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野菜巻き串 薄田商店(学芸大学)はボリューミーな野菜巻き串とホロホロジューシーなゆでタンが名物のてっぺん系居酒屋

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学芸大学駅から徒歩30秒。東口を出てすぐ右に折れると、薄田商店(すすきだしょうてん)という野菜巻き串の居酒屋があります。中華料理店・二葉の先です。2019年11月11日にオープンしました。

運営しているのは株式会社DLE。代表の薄田典靖さんは朝礼が有名な居酒屋・てっぺん(株式会社てっぺん/代表:大嶋啓介氏)の出身です(※てっぺんに関しては後述)。2016年、てっぺん 自由が丘を譲り受けて独立。2018年には野菜巻き串 てっぺん(祐天寺)を開き、学大に3店舗目をオープンさせました。

※祐天寺は2020年9月14日に創作系まぜそば専門店・東京マゼソバに業態変更。2021年6月5日、独立したスタッフが店を買い取り(?)、マゼソバ酒場 STAGEとしてリニューアルオープン(2023年閉店)

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扉を開けると、おかえりなさい?いらっしゃいませ?そんな感じの元気な声がかかります。もう1デシベル小さくてもいいかなとは思いますが、やかましいというほどではありません。よかった。大声を張り上げるうるさい接客大嫌い。

顔が隠れてしまうほど高身長なのが仮店長・加藤悠介さん(後述)。大きいw

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いくつか確かめたいことがあったのですが、さっそくその内のふたつが解消されました。

なぜ「てっぺん 学芸大学」ではなく「薄田商店」なのか。代表・薄田典靖さんの祖父が秋田県男鹿市で薄田商店という酒屋をやっていたのですが、今年、閉業しました。その"意思"を受け継いでいきたいという気持ちから、薄田商店という屋号にしたとのこと。

あと、これは帰って調べてみてわかったのですが、今後、この野菜巻き串の店をフランチャイズ展開していく算段があるため、独自のブランド名にしたかったということもあるでしょう。ただ、普通は「うすだ」と読んでしまうこの漢字で多店舗展開を狙うというのはなかなかw

もうひとつ、看板に「創業大正三年」と書かれているのも気になっていたのですが、秋田の薄田商店が大正三年に創業したからでした。まったく別の業態ですから、この居酒屋を大正三年創業と言っちゃうのは少々引っかかりますが、こうしてちゃんと説明をしてくれているので、まあ目くじらを立てることもないか。

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料理のメインは野菜類を肉で巻いた野菜巻き串。野菜巻き串の店は福岡で盛り上がり、ここ数年で東京でも随分と増えました。

「レタス肉巻き串がおすすめです」

「5本セットにはレタス肉巻き串も入っていますか?」

わぉ。前日のBABYMETALのライブのせいで、声がガラッガラだ。かすれた自分の声に自分がびっくりw

「はい」

「じゃあとりあえず5本セットと薄田商店の酒の淡麗をお願いします」

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お通しのキャベツサラダ。ポリポリ食感がとてもいい。なんだろうと思ったら、チキンラーメンを砕いたものでした。こりゃいいや。今度マネしてみよう。

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薄田商店オリジナルという日本酒・素良(そら)。酒屋の薄田商店が木村酒造(秋田県湯沢市)に作ってもらっていたお酒だそう。

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淡麗と説明されていますが、とてもふくよか。本醸造とは思えない風味です。おいしいな。

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「野菜巻き串は時間がかかるので、すぐ出せる極トロレバーや水炊き唐揚げはいかがでしょうか?」

レバーか唐揚げ……うーん。

「厚切り塩ゆでタンはすぐできますか?」

「はい、すぐお出しできます」

「じゃ、ゆでタンをお願いします」

目の前には揚げた状態の唐揚げが盛られていました。これを揚げ直して出すのでしょうけど、揚げたて感がないようにも見えてしまう。これをこのまま出すと思う人もいるかもしれません。いや、こうディスプレイされていたほうがそそられるという人もいるかもしれないか……。見せるべき? 見せないべき? どっちだろうな。難しいw

ちなみにこれは水たき料亭 博多華味鳥(はなみどり)の水たき唐揚げ。水炊きスープ、柚子こしょう、ぽん酢を合わせた漬けだれで味つけされた鶏肉を揚げています。別に唐揚げが水炊きになっているわけではありませんw そう誤解していた方が実際にいたので一応。

へー、ネットでも販売してるんだ。口コミの評価も高いし、おいしいんだろうなぁ。

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「前日から仕込んでいます。お好みでポン酢をお使い下さい」

厚切り塩ゆでタンがやって来ました。厚みのある牛タンが3切れ。ポン酢も供されたのですが、このままで十分です。シンプルに塩ゆでされたタンはホロホロでジューシー。めっちゃうまい。

ひとつ気になることが。メニューには「3種の味比べも楽しんで下さい」とありました。おそらく部位が違うのでしょう。けど、その説明がない。サーブする際に何が3種なのかを説明すべきだろうな。あるいはメニューに明記しておくか。

