MEAT JOURNEY 2018

「食べもの処 いちご」(学芸大学)は元気なママさん二人とマスターがやってる素敵な居酒屋(昼は定食屋)。賑やかな先輩方に囲まれて飲む酒は楽しい!

学芸大学駅から徒歩10秒w 西口正面の第一ストアー地下1階に「食べもの処 いちご」という居酒屋があります。2017年10月20日にオープンしました。

お店ができていたことにまったく気づきませんでした。前を通っているにもかかわらず!

「前にお店できましたよ」

そう教えてくれたのはBar Shelter(シェルター)の奥山君。

「え? うそ?」

Shelterの扉を開けて見てみると、確かにお店が。人間の注意力なんてのはあてにならんですな。あ、人間すべからく、みたいに言うのはあれか。俺の注意力w

昼に第一ストアー前を通ると、こんな看板が出ていました。ランチもやってるんですね。その夜、さっそく行ってみることに。

店内には4人掛けテーブルが2つ、2人掛けテーブルが1つ、カウンター3席。2人のママさんとマスターがやってらっしゃいます。マスターは毎日いるってわけではないみたいですが。カラオケもあるのね。

私が入った際、客はカウンターに2人。しばらくすると5人の団体、さらに男性客1人。全員が常連さんです。「食べもの処 いちご」はもともと渋谷にありました。だからオープン直後なのに常連さんがいっぱいいるんですね。移転してきた経緯などはまた後ほど。

カウンターが埋まっていたので、私は2人掛けテーブルに促されました。放っておかれても楽しめる性分なので、これはこれでね。たまにはね。

瓶ビールには細い小さなグラス。うむ、正解。こういうグラスで飲むのが一番うまいのです。

お通しは、玉子豆腐ときぬかつぎ。いつでも出せる定番ものだけじゃ味気ない。季節ものを組み合わせる工夫が素敵です。

店内は先輩方やママさん、マスターのクロストークで充満。あっちの会話、こっちの会話が耳に飛び込んできます。そんな中、「あのお兄ちゃんにまた来てもらえるように、ちゃんと相手するんだぞ」と常連さんがママさんへ耳打ち。こちらにも漏れ聞こえてるので、もはや耳打ちではないのですが、もちろん私は見て見ぬふり。聞こえぬふり。

女性は二人ともママさんと呼ばれています。それどころか、互いに互いをママと呼んでます。どことなく顔が似ています。けど、後ほどわかったのですが、姉妹とかではないのだそう。

二人ともチャキチャキしてて、明るくてパワフル。常連さんの冗談をうまく返し、常に店内の隅々にまで目をやってます。すげぇなぁ。

ママさんが私の正面に座りました。

「『いちご』はどういう意味なんですか?」

「一期一会の一期なの」

おそらくそうだとは思っていたのですが、一応ね。BABYMETALファンとしては「いちご」と聞いたら「15」を思い浮かべてしまうわけですがw

「渋谷からだと聞いたんですが、渋谷のどのあたりだったんですか?」

「もうないけど、東急プラザの裏。大島ラーメンってあるでしょ」

「ええ、ええ」

「その上にあったの」

「へぇ。昔は渋谷でもしょっちゅう飲んでたんですが、まったく存じ上げませんでした。すみません。なぜ学芸大学に移って来たんですか?」

「東急プラザがなくなって、東急デパートも地下になって、人がぜんぜん来なくなったのよ」

「そんなに違いますか。けど、みなさん渋谷時代の常連さんですよね。わざわざ学芸大学まで来られるってすごいですね」

「最初だけよ(笑) 何か食べる?」

「そうですねぇ。じゃあ、煮込みハンバーグをお願いします」

定番メニューはカウンター上や壁に掛けられていて、その他に本日のおすすめ品がホワイトボードに書かれています。特に変わったメニューはありません。どれもオーソドックス。少し値段設定が高めに感じますが、客層に見合った設定なのでしょう。このあたりは今後、変わっていくかもねぇ。

アツアツの鉄板に煮込みハンバーグ。フワリとした柔らかいハンバーグに濃厚なデミグラス系のソース。ひゃあ、こりゃうまい。

「ハンバーグおいしいですね」

「本当のこと言ってね?」

「いやいや、ほんとです」

「煮込みすぎちゃうと堅くなるでしょう」

「これはフワフワです」

「よかった」

二杯目はレモンサワー。甘めのこれはおそらく……。少し首を伸ばして、端のサーバーに目をやります。やはり。アサヒビールの樽ハイ倶楽部でした。

「さて、お兄さんと飲もうかな」

次はマスターがやって来ました。

「このレモンサワーおいしいですね」

「これはウオッカベースなの」

樽ハイ倶楽部好きですから、もちろん知ってますw 学芸大学の韓国料理店「サランバン」もそう。割らずにそのまま飲んでもうまいんだよなぁ。

「そうなんですか。甘くておいしいです。どれくらいやってらっしゃったんですか?」

「38年から」

来た、この言い方。先輩方と話していると、この「から」がよく出てくる。「38年~」という意味の他に「38年間」というニュアンスでも「から」が使われるので、どちらなのかを瞬時に判断しなきゃいけません。今回はおそらく前者、昭和38年から、という意味でしょう。

