よっぽど他と食べ比べたいというのでなければ、迷わず揖保乃糸を選んで下さい。これが正しい素麺の選び方です。

もし、万が一、他の素麺を選んだとします。そして食べます。あなたはこう呟くはずです。

「素麺はやっぱり揖保乃糸だなぁ」

と。

最高峰をスタンダードとして知ってしまった私たち日本人。幸か不幸か。

DATA
名称揖保乃糸 上級品
原材料名小麦粉、食塩、食用植物油
製造者兵庫県手延素麺協同組合
評価★★★★★

手延べ素麺揖保乃糸 上級 1kg

記事のシェアはこちらから

こちらの記事もあわせてどうぞ