「デザイナーさんですか?」

「いえ、ぜんぜん。なぜですか?」

「緑のコートに緑のジャケットというのが……」

「どんだけ緑好きやねん、とw」

「いえいえw」

まあ、確かにけったいなファッションだったな。モスグリーンのモッズコートにモスグリーンのライダース。どんな合わせ方だよw

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串物おまかせ5本セット。右からレタス肉巻き串、万ネギ巻き、えのき巻き、長芋しそ巻き、トマト巻き。写真でどう見えるかわかりませんが、イメージしていたよりも大きいです。ボリューミー。

えのき巻きだけは焼き鳥のタレがつけられています。他はほのかな塩味。

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味の濃いめ、薄めはテーブルの調味料で調整お願いします!
※好みがあるので若干サッパリ目の味にしています。

実際、塩味は控えめでした。ただ、薄いというわけでもありません。私にとってはちょうどよかったです。

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とはいえ、途中で味変させたい。厚切り塩ゆでタンに添えられたポン酢をつけてみました。いやぁ、いいねぇ。

どれもおいしいし、食感もいい。とても満足度の高い5本セットです。

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二杯目は玄米茶ハイ。

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パックに入った玄米茶をつつくとこうなります。香ばしくも爽やかな味わい。

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水炊き唐揚げとなめろうアジフライで迷ったのですが、なめろうアジフライにしてみました。

揚げる際にわかったのですが、これは業務用のあじなめろうフライでした。別にできあいでもいいのですが、業務用然とした袋を思いっきり客に見せちゃうのはいかがなものかとw

味は悪くはないのですが、一人で食べるのはきつかったです。一個二個ならいいのですが、四個となるともたれるし、どうしても魚の臭いが気になってきます。頼むなら二人以上の時がいいかも。

と、ここで突然、声をかけられます。

「ひろぽんさん、お久しぶりです」

「岡本君! いやぁ、てっぺんでてっぺんに会えるとはw」

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学大にあった焼き鳥屋・おかもと家(2018年8月閉店)の岡本崇君が偶然、店にやって来たのです。岡本君はてっぺんの創業メンバーの一人。

「来るのは初?」

「はい。彼、僕の後輩なんですよ。年はひとつ上なんですが」

ひときわ大きなスタッフを岡本君が紹介してくれました。

「加藤です。その内に元の店(自由が丘)に戻るのですが、いま、仮で店長をしています。今後ともよろしくお願いします」

なるほど。そうかぁ。

仮店長の加藤悠介さんは客対応が素晴らしかった。ただ、加藤さん一人だけが目立っていました。このままの状態で加藤さんが抜けたらマズいんじゃないかなぁ。特に新人さんたちは加藤さんがいる間に加藤さんからいろいろなことを学ばないとねw

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こちらを向いて立っているのが加藤悠介さん

会計は4279円。一人の頼み方としては少々無理をしたせいか、ちょっと高くなったかな。もしかしたら一人で来るよりも複数人で来た方がコスパよく感じられるかも?

全体的にとてもよくまとまっているお店だと感じました。そつがない。野菜巻き串と厚切り塩ゆでタンはさすがに目玉とあってとてもおいしかったです。

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その後もたまに寄ってます。いつも賑わってますね。スタッフもみんな元気で楽しい。

SHOP DATA

てっぺんと学芸大学

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"居酒屋から日本を元気にする"を目標に掲げ、2004年、大嶋啓介さんが自由が丘に居酒屋・てっぺんをオープンさせます。これがてっぺん1号店。現在、株式会社てっぺんは予祝のてっぺん男道場(渋谷)、てっぺん渋谷女道場、てっぺん大和家(中目黒)、魚のてっぺん 桑名を運営しています。

てっぺんにはふたつの大きな特徴があります。

ひとつ目は公開朝礼です。各スタッフが大きな声でスピーチをする"本気の朝礼"。テレビや雑誌などで目にしたことがある人も多いのではないでしょうか。この朝礼自体が特徴的なのですが、希望すれば誰でも参加できるという点もユニークです。

ふたつめは独立制度です。てっぺんは直営の各店を"独立道場"と呼んでいます。基本的にスタッフは3年で独立することになるのですが、入社時に独立後の目標を決めなければいけません。この3年で現場のこと、経営のことを学び、独立の糧とするわけです。

先述の通り薄田典靖さんも入社2年で魚のてっぺん 桑名の店長を任され売り上げを伸ばし、その後、(株)てっぺんの取締役、社長に就任、3年後には独立を果たします。てっぺんから独立した人は何十人といて、てっぺん系の店(てっぺんから独立した人の店およびその店から独立した人の店)は何百もあります(海外含む)。

以下は主なてっぺん独立者(会社)と店舗です。

  • 内山正広(株式会社MUGEN)/なかめのてっぺん 本店
  • 吉田将紀(株式会社絶好調)/ろばた焼き絶好調てっぺん
  • 類家令奈(株式会社ロイヤルストレートフラッシュ)/丸鶏るいすけ本店
  • 矢野潤一(型無株式会社)/馬肉料理と蒸し野菜 型無夢荘

おや? 6年以上、学芸大学に住んでいる方なら見覚えのある社名がありますね。そう、学芸大学にあった創作料理店・型無(かたなし)はてっぺんから独立した矢野潤一さんの1号店だったのです。

型無、はなび(※)、おかもと家、そして薄田商店。薄田商店は学芸大学のてっぺん系飲食店としては4軒目ということですね。

※はなびの店主だった方はてっぺん出身ではありませんが、型無からの業務委託だったので、てっぺん系としました

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