昭和38年からというのは、マスターの経歴。「いちご」は10年ほど前にオープンしたのだとか。

「うわぁ、すごいですねぇ。ずっと料理を?」

「いや、私はバーテンダー。キャバレーでね。最初は新宿」

「もうキャバレーってあまりないですよねぇ。銀座の『白いばら』も来年早々に閉店みたいですし」

「白いばらは○○さんね。池袋は○○さん、赤羽は○○さん、みんな知り合いなんだよ」

「へぇ。キャバレーが少なくなっていったってのは、キャバクラですか?」

「いや、スナック」

「ああ、なるほど」

「5000円で女の子がいて歌えるってんだからさ。昔、新宿でキャバレーやってた頃は、○○(企業名)の人たちが50人くらいで来てね、ひと晩で150万円使っていったよ」

「うわぁ、すご。このご時世だと、そんなこともなくなったんでしょうね」

「人件費と家賃も高くなってねぇ。渋谷の○○は100坪で800万だからさ、大変だよ。昔は隣近所、みんな知り合いで、道ですれ違ったら『おう!』って挨拶するような街だったんだけどねぇ」

「学芸大学は今でもそうですよ。横のつながりが強い街です」

「隣(だんだん)と前(シェルター)も近い内に行かないとな。前の店はいまやってないね」

「イタリアへ旅行に行ってるんです。楽しくていいヤツですよ」

「そうかい。じゃあ、今度、連れてってよ」

「ぜひぜひ」

御歳80というマスター。お酒もガンガン飲んでます。元気だなぁw


二杯目のレモンサワーを飲んでいると、「これサービス」と出してくれました。

「それにしても大賑わいですね」

「今日はたまたま。普段はぜんぜんよ。ここなんて誰も通らないでしょう。前通っても通り過ぎて、そしてスーッと戻ってくの(笑) こんなところ入りづらいわよねぇ」

「うーん、そうですかね。お二人は姉妹とかですか?」

「違うのよ。二人ともオールバックだから似てるだけ(笑)」

「顔もどことなく似てらっしゃいますけどねぇ(笑) で、先ほどからの話をうかがっていると、マスターとママさんがご夫婦なんですか?」

「それは秘密!(笑)」(先輩)

「あまり言わないようにはしてるんだけど、みんな知ってるわね(笑)」

「お店で言っちゃいけないことなんですね。わかりました(笑)」

一同爆笑。公然に知られていることなんだけど、一応、秘密という”体”で振る舞うという、この店独自のある種のネタなのでしょう。こういうノリも何だかいいな。

カウンター席の先輩(75歳)と、マスター、ママさん、私とで会話がはずみだし、”場”が温まってきた頃合いに、先輩のお連れさんがいらっしゃいました(若くてかわいい!)。今日はこのあたりまでかな。お会計をしてもらい席を立つと、先輩が握手をしてくれました。

「またね」

まあ、大勝ちはしなかったけど、こんなテーブル席に座った割にはいい試合ができたんじゃない?w

マスターもママさん二人も、本当に楽しい。学芸大学に移ったというのに、常連さんたちがこれだけ押し掛けてくるんだもん。お三方の人柄だ。

こういう感じの店って、学芸大学だと他にどこだろう。ちょいと毛色は違いますが、「花こよみ」「中川」「焼き鳥 しま」あたりがこんな雰囲気? 「しま」のケンさんと「いちご」のマスターなんて、ほぼ同い年だし。「京み」「萩」ももしかしたら似た感じかもしれませんね。

今回、私は頼みませんでしたが、ほろよいセットというのもあります。生、焼酎、ウィスキーの中から3杯とおつまみ2品で1500円。おつまみは前出のお通しと同じでしょう。

このほろよいセットはお得ですが、もうちょいメニューの価格帯を抑えるとかすれば、いいと思うんだけどなぁ。この感じさぁ、絶対若い子も好きだよ。飲食やって半世紀という大先輩に向かって、こんな若輩の素人が生意気を言うようですが。

めっちゃ楽しい先輩方です。料理もおいしい。場所も面白い。一度、のぞいてみてはいかがでしょうか。あ、マスターとママさんが夫婦というのはナイショだからねっ!w

食べもの処 いちご
東京都目黒区鷹番3-6-1 第一ストアビルB1